高い目標を掲げていても、思い通りにモチベーションを保てず、悩んでしまうクリエイターもいるでしょう。モチベーションを維持できるかどうかは、根性や精神論だけではなく、普段の心がけが大きく影響します。働き方もそうですが、適切な目標設定や、日々のルーティン化によって、モチベーションの低下を防ぐことができるのです。

今回の記事では、モチベーションが下がってしまう理由として、多くの人が陥りがちなパターンを紹介します。気分が乗らない理由を知り、モチベーションの維持に有効な方法を試すことで、解決の糸口が見つかるかもしれません。モチベーションが下がってしまった場合の解決法についても説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもモチベーションが維持できない理由とは?

そもそもモチベーションが維持できない理由とは?

モチベーションが上がらない理由には、どのようなものがあるのでしょうか。陥りがちなパターンとしては、高すぎる目標とマンネリ化が挙げられます。

目標が大きすぎて何をやればいいかわからない

高い目標を掲げ、自分の能力をさらに引き上げようとするのは、意気込みとしてはすばらしいものです。しかし目標が大きすぎると、何をやればよいのかを見失い、かえって無気力となってしまう場合があります。

目標を定めることで、自分の進むべき方向性が定まります。
どれくらいの努力が必要なのか、課題をクリアするのにどれくらいの時間がかかるかを把握するのはとても大切なことですが、大きすぎる目標が自身のモチベーションを引き下げる要因となる場合があることを、知っておく必要があるでしょう。

日々の仕事がマンネリ化してしまう

同じ仕事を長期間にわたって続けていくうちに、日々の仕事が徐々にマンネリ化します。最初は仕事を覚えるのに一生懸命でも、業務内容が変わらなければ次第に慣れていくでしょう。
そうなると、仕事を楽にこなせるようになる一方で、仕事そのものに飽きを感じるようになるのです。

新しい刺激がなければ自分の成長を感じづらく、思考がネガティブな方向に向かいやすくなります。モチベーションが著しく下がってしまう原因となるため、マンネリ化とならないよう注意が必要です。
ルーチンワークのような仕事の場合、なかなか変化がないのでやり方を変えるのは難しいかもしれませんが、より効率的な方法を探るのも一つの手です。
また昨今、リモートワークが当たり前になったということもあり、環境を変えやすくなった側面があるので、これを利用して、いつもと働く場所を変えてみる、というのもいいでしょう。

小さな目標達成を積み重ねる~スモールステップ~

小さな目標達成を積み重ねる~スモールステップ~

目標達成のハードルが高すぎて、かえってやる気を失ってしまった、という経験はありませんか?大きすぎる課題を目の前にすると、達成するのが困難だと感じ、モチベーションが下がってしまうことがあります。
そのような心理的抵抗を避けるために、スモールステップ法を使ってみるのがおすすめです。

スモールステップの手順

具体的には、以下のような手順で課題に取り組みます。

  1. 最終的な目標を決める
  2. 目標達成のための課題を細分化する
  3. 小さな課題を一つずつこなしていく

最終的な目標を設定するだけでは、一見途方もない道のりだと感じてしまうかもしれません。けれども、目標を分割することで、目標達成のための過程が見えやすくなります。一気に高いハードルを越えるのは難しくても、小さなステップであれば心理的抵抗が少なくなるのです。

あまり考え込まずに、まずは小さな課題をクリアすることから始めてみましょう。最初はモチベーションが上がらなくても、課題に取り組むことでエンジンがかかります。一つ一つの課題は、短時間で片付けられる程度の量にしておきましょう。

スモールステップで報酬系を刺激しよう

スモールステップ法の良いところは、小さな達成感を積み重ねられるという点です。
脳には報酬系という神経回路のグループがあり、幸福感やポジティブな感情が含まれています。
やる気を持続させるためには、この報酬系にこまめに刺激を与えることが大切です。
もちろんマッサージのように頭のツボを押さえて、といったことではなく、成功したことによって得られる幸福が報酬系を刺激します。
わかりやすく言えば、いまやっている作業を今日中に終わらせることで得られる満足感、充足感ということになります。

しかし仕事を通じてのみ、幸福感が得られるのかといえば誰しもそうではないことは明白なので、達成感を得ることが苦手な方は、仕事が終わったあとに甘いものを食べられる、あるいは好きなゲームができるようになる、など、何でも構いませんので、自分にとっての「ご褒美」を考えるようにしましょう。
そして、もう一点は、その目標をなるべく小さなステップで試してみるところかはじめましょう。
自分のキャパシティがギリギリな課題は大きな疲弊を生みやすく、達成できなかったときのダメージも大きくなります。それよりも小さな目標をなるべく多く積み上げることで、成功を多く体験することが大切です。

