こんにちは!株式会社クリーク・アンド・リバー社の青木(@woodblu)です。クリエイティブ業界の人材領域における、マーケティング活動をしております。主なミッションとして、オウンドメディアを通じてクリーク・アンド・リバー社に会員登録、弊社運営の求人サイトから応募していただく、いわゆるリード獲得の最大化を担っています。

フィードフォース金井さん
冒頭フィードフォース広報の金井さんから主旨のご説明。

そんな人材領域で、ここ数年影響力を拡大している特化型検索エンジンIndeed。皆さんご存知でしょうか?最近はマス広告や、エンジニアや事業責任者のインタビュー記事、イベント登壇など露出を高めています。今回はIndeedの中の人に話が聞けるチャンスとのことで、2016年4月14日(木)に株式会社フィードフォースが主催した「話題の求人検索サイトIndeed徹底解剖!」に参加してきました。人材領域に限らず、データを活用したWebマーケティング施策担当者必見の内容でした。

Indeedは検索エンジンであり、求人広告媒体と根本が違う

イベント前半はIndeed アカウントエグゼクティブ 佐溝 亮太さんによるIndeed活用術についての講演。 Indeedは世界最大級のアグリゲート型求人情報専門検索エンジンサイトです。2004年にアメリカで設立、2012年にリクルート(現:リクルートホールディングス)によって子会社化され、日本国内でも利用者数が着実に伸びている検索エンジンです。インターネット上にある求人情報ページをクローリングし、Indeedでインデックス化しユーザーの検索結果に合わせて表示され、ダイレクトに求人情報ページに遷移する仕組みになっています。

Indeedにインデックスされる情報元、一般の求人媒体サイト、人材紹介事業のサービスサイトが大半を占めています。Indeedとして、これから伸ばしていきたいのが企業の自社サイト上の採用情報ページで、こちらは順次インデックスされています。日本の求職者の大半は求人媒体サイトと人材紹介事業のサイトを利用しますが、アメリカの場合は自社サイトをしっかり作りIndeedに掲載され、求職者が応募する文化が広がってきており、日本も同様の傾向になるのか気になるところです。

Indeedトップページ
Indeedトップページ

IndeedはGoogleのように非常にシンプルなインターフェイスとなっていますが、これも求職者の使いやすさを検証し続けた結果です。ちなみに、イベントでは語られませんでしたが、Indeedは全てにおいてデータドリブンであることがインタビュー等で紹介されており、今のインターフェイスもA/Bテストを繰り返した結果に基づいています。

また、Indeedは企業理念に「I help people get jobs.」が掲げられています。これが全てにおいて軸となり、求職者目線で全ての事業展開や開発がされています。例えば、すごくお金が儲かる依頼があったとして求職者目線で見た際にプラスにならないのであれば「お断りする」という強い理念のもと運営されているということです。

見込みユーザーが常に一定数自然流入で来訪する

コンバージョンの見込みが高いユーザーを、どうやってサイトに来訪してもらうか、私のような求人サイト運営担当者が常に抱える課題です。そのため、求人広告媒体や人材紹介会社が運営する求人サイト等では、オンライン・オフライン問わず様々な広告や施策を駆使し、見込みユーザーのタッチポイント拡大に取り組んでいます。マーケティング界隈ではLTV(ライフタイムバリュー)という言葉がありますが、ユーザー側の立場で考えれば、転職や仕事探しは一大的なライフイベントであり、人生において何度も発生するイベントではありません。そのような限られたユーザー規模の中、Indeedは日本だけで2015年時点で月間ユニークユーザー数1000万を誇り、今後も増えていくことが予想されます。

上記ユニークユーザーのうち、GoogleやYahoo!などの検索自然流入が一定数あります。自社サイトでGoogle向けのSEO対策をするとともに、Indeed経由を前提とした求人情報ページ最適化を進めていくことも、今後は重要になっていくのではと思います。

求職者目線を原則に求人情報ページを改善すれば検索結果順位は上がる!?

Indeedの検索アルゴリズムは日々テストと検証が繰り返され、求職者がより使いやすく有益な情報にたどり着けるよう進化し続けています。ただし、アルゴリズムに関してはIndeed社内でも限られたメンバーしか知ることができないようです。これは、Googleの検索アルゴリズムもFacebookの表示アルゴリズムにも同じことが言えますが、Indeedが企業理念として掲げているI help people get jobs.に則り、求職者の立場でわかりやすく有益な求人情報を用意すれば、上位表示されやすいのではと思います。余談ですが、Googleに対するSEOも書籍化されて紹介されているテクニックもあれば、都市伝説レベルのテクニックもありますが、最終的にはここに帰結すると私は考えます。

Indeed自然検索結果の特徴

  • Indeedのアルゴリズムにて表示順位が決定
  • 重複案件は極力表示しない
  • 検索結果の内容は常時変動

重複案件は極力表示しないよう、Indeedのアルゴリズムで制御がされています。例えば、クリーク・アンド・リバー社の営業職求人を、複数の求人媒体に同じ内容で掲載していた場合、「クリーク・アンド・リバー社 × 営業」で検索すると、もしアルゴリズムで制御されていないと同じ求人内容が何件も表示されてしまいます。それは、求職者目線で見た場合、非常に不便です。そのため、Indeedのアルゴリズムで1つだけ表示するよう重複表示されないよう制御されています。

 Indeed佐溝さんによる質疑応答
Indeed佐溝さんによる講演

スポンサー枠とGoogleやYahoo!のリスティング広告は似て非なる物

Indeedにはスポンサー枠があり、広告主が流入強化したい求人情報を上位表示させることができます。クリック課金型のリスティング広告で、広告効果をリアルタイムで確認&分析することが可能です。見た目や課金の仕組みだけ見るとGoogleやYahoo!のリスティング広告と同じように見えますが、全くの別物として認識する必要があります。最も違う点として、Indeed広告には「キーワードを買う」仕組みがありません。職種や勤務地などの条件で上位表示させたいキャンペーンを作り、そのキャンペーンを上位表示させるために入札をするという仕組みです。オークション式の有料SEO広告というイメージが近いです。さらに、Indeed内でのユーザー行動履歴もスポンサー枠の上位表示条件に加わっています。

Indeed検索画面
Indeed検索結果画面

リスティング広告のように、例えば「正社員」と検索したユーザーに対してターゲティングをしたいというリクエストもIndeedに対して多々あるようですが、広告主によるターゲティング設定はできず、スポンサー広告のAI(人工知能)が求職者にとって一番有益と判断した求人を表示させています。これも求職者目線という大前提があるからこそ、ターゲティング広告は提供しないようです。

このような制限がある一方、Indeedスポンサー広告はリスティングのような広告文作りやキーワード設計など必要なく、出稿まで非常にシンプルな仕組みになっているため、強化したい求人の運用、エリア別、職種別の広告出稿などが簡単にできます。さらに、Indeedスポンサー広告はCPCの安さが魅力的です。Googleリスティング広告であれば、職種や時期によっては1000円を超えるキーワードも出てきているなか、IndeedはCPC15~90円が相場となっています。なお、広告レポートはアメリカ時間で定義されているため注意が必要です。標準時間の場合、日本時間14時からレポートの1日が始まります。

Indeedの特徴と強みのおさらい

いかがでしたでしょうか?人材領域のマーケティング担当としてIndeedは外せないタッチポイントの1つです。改めてIndeedの特徴と強みをおさらいします。

Indeedの特徴

  • トラフィックボリューム(月間1000万人以上からのアクセス)
  • 求人掲載数の多さ(ウェブ上に存在する全ての求人を集約掲載)
  • 求人単位で運用が可能(強化求人のみ運用、エリア別、職種別)
  • 出稿までの設定がシンプル
  • クリック単価の相場が安い(CPCが魅力的な安さ)
  • 求人案件へ(採用ページへ)ダイレクトに誘導可能

Indeedの強み

  • Google上で常に検索結果の上位にいる
  • 求人情報へダイレクトに訴求できる
  • 応募意欲の高い求職者が活用している
  • 求人単位で簡単にキャンペーン分類できる(企業別など)

なぜデータフィードが重要視されているのか

イベント後半はデータフィードの重要性について株式会社フィードフォース DF PLUS 事業責任者 川田 智明さんによる講演です。データフィードの重要性を確認する前に、インターネット環境の変化についておさらいから始まりました。

2000年代のインターネット利用はPCが主流でした。そのため、WebサイトはGoogleやYahoo!の検索最適化(SEO)をして、PCのディスプレイに合わせてレイアウトを組むことにより、ユーザーにとって使いやすいサイトを提供することができました。しかし、2010年代に入りインターネット利用デバイスや日常的に閲覧するメディアが多様的になりました。環境の変化について川田さんの解説によると大きく以下3点があげられます。

1.デバイスの小型化・多様化
デバイスの小型化が進み、どのユーザーにも一律でTOPページを使った訴求はユーザー体験として好ましくない。デバイスにあった情報をピンポイントで出すことが求められている。

2.消費者行動の変化
Googleが提唱するマイクロ・モーメントという概念。これは特に2000年代以降のユーザーがWeb上で興味を惹ける時間は最大5秒と言われている。

3.分散型メディア
FacebookやTwitterなどユーザーごとに見るメディアが分散している。そのため、見込み顧客も分散化している。

インターネットを使って生活者にアプローチしたい企業にとって、これらの変化に対応できないのは死活問題となります。そこで、生活者へのアプローチを最適化する1つの手段として注目されているのがデータフィードです。

フィードフォース川田さんによる講演
フィードフォース川田さんによる講演

データフィードはIndeedのスポンサー広告を最適化する

今回のイベントを主催したフィードフォースは2012年からIndeedを広告出稿先として活用していました。Indeedのクローラーは精度が高いものの、より適切なタイミングで最適化した情報を広告としてIndeedに掲載するためには、データフィードが効果的です。

GoogleやYahoo!のリスティング広告の場合は見出しや広告文のコントロール、広告出稿有無、入札金額の調整などを管理画面でコントロールできます。Indeedの場合は、通常、クローラーが取得した求人に含まれる情報を使って、広告運用に必要な調整を行います。求人データをIndeedだけに使用しているなら良いのですが、他の広告媒体でも使用している場合、Indeedのクローラーのために何度もサイト上の表示を調整するのはあまり良い運用とは言えません。また、データベース項目から変更しなければならないとなった場合、見出しを最適化するだけのためにデータベース改修を入れることは現実的には難しいことが多いのではないでしょうか。

そこで、求人データをIndeedのフォーマットに合わせたデータを別途用意し、それをIndeedに読み込ませることで表示を制御するなどの最適化を行う手法が注目されています。それがデータフィードです。

Indeed出稿に必要なデータ項目

  • 発行元名
  • 発行元URL
  • データ作成日時
  • 求人タイトル
  • 日付
  • 求人通番
  • ランディングページURL
  • 企業名
  • 市区町村名
  • 国名
  • 求人概要
  • 給与
  • 雇用形態

ダイナミックアド出稿時に生じる課題

Indeedの他にデータフィードを使った手法として、Criteoに代表されるダイナミックアドがあります。Criteoはユーザーの閲覧履歴に合わせて、再来訪を促すために閲覧した商品情報を広告として表示させます。この手法は非常に効果が高いと言われ、EC系や求人・人材系事業の広告主がこぞって採用しています。しかし、Criteoもまた、Indeedとは違うデータフォーマットがあり、Criteo用にデータフィードを用意しなければなりません。数件のレベルであれば手作業でデータを作成できますが数百件単位になった時点で、手作業によるデータフィード構築はあまりにも非効率的です。

さらに、これらの広告は運用し改善していくことで成果を高めていきます。一人ひとりに最適なタイミングで最適な情報を提供するはずが、手作業による手間とコストの提供で更新性がなく、最適ではない情報の提供となってしまいます。

そこで、求人情報や商品情報を管理するデータベースとは別に、広告等で使用できるデータフィード用のデータベースを用意することで、これらの問題が解決できます。フルスクラッチで開発するのも良いのですが、データフィード読み込み側の仕様変更や、定期的に行う保守メンテナンスコストが常にかかります。

そこで、フィードフォースで提供している「DF PLUS」が、データフィード用のデータベースの役割を担います。DF PLUSに商品や求人情報のマスターデータ(CSV)を投入するだけで各媒体のフォーマットに合わせたデータフィードが生成されます。便利すぎます!

DF PLUS 3つの特徴

求人マーケティングにおけるデータフィードの重要性のおさらい

インターネットの登場から2016年までの流れを見ていて、今後もデバイスやメディアの多様性はさらに拡がっていくと私は予想しています。その結果、見込みユーザーの分散化が今後も進むことからも、媒体ごとではなく、一人ひとりに最適化した情報提供が重要になってきます。今回はIndeedやCriteoをデータフィード活用例として挙げましたがGoogleやFacebookなどのインフィード広告もまたデータフィードを活用することができますし、将来的にはIoTの拡がりから今までには全くなかったデバイスがタッチポイントになるかもしれません。広告がコンテンツだった時代から、今はコンテンツが広告となる時代です。生活者一人ひとりにあった最適なコンテンツ(情報)を最適な形・タイミングで提供できるよう、データフィードの重要性をマーケティング担当者として再認識したイベントとなりました。

イベントのノベルティ
ノベルティをイベント終了後にいただきました!

▼今回参加したイベント

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