映像や動画の創造的な魅力を引き出し、視覚的なストーリーテリングを実現する職業「映像制作」。

この記事では映像制作の魅力に加え、さまざまなポジションの存在や、プロジェクト進行における具体的な業務フロー、必要とされるスキルについて詳しく紹介していきます。さらに、映像制作業界における現実的な年収傾向についても解説。情熱とクリエイティビティを兼ね備えた映像制作の世界に足を踏み入れたいと考えている人は必見です。

映像制作とは

映像制作とは、映像や動画を企画・制作する仕事のことを指します。
映像制作は広告や映画、テレビ番組、Webコンテンツなど、さまざまなメディアで活用されています。映像制作の目的は、情報を伝えたり、商品やサービスを宣伝するために魅力的な映像を作り上げることです。映像制作には多くの専門知識とスキルが必要であり、チームで協力して行われることが一般的です。
映像制作の過程には、企画・脚本の作成、撮影・制作、編集・映像のディレクションなど、映像に関するさまざまなフェーズが含まれます。

映像制作のポジションは2つにわかれる

映像制作

制作系

映像制作のプロジェクトにおける制作系のポジションとは、企画や制作の全体的な管理・指揮を担当する役職群を指します。制作系のポジションは、映像作品の企画段階から始まり、プロジェクトのビジョンを明確にし、クリエイティブな要素を具現化するための戦略を立てることを主な業務としています。

また、映像の制作や編集に関わるスタッフやクリエイターとの連携を図り、プロジェクトのスケジュール、予算、品質などを管理します。制作系のポジションは、クリエイティブなアイデアを現実化し、魅力的な映像作品を生み出すために、プロジェクト全体を統括するリーダーシップと組織力が求められる役割です。

技術系

技術系のポジションとは、映像制作において技術的な側面やツールの活用に特化した役職群を指します。映像制作における技術的な側面に特化し、映像のクオリティやテクニカルな要素に深く関与します。

最新の映像技術やツールの知識を持ち、映像制作の進化に常に対応しながら、クリエイティブな目標を達成するための技術的なサポートを提供します。

映像制作の仕事の流れは?

オリエンテーション

映像制作の現場では、最初に映像制作の目的や要件についてのオリエンテーションが行われます。

クライアントや関係者とのミーティングを行い、プロジェクトの方向性やビジョンを明確化します。制作チーム全体でクライアントの要望や目的を理解し、映像作品のコンセプトを確立するための話し合いが行われるケースもあるでしょう。

企画決定・準備作業

オリエンテーションが終わると、映像の企画が具体化されます。次の準備作業では、ストーリーボードの作成や脚本の執筆、キャスティング、ロケーションの選定など、映像作品を実現するための準備作業が進められます。

また、予算やスケジュールの作成も行われ、具体的な納期を加味してプロジェクトが進行し始めます。

撮影・試写

準備が整ったら、映像の撮影が行われます。
カメラマンや照明技師、俳優やスタッフが協力し、クライアントの要求やディレクターの指示に従って撮影が進められます。技術系のポジションのスタッフが、場面ごとにカメラアングルや照明の設定を行い、映像に使用する素材を揃えていきます。撮影後には試写が行われ、クオリティや表現の確認、場合によっては修正や撮り直しが行われることもあるでしょう。

本編集・録音

撮影が終了したら、映像の本編集と音声の録音が行われます。
編集技師を中心に、収集された映像素材を選定し、カット編集や特殊効果の追加、音声の編集などを行う作業です。映像と音声を調和させ、映像作品の魅力を引き出すために細かな調整が行われます。使用できない箇所のカットや、番組らしさができるような構成への切り取りが行われることもあります。

最終チェック・納品

映像の編集が完成したら、最終的なチェックが行われます。
クライアントや関係者に映像を提示し、修正や意見を反映させます。最終的な修正が完了したら、映像作品が納品されます。

納品形式は、クライアントの要求やプロジェクトの要件に応じて異なる形式で提供されます。納品物は、オンラインプラットフォームへのアップロード、ディスクやUSBメモリの提供、放送用フォーマットへのエンコードなど、さまざまな方法で行われます。

映像制作に必要なスキル6選

映像制作

映像撮影スキル

映像制作において最も基本的なスキルの一つは、映像撮影スキルです。カメラの操作やフレーミング、構図、適切なライティングなど、映像を美しく魅力的に撮影するための技術が求められます。また、撮影機材や撮影環境に関する知識も重要です。

音響・照明スキル

映像制作では、音響と照明の設定が重要な役割を果たします。音声のクオリティや効果音の追加、適切な照明効果の設定によって、映像の雰囲気や表現力を向上させることができます。音響や照明の知識と技術を習得することで、映像作品の品質を高めることができるでしょう。

企画・構成スキル

映像制作においては、良い企画と構成が不可欠です。ストーリーボードの作成や脚本の執筆、シナリオの構築など、映像作品を明確にするための能力が求められます。視聴者の心を引きつける魅力的なストーリーテリングや映像の流れを考える能力が重要です。

映像編集・加工スキル

映像制作の世界では、撮った映像に対して編集と加工が行われます。そのため、単なる撮影のスキルだけでなく、映像のカット編集、効果の追加、色調補正などを行い、映像作品のクオリティを向上させるスキルが必要になります。編集ソフトウェアの使い方や映像編集のテクニックを習得することで、映像の魅力を最大限に引き出すことができます。

デザイン・アートスキル

映像制作においては、デザインやアートのスキルも重要です。映像を作るには、視覚的な要素を考え、美しい映像や効果的なビジュアルデザインを作り出す能力が求められるからです。色彩の選択、タイトルやテキストのデザイン、グラフィックやアニメーションの制作など、映像作品における視覚的な要素を工夫することで、映像の魅力を高めることができます。

ディレクション・ビジネススキル

映像制作では、プロジェクト全体を統括し、クライアントや制作チームとのコミュニケーションを円滑に行うディレクション・ビジネススキルも重要です。特に映像ディレクターや監督はプロジェクトの管理やスケジュールの調整を行い、制作の円滑な進行をサポートします。また、クライアントや社内のメンバーに向けたプレゼンテーションのスキルや、円滑なコミュニケーションを築くためのビジネススキルも必要となります。

映像制作に向いている人の特徴

映像制作

細かなところにまで気を使える人

映像制作では、細部にわたる注意と注意力が必要です。映像の構成、映像の編集、音響効果など、細かなディテールに気を配ることで、作品のクオリティを向上させることができます。細部へのこだわりと丁寧な作業が求められるため、細かなところにまで気を使える人が向いています。

貪欲に技術を習得できる人

映像制作は、技術やツールの進化が速い分野です。新しい撮影技術や編集ソフトウェア、特殊効果の手法など、常に最新のトレンドや技術に対応する必要があります。映像制作に向いている人は、貪欲に学び、新しい技術を習得する意欲がある人です。

絵コンテやシナリオを作ってプレゼンする能力がある人

映像制作においては、ストーリーのシナリオや映像の構成が重要です。絵コンテやシナリオを作成し、それをプレゼンテーションとしてクライアントや制作チームに伝える能力が求められます。ストーリーの構築能力やビジュアルコミュニケーションのスキルを持つ人が映像制作に向いています。

映像制作の仕事の3つのやりがい

映像制作

①映像を通じて人々に笑顔や感動を届けることができる

映像は視覚と聴覚を刺激し、人々に笑顔や感動を届けることができるメディアです。クリエイティブなアイデアや表現力を活かし、視聴者の心に響く作品を制作することで、喜びや感動を共有することができます。創造性や技術を駆使しながら、視聴者に感動やメッセージを届けられる点は、映像制作の大きなやりがいでしょう。

②自身の感性を存分に活かせる

映像制作は、芸術的な要素を含むクリエイティブな仕事です。自分自身の感性やアイデアを取り入れることで、独自の映像作品を創り上げることができます。映像の構成や視覚効果、音響の配置など、自分の感性に基づいて映像作品をデザインすることで、個性的で魅力的な作品を生み出すことができます。

③ 自分が制作したものが作品としてずっと残り続ける

映像制作のやりがいの一つは、自分が制作した作品がずっと残り続けることです。映画、ドキュメンタリー、広告映像など、作品は視聴者によって視聴され続け、影響を与え続けます。自分の手がけた映像が人々に鑑賞され、共感や感動を与えることで、制作の喜びと誇りを感じることができます。

映像制作の仕事のリアルな年収は?

映像制作

映像制作の仕事の給与は、個人の経験やスキル、勤務地、所属する企業の規模などによって大きく異なります。ただし、一般的には他の職種に比べて比較的高い年収が期待できるでしょう。厚労省が発表した厚生労働省2020年家計調査では、日本の全年齢の年収中央値は437万円であると公表されています。求人ボックスのデータによると、映像制作の仕事の平均年収は約449万円。中堅から上級のポジションでは年収が700万円以上になることもあります。一方、初級や経験の浅い場合は、年収が400万円から600万円程度となることが一般的です。

映像制作の仕事のキャリアパスはポジションによって変わる

映像制作

映像制作のキャリアパスは、個々のポジションや業界の特性に応じて異なります。それぞれのポジションでは、経験と実績が重要な要素となりますが、独自のスキルや専門知識を持つことも重要です。自身の興味や才能、学びたい領域に合わせて適切なポジションを選び、キャリアを築いていきましょう。

以下では、主要な映像制作ポジションとそれぞれのキャリアパスについて解説します。

1.ディレクター

ディレクターは、映像制作の中心的な役割であり、プロジェクト全体の指揮を執る立場です。ディレクターのキャリアパスは、経験と実績に基づいて昇進し、より大規模なプロジェクトや高いクリエイティブな責任を担当することが期待されます。

2.プロデューサー

プロデューサーは、映像制作プロジェクト全体の計画や予算管理、スケジュール調整などの業務を担当します。プロデューサーのキャリアパスは、プロジェクトの規模や複雑さに応じて昇進します。組織のマネジメントや戦略的なプロジェクトの立案など、より高度なプロデューサー業務を担当することもあるでしょう。

3.カメラマン/撮影監督

カメラマンまたは撮影監督は、カメラの操作や撮影技法、照明の設定などを通じて、映像の美しさや表現力を追求します。カメラマンのキャリアパスは、撮影技術の習得や経験によっても変化します。初期段階ではアシスタントとして経験を積み、徐々に主要なプロジェクトのカメマンとしての役割を担うようになります。映像制作の分野では、カメラマンの特定の専門分野やスタイルに特化することもあります。例えば、自然映像やドキュメンタリー映像、商業広告など、さまざまなジャンルにおいて専門知識を持ったカメラマンとして活躍することができます。

4.映像編集者

映像編集者は、撮影した映像素材を編集し、ストーリーの構築や映像の流れを作り上げる役割を担います。彼らは映像編集ソフトウェアを使用して、シーンの組み合わせやカットのタイミング、音楽や効果音の編集などを行います。編集者のキャリアパスは、編集技術の向上や編集作品の実績に基づいて変化します。経験を積んだ編集者は、より大規模な映画やテレビ番組など、高度な編集作業を担当することができます。

映像制作の初心者が上級ポジションに進む方法は?

映像制作

1.基礎を固める

映像制作の分野で成長するためには、まずは基礎的なスキルを習得することが必要です。映像の撮影や照明、音声のキャプチャ、編集ソフトウェアの使い方など、基本的な知識や技術を身につけましょう。オンラインのチュートリアルやコース、研修プログラムを利用することで、勉強を進めることができます。

2.多様なプロジェクトに参加する

キャリアを積むためには、まずは多様なプロジェクトに参加することが重要です。映画、ドキュメンタリー、広告、ミュージックビデオなど、さまざまなジャンルやメディアで経験を積むことで、幅広いスキルを磨くことができます。自身の得意分野や興味を追求しながら、様々なプロジェクトに関わることをおすすめします。

3.SNSでつながりを築く

他の映像制作のプロフェッショナルや業界関係者とのつながりを作ることで、新たな機会や情報を得ることができます。映画祭や業界イベント、コミュニティのミーティングなどに積極的に参加し、他のクリエイターやプロデューサーと交流しましょう。また、ソーシャルメディアや専門のオンラインプラットフォームを活用して、自分の作品やスキルを発信し、コミュニティとの関わりを深めることも重要です。

4.スペシャリストとしての道を選ぶ

キャリアの発展においては、特定の分野やスキルに特化することも一つの方法です。映像制作の中でも編集、VFX、カメラ操作、カラーグレーディングなど、自分が興味を持ち得意とする領域を見つけましょう。その分野でのスペシャリストとしての知識や技術を深め、専門性を高めることで、上級ポジションやリーダーシップの役割を担う機会を得ることができます。

5. プロジェクトのリーダーを目指す

映像制作のキャリアの中でリーダーの役割を担うことを目指す場合は、プロジェクトのマネージャーやディレクターとしての経験を積むことが重要です。チームの指導やコーディネーション、予算管理、クライアントとの折衝など、リーダーシップに必要なスキルを磨きましょう。また、自身のビジョンやアイデアを具現化し、独自のプロジェクトを立ち上げることも一つの道です。

まとめ

映像制作の仕事では、制作プロセス全体にわたってチームと協力し、目標に向かって共に成長することができるでしょう。映像制作の仕事は、クリエイティブなアイデアと技術力を持ち合わせながら、視聴者の心に響く作品を創り上げることができる仕事です。それぞれのポジションへの理解を深め、挑戦とやりがいに満ちた映像制作の世界へ、ぜひ足を踏み入れてみてください。

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