やる気が起きないからといって課題に着手しなければ、徐々にネガティブな感情に支配されてしまい、気力が消失してしまいます。課題に取り組むことができた、課題をクリアした、という成功体験を得ることで、モチベーションを上げることができるでしょう。

仕事のスイッチを入れる~ルーティン化~

モチベーションを保つために、ルーティン化で仕事のスイッチを入れてみてはいかがでしょうか。ルーティン化はアスリートに人気がある方法です。毎回決まった動作を行うことで、練習と変わらない精神状態を維持する効果が期待できます。

ルーティン化が有効なのはアスリートだけではなく、仕事や毎日の生活習慣など、あらゆる場面で導入できます。

仕事のルーティン化

出勤前に軽くストレッチを行う、大事な会議の前に深呼吸する、など自分なりのルーティンを決めておきましょう。仕事の前に毎回決まった動作を行うことで、その後の集中力を高めることができるのです。

ルーティンの内容は問わないので、自分が取り組みやすい動作を行いましょう。このルーティンをこなせばモチベーションをアップできる、と頭の中で意識づけることがポイントです。
内容は変えずに、毎回同じ動作を行い続けていくことでルーティン化し、無意識のうちに行えるようになります。

生活習慣のルーティン化

毎日の生活習慣をルーティン化することで、日々の活動意欲を高めることができます。朝出かける前に英語の勉強をする、食事をしたあとはすぐに皿洗いをするなど、毎日行いたい生活習慣を自分で決め、その通りに実行してみましょう。
なるべく決まった時間に行うのが効果的ですので、最初は面倒に感じるかもしれませんが、習慣が定着するまで続けてみてください。

毎日の生活に余力を残すためには、判断すべき項目をできるだけ減らし、無意識にできる生活習慣を増やしていくことが肝心です。実は、掃除や買い物など今すぐ済ませるべきか、先延ばしにするかを逐一判断するだけでも、少しずつ気力を消耗してしまいます。

生活習慣がルーティン化すれば、取り組む前にネガティブな感情を抱くことなく、作業として淡々とこなせるようになるでしょう。

それでもモチベーションが下がってしまったら~持ち直すためにできること~

それでもモチベーションが下がってしまったら~持ち直すためにできること~

スモールステップ法やルーティン化を使っても、うまく心をコントロールできずに仕事が行き詰まってしまう場合があるかもしれません。モチベーションの低下で仕事が終わらなければ、さらにストレスが溜まり、悪循環となってしまいます。

一度下がってしまったモチベーションを持ち直すためには、どのような考え方をすればよいのでしょうか。

不安要素を言語化する

仕事によるストレスを解消するために、考えていることを紙に書き出すか、実際に声に出して吐き出してみましょう。仕事に対する不安要素を、一度言語化してみるのです。
自分が何に悩んでいるのかが明確になれば、おのずと解決策も見えてきます。

紙に書き出す場合は、マインドマップなどで思考を整理するのもおすすめです。マイナス思考に陥る前に、何がモチベーション低下の原因となっているのか、問題点を客観的に見つめ直してみましょう。
特に人が不安になりやすい感情の一つに「わからない」ということがありますが、何がわからないのかを書き出すことで次のアクションが見つかる場合もあります。

やるべきことを整理する

マルチタスクが苦手な人の場合は、同時にこなすべき仕事が増えるとパニックに陥ってしまうことがあります。

そうならないためにも、まずはやるべきことを整理し、優先順位を決めることが大切です。仕事内容をリストにまとめ、目に付きやすい場所に置いておくようにしておきましょう。
やるべきことをリスト化して整理することで、現在の進捗状況を冷静に把握できるようになります。
特に慣れない環境下での新しいプロジェクトなどでは有効な方法の一つです。

向上心の高い人と接触する

自分一人では心のコントロールが難しいと感じたら、向上心の高い人と接触してみるのもおすすめです。モチベーションが高く活動的な人と話したり、勉強会などに参加したりすることで、新たな刺激を得ることができます。
あの人のようになりたい、他の人に負けたくない、という気持ちが、仕事への意欲を高めるのです。

モチベーションは自分でコントロールできる

クリエイターとして仕事を多くこなすためには、モチベーションの維持が欠かせません。スモールステップ法で小さな目標達成を積み重ねたり、ルーティン化で集中力を高めたりするなど、モチベーションアップに効果的な方法を積極的に取り入れてみましょう。
特に達成した際の自分へのプレゼントは、自分自身をコントロールするという意味では取り組みやすい方法です。

やる気が出ない自分を、必要以上に責める必要はありません。モチベーションは自分でコントロールできるものだと知り、落ち着いた状態で対策することが大切です。