デザインツールとして広く知られるAdobeのPhotoshop(フォトショップ)Illustrator(イラストレーター)
どちらもプロのデザイナーにとって欠かせないソフトですが、実は画像構造や得意分野がまったく異なるのをご存知ですか?

この記事では、PhotoshopとIllustratorの主な違い・使い分け・学び方・料金の最新情報を、2025年の最新版としてわかりやすく解説します。

PhotoshopとIllustratorの違い

Photoshopとは

PhotoshopはAdobe社が提供している画像編集・加工用のソフトウェアです。
主にビットマップ(ラスター)画像を扱い、写真のレタッチ、色調補正、複雑な合成など、ピクセル単位での緻密な編集が可能です。

また近年では、生成AI「Adobe Firefly」との連携により、テキストから画像を生成したり、不要物を自動削除するなど、AI機能も大幅に強化されています。

【Photoshopの主な機能】

写真の編集と調整 画像の色調やコントラストを調整し、不要な部分を修正・削除できる。
レイヤーとマスクの使用 複数の要素をレイヤーで重ね、部分的な表示・非表示をコントロールできる。
AIによる自動生成 生成塗りつぶし、背景生成、不要物削除など、Fireflyを活用したAI編集が可能。
フィルタとエフェクト 多数のフィルタを組み合わせ、アート的な加工やリアルな効果を追加できる。
Web・SNS画像の最適化 バナーやサムネイルを軽量化し、Web用に最適な形式(PNG、JPGなど)で保存可能。
デジタルペイント ブラシツールを使い、手描きのようなアート表現やイラスト制作も行える。

Illustratorとは

Illustratorは、同じくAdobe社が提供するベクターグラフィック専用ソフトです。
点・線・曲線などを数値情報として扱うため、拡大・縮小しても画質が劣化しないのが最大の特徴です。

ロゴデザイン、名刺、ポスター、アイコン制作など、印刷やデジタルの両分野で活躍します。

2025年現在は、Fireflyによる「自動パターン生成」や「ベクター塗りつぶしAI」などの新機能も登場し、より直感的に作図できるようになっています。

【Illustratorの主な機能】

ベクターグラフィックの作成 拡大・縮小しても劣化しない線画デザインを制作可能。
ロゴ・アイコンのデザイン 図形やペンツールを使い、正確で美しいロゴやアイコンを作成できる。
テキストとタイポグラフィ カーニング・トラッキング・行間など、文字デザインを精密に設定できる。
グラデーションとパターン 複雑な色の変化や繰り返し模様を直感的に作成可能。
AIによる自動作図 テキストから図形やパターンを生成できるFirefly連携機能を搭載。
出力と印刷対応 CMYK形式での印刷設定、PDF・SVGなど多様な形式で出力可能。

PhotoshopとIllustratorの使い分け

どちらも優秀なデザインツールですが、得意分野が明確に異なります。
目的に応じて、下記のように使い分けるのがポイントです。

用途 Photoshopが得意 Illustratorが得意
写真の加工・合成
ロゴ・アイコン制作
Webバナー・SNS画像
印刷物(ポスター・名刺)
イラスト制作 ○(ペイント系) ○(線画系)

イメージ的には、
Photoshop=素材を加工・合成して仕上げるツール
Illustrator=形を設計して作り上げるツールです。

初心者はどちらから始めるべき?

初心者が学ぶ順番は目的によって異なります。

  • 写真編集・デジタルアートを作りたい人 → Photoshop
  • ロゴや名刺・イラストを作りたい人 → Illustrator

最終的には両方の連携が最も強力。
Illustratorで作成したロゴをPhotoshopに取り込み、質感を追加するなど、併用によってデザインの完成度が大幅に高まります。

PhotoshopとIllustratorの勉強方法

独学

公式サイトやYouTubeなどに無料チュートリアルが多数公開されています。
AI機能や最新ツールも随時アップデートされているため、Adobe公式の解説がおすすめです。

書籍

Amazonや書店では、初心者向けの入門書からプロ向けの応用本まで豊富に揃っています。
実際に手を動かしながら基礎を固めたい方に最適です。

デザインスクールに通う

体系的に学びたい人にはデザインスクールが最適です。
講師に質問できるほか、Adobe公式認定校では「Adobe Creative Cloudを特別価格で利用可能」なケースもあります。

通信講座・オンライン学習

自宅で自分のペースで進めたい方にはオンライン講座が便利です。
動画教材やチャット質問機能付きの講座を選ぶと、挫折しにくく効率的に学べます。

PhotoshopとIllustratorをセットで使うと安くなる?

最新のAdobeプラン(2025年10月時点)

PhotoshopとIllustratorを同時に使うなら、単体契約よりもセットプランが断然お得です。

・Photoshop単体プラン:月額 約3,280円(税込)
・Illustrator単体プラン:月額 約3,280円(税込)
・Creative Cloud コンプリートプラン:月額 約6,480円(税込)

コンプリートプランでは、両ソフトに