2017年1月17日(火)大阪のAP大阪東梅田日本生命ビルにて、クリエイターのキャリア支援を行うクリーク・アンド・リバー社による、EC/ネットショップ担当者に向けたキャリアイベント第一弾を開催いたしました。

第一部は「注目株のEC/ネットショップで活躍する人々」、第二部はパネルディスカッション「EC/ネットショップの未来と生き残り戦略」の2部構成で、平日の遅い時間にもかかわらず満席状態で皆様熱心に耳を傾けておられました。

参加者の属性
【男女比】4:6
【年齢】20代:11%、30代:40%、40代:29%、50代以上:20%
【主な現職種】
Webディレクター:14 %、デザイナー(グラフィックも含む):23%
EC担当者(店長も含む):10%、編集・ライター:8%

以下、そのレポートをお送りします。


第一部:注目株のEC/ネットショップで活躍する人々

★夢展望で活躍する人材とは

夢展望株式会社 代表取締役社長
濱中 眞紀夫(はまなか まきお)氏

濱中氏はタカキューやジーンズメイトなどアパレル畑を経て、再生コンサルティングのリヴァンプに入社。

2015年健康コーポレーション(現RIZAPグループ)に入社し、アパレル統括室室長に就任。
同9月に夢展望の営業本部長、2016年6月取締役、同12月に代表取締役社長就任されました。

「夢展望で活躍する人材とは」というテーマで、ご自身のこれまでのご経験やキャリアのお話と、自社の優秀な女性社員のお話をされました。前職でアパレル販売・商品企画、そして夢展望へ入社後はモノづくりに関わり、今は営業企画にチャレンジといった多様な経験とノウハウをもつことで、CVアップや在庫日数の改善に貢献している。このようにキャリアを形成していくうえでは「一つの課題に対して色んな軸からモノを見ていくことがものすごく重要です。」との事。

また、Eコマース業界へ転職したい!という方はたくさんおられますが、小売業で働きたいと考えている方はあまりいないとのこと。でも忘れてほしくないのは大半のEコマースの事業は小売業であるし、小売業で仕事をするということは、「自立した商売人としての視点」をしっかり持つこと。そして+α(Eコマースならではの視点や技術・スキル)が身につくと最強の人材になれるんだ!と熱く語って頂きました。

★やりたいことを自分のキャリアに

株式会社141&Company 代表取締役社長
石井 昭裕 (いしい あきひろ)氏

続いては石井氏。もともと人事系の組織制度のコンサル・採用設計の仕事をされていましたが、昨年1月に「食とアートで日本を面白く」という理念のもと起業され、同9月から無農薬の有機野菜のECサイトを運営しておられます。今回は、独立やスタートアップという観点から参加者の方々へ「本当にやりたいことを仕事にしませんか?」というテーマでお話しいただきました。

石井氏ご自身がやりたいことは、こだわりの食材を適正価格で流通する仕組みを作り、日本を盛り上げること。
実は、おいしい野菜が高く売れるのではなく、カタチと大きさが整っている野菜が評価基準になっているようで、世の中にはたくさんおいしい野菜があるものの、世に出てきていないのが現状。食材の本質的な基準は味ではないのか?という強い想いからこのような社会的な問題を、ECを通じ解決していきたいとの事。

また、141&Companyが短期間で成果を出すことができたのは、社員一人ひとりが「やりたいこと」を自発的に行動・発信しているからだと。

・仕事でワクワクしているのか?
・最高のモチベーションで仕事に取組んでいるのか?
・仕事で最高の成果をあげているのか?

これら全てにYESと答えられるのは、やはり「やりたいこと」に集中し夢中になっている時で、やりきる力を最大限引き出す一番よい方法が、「やりたいこと」をキャリアにしていく考え方を持つこと、とお話しされていました。
もし次に転職を考えるときは、「本当にやりたいこと」というのをじっくり考え、もしそれが野菜を売る事だったら一緒に仕事をしましょう!と。(笑)

経営視点から考えるWeb系人材のキャリアアップとは

株式会社AmidA 取締役 兼 マーケティング事業部部長
森 龍彦 (もり たつひこ)氏

最後のご登壇は、業界トップクラスのハンコヤドットコムを独自のデジタルマーケティングで運営され、Google アドワーズ日本初の広告主でもある株式会社AmidA 取締役兼マーケティング事業部 部長の森氏。

AmidAではインハウスにて、商品企画からプロモーション、制作までのマーケティングプロセスを一貫した体制で構築され、社内の広告プランナーやエンジニア、デザイナー等のように様々な職能の方を活かしながら事業の課題解決や顧客貢献に繋げていく仕組みを作っておられます。

経営視点から考えるWeb系人材のキャリアアップということで、個人視点と経営視点の考え方を如何にマッチングさせながら、キャリアアップに繋げるかのというお話をされました。

個人視点でのキャリアアップは、スペシャリストとしてスキルを高めていくことと、責任範囲を広げていくことの二つだが、経営視点では、めまぐるしい環境変化の中で、更に成長していくための組織の在り方を考えることであり、これに対応するには、いかに機能するボトムアップ型組織を作れるかということに工夫をしてきたとの事。

顧客に貢献する組織を作るために、UXデザイナーを中心において、顧客に提供する価値を再定義し、カスタマージャーニーマップを作って、理想のあるべき行動と現状で乖離している箇所を、それぞれの職能を活かしてどう埋めていくのかといった事を取り組んだりしているそうです。

また会社の成長のためには、やったことのない事にチャレンジすることが大事で、クリエイティビティを発揮したい方に対しては、課題設定・要件定義からはいってもらい、なるべく制約制限がかからない仕組みづくりをしておられます。

森氏が常にマネージメントで心掛けていることは、人の成長は会社の成長につなげられる組織デザインを如何にするかということだと、お話しいただきました。

第二部:パネルディスカッション
「EC/ネットショップの未来と生き残り戦略」

パネラー:
夢展望株式会社 代表取締役社長 濱中氏
株式会社141&Company 代表取締役社長 石井氏
株式会社AmidA 取締役 兼 マーケティング事業部部長 森氏
コーディネータ:
ARATAMEDO[アラタメ堂]福田氏

今後EC/ネットショップが生き残っていくために必要な条件や、自社の展望について、引き続きご登壇いただき意見交換を行いました。

今気になっているEC業界のニュース、注目しているサイト、サービスなどは?

夢展望 濱中氏:
MA(マーケティングオートメーション)を構築したいとおっしゃっていました。ECはどのような経路で入ってきて購入に至ったかが分かるのが良いですねと。

141&Company石井氏:
ECには切っても切り離せない物流という観点から、「政府が宅配BOXの導入に積極的で、半額補助を出す」というニュースを取り上げ、お話し頂きました。

AmidA 森氏:
スマホという小さな画面の中でいかに綺麗に欲しい情報を見せるかというお話をして頂きました。UI/UXのデザインだけでなく、個々のデバイスに合わせた接客手法を課題としているそうです。

Amazonや楽天、Yahoo!など大手ネットショップと、どう戦っていくべきか?

夢展望 濱中氏:
多くのモールにも出展されているので共存共栄だそうです。圧倒的なトラフィックの量を誇るモールからは、自社商品のファンにするということを目指しているとのこと。

141&Company石井氏:
モールには一切出店していないとのこと。出店すれば、ある程度のお客様が来ることは分かっているが、自分たちの目指しているサイトの色とモールの色が離れているためイメージを壊してしまうと考えているのだそうです。

AmidA 森氏:
モールとはあえて戦わないとおっしゃっていました。というよりも、商材のオーダーメイドなどといった特性からモールとは差別化がされているようです。また、戦わないためにSEOやタレント契約をし、CMを打つなどの施策に力を入れているといったお話も聞くことができました。

これ以外にも下記のようなテーマでお話を聞かせて頂き、参加者の方々からも質問が飛び出すなど、より具体的で実践的なお話にみなさん満足しておられたようです。●今後、EC/ネットショップが生き残っていくために必要なことは何でしょう?
●これから取り組みたい商材、サイト、販売チャネルなどは何ですか?


今回、初めてECに特化したセミナーを開催させて頂き、各社それぞれの取り組みや考え方が非常に参考になったと来場者様からのアンケートで多数ご意見をいただきました。

これからも環境変化が目まぐるしく変化するEC業界において、このようなセミナーを継続開催していこうと考えております。
※次回は4月開催予定

このレポートを見て気になった方や今回参加されて為になったという方は、是非次回の参加をお待ちしております!
以上セミナーレポートでしたっ!