データ活用が必要なこと。
この記事をお読みのみなさんは既に具体的な課題があるほどに感じていると思います。しかし、なかなか事業を進めるにあたり、データ活用が進まない現状もあるのではないでしょうか。この記事ではデータ活用を前に進めるための1つの切り口をお伝えできればと考えております。

吉川 寛(よしかわ・ひろし)
株式会社メンバーズ 吉川 寛氏
株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャー データアナリストWebマーケコンサルタントとしてクライアントの課題発見から運用までのトータルサポートに3年従事。その後、経営企画職としてデータを活用した人事制度改定や営業企画の業務フロー構築を推進。現在はデータアナリストとしてクライアントのデータ利活用推進に関する企画立案・推進に注力しています。

データ活用は個人の取組ではなく組織の取組です。
1人でデータ活用をしていても、それは事業成果に結び付かないことがしばしばです。今後はデータ活用という手段が事業に仕組みとして組み込まれていくことになります。そこで一番の課題となり価値となるスキルがデータ活用を前に進めるスキルです。

データ活用がなぜ必要か

みなさんはデータ活用を当たり前のことだと思われているかもしれません。ただ一緒に仕事をする仲間を見るとどうでしょうか?私たちとは違う専門知識を学び、違う形で価値創出をしています。つまり私たちの当たり前は当たり前ではない可能性があります。そういった人たちのデータ活用に関する意識は

  • 専門家がやればいい
  • 他社がやってるから自社でもやらなくちゃいけない

といった温度感であることがしばしばです。
ただ、データ活用による事業推進は部署や職種を越えて実行されていくため、この状態では進みが悪くなってしまいます。
ではどうすればいいのでしょうか?重要な2つの視点があります。

知識の差を埋める

データ活用をするにあたり目的や仮説、課題を事前に定義し分析を実施することを私たちは知っています。それによる恩恵やコストパフォーマンスの良さも知っています。では私たちと一緒に動く別の職種の方はそれを十分に知っているでしょうか?
多くの場合知らない、もしくは知っていてもできないことがほとんどなのではないかと思います。もし全員が知っているならデータ分析に関して目的が大事…といった文脈は生まれてこなかったはずです。
ここにある知識の差はデータを活用するにあたっての始めの第一歩が揃わなくなる要因となりますので埋めておきたいです。

意識の差を埋める

データを活用したところで施策を変えるわけではないなら、時間の無駄なのでしない。という意見に私は賛成です。データの使い方がわからない場合にもこう思いますし、データ活用による成功体験がない状態では、そこについて学び、活用していくモチベーションは生まれなくて当然です。
私たちはたまたま成功体験を持っているだけなのです。

重要な2つの視点がわかりました。ではこれを実行するのは誰なのでしょうか?

私たちはデータ活用のプロである

上記の2点がデータ活用における重要なポイントであれば、それを実行することは私たちデータ活用のプロであるのは自明の事かと思います。
この2つの差がある以上、立っている場所が違うので一緒に仕事を前に進めることは難しいはずです。立っている場所が違う時、解決には2つの方法があります。

  • 相手に自分のところまで来てもらう
  • 自分が相手のところまで行く

前者では徹底的に知識を相手に与え、意識を変えてもらう必要があります。後者では相手と目線を合わせ一緒にゴールに向かう必要があります。どちらの方法でも構わないかなと思うのですが、私は自分自身の経験から後者の方がスピード感もあり、業務が前に進むと感じています。
専門で持っている知識が違うからこそ、データ活用に関して不足している知識や意識は多種多様です。データ活用を前に進めるためには、この現状を明確にし、何を解決すべきなのかを決めることが重要になってきます。私たちが普段行っているデータ分析を同じ構造ですね。ですから私たちはやり方を知っているはずです。

さいごに

「目的は何ですか?」と聞くことを私はやめました。それでは前に進まないのです。
私の考え方に共感していただける方は、違う職種の一緒に働く人を別のプロフェッショナルとして敬意を持って接し、自分のプロフェッショナルを磨き、共にデータ活用を前に進める活動をしていただけると嬉しいです。