営業職やサービス業など、おもに接客をともなう業種で重要視されがちなコミュニケーション能力ですが、クリエイティブ業界で働く際にも必要なスキルの一つです。

対顧客に限らず社内においても、コミュニケーション能力を高めることは仕事のクオリティを向上させるのに役立ちます。

ここでは、特にクリエイティブ業界においてコミュニケーション能力を学ぶメリットに加え、能力を高めるポイントなどについてわかりやすく解説しています。

コミュニケーション能力が高い人の特徴も紹介しているので、スキルアップの目標やイメージを設定する際の参考にしてください。

クリエイティブ業界で必要なコミュニケーション能力とは?

企業で働くクリエイター

まずは、コミュニケーション能力の定義と、クリエイティブ業界でコミュニケーション能力を高めるメリットについて見ていきましょう。

スムーズな意思疎通ができるコミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、人と人との間でスムーズに意思疎通を図るために必要とされるスキルです。

コミュニケーション能力の高さは、仕事に限らずプライベートでも活かされます。社会的に生きていくうえで、必要なスキルといっても過言ではないでしょう。
他人とコミュニケーションを取るときには、自分の考えをうまく伝えながら、相手の意図も正しく受け止めることが求められます。

また、口頭だけでなく、文章を使ったコミュニケーションや声のトーン、表情といった非言語(ノンバーバル)コミュニケーションなど、さまざまな方法が用いられます。

クリエイティブ業界でも重要な能力!

コミュニケーション能力はあらゆる社会的な場で必要ですが、それはクリエイティブ業界においても同様です。
社外でクライアントとのやり取りをスムーズに進めるためだけでなく、社内の人間関係を良好に保つためにも、なくてはならない能力といえるでしょう。
特にクリエイティブ業界では、発想やセンスを正しく伝えて共有し、クオリティの高さを追及していく場面がよくあります。

1つの作品を作るために、多くの人と関わる機会があることを考えれば、コミュニケーション能力は身に付けておきたいところです。

コミュニケーション能力がある人の5つの特徴

コミュニケーション能力のあるクリエイター

コミュニケーション能力が高い人には、どのような特徴があるのでしょうか。5つに分けてわかりやすく解説していきます。

相手の話を聞くのが上手

コミュニケーション能力の高さは、流れるような話術やユニークな伝え方といった話し手側の技量よりも、相手の話を最後まで聞く聞き手としてのスキルに表れます。
聞き上手である人の特徴の一つに、相手が話しているときに途中でさえぎらず、話し終わるまで耳を傾ける姿勢が挙げられます。

タイミングの良い相槌や的確な質問ができるなど、相手が「話しやすい」「もっと話したい」と感じるような聞き方である点も特徴です。

わかりやすく相手に説明することができる

聞く側の相手に対して、できるだけわかりやすく説明しようと考える人は、意識して結論から話そうとする特徴があります。
話の冒頭に結論を持ってくることで話の全体像が理解しやすくなり、その後は簡潔に話すことも、丁寧に補足して説明することも可能です。

相手にも重要な結論部分が最初からわかっているため、要点がぶれることなく、最後まで飽きずに話を聞いてもらうことができるでしょう。

相手の立場に立って物事を考えることができる

自分の視点からだけの物言いに終始してしまうと、主旨は伝わっても、何となく自己中心的な印象を与えてしまいます。
些細な表現や口調によっては、不用意に相手を傷付けてしまうこともあるでしょう。

コミュニケーション能力の高い人は、「自分が相手の立場ならどんな気持ちになるだろう」と考え、言葉を選びながら話すことができます。

非言語を上手に取り入れている

会話でのコミュニケーションには、言語だけでなくジェスチャーや表情も使うと、より相手に自分の意思が伝わりやすくなります。

同じ言葉でも、声の大きさや話の速度、表情によって相手の受け取り方は異なるでしょう。
また、効果的にジェスチャーを加えれば、話の細かなニュアンスまで表現することができます。

相手との距離感を適切にとることができる

コミュニケーションの場においては、相手との関係性によって適切な距離をとることも大切な能力の一つです。
あまり話したことのない人に対してグイグイと強引に話を進めたり、パーソナルスペースを超えて近すぎる距離で話しかけたりすると、相手によっては不愉快に感じることもあります。

相手との親密度や関係性に応じて、適切な距離感で会話ができるか否かという点も、コミュニケーション能力の高さを示すポイントとなるでしょう。

コミュニケーション能力を高める3つのポイント

コミュニケーション能力を高めるメリットや、能力が高い人の特徴をふまえて、コミュニケーション能力を養う基本的なポイントを3つご紹介します。

相手の話を最後まで聞く

相手の話にしっかりと耳を傾ける「傾聴」は、コミュニケーションの基本です。相手が話しているときに割り込まないことはもちろんですが、何か作業をしながら話を聞く「ながら聞き」も厳禁です。

相手の意図を理解し、次に自分の話を聞いてもらうためにも、まずは自分から相手の話を丁寧に聞く姿勢を持つようにしましょう。

共感を大切にする

相手の話に耳を傾けつつ、話す内容に共感を示すことも大切です。最初から否定的・批判的な反応だと、相手はそれ以上話すのをやめてしまったり、心を開いてくれなくなったりする可能性もあります。

たとえ自分とは異なる意見だったとしても、「そういう考え方もある」「あなたがそう考えていることは理解できる」というように、一度は共感したうえで自分の考えを伝えるとよいでしょう。

伝えたいことはポイントを押さえる

人とコミュニケーションを交わすときには、「相手に時間を取ってもらっている」という視点を持つことも必要です。
相手の時間を無駄にしないためにも、伝えたいことをできるだけ簡潔に、要点をまとめて話すよう心がけましょう。

ダラダラと話すと相手が飽きてしまったり、話の大事なところがわからなくなったりしてしまいがちです。

はじめに結論(Point)を伝え、続いて結論にいたる理由(Reason)を説明し、具体的な例(Example)を挙げて、最後にもう一度結論(Point)で締めくくる「PREP法」で話を組み立てることを意識するとよいでしょう。
PREP法は実際の会話だけでなく、メールや文章で伝えるときにも活躍する手法です。ビジネスシーンで幅広く活用されているため、積極的に活用してみてください。

チームでモノを作る以上、クリエイターにもコミュニケーション能力は求められると知るべし

コミュニケーション能力は、ビジネスとプライベートいずれにおいても、相手との意思疎通をスムーズに行なうために必要なスキルです。

クリエイティブ業界で仕事をしていくうえでも、コミュニケーション能力は重要です。

この能力を養うためには、相手の話に耳を傾けて共感し、自分の話は要点を押さえ、ジェスチャーや表情などを活かしてわかりやすく伝えることを意識するとよいでしょう。

コミュニケーション能力は、誰でも少しの心がけで高めることが可能です。積極的にコミュニケーションスキルを磨き、クリエイティブな環境で関わる作品の質を高めていきましょう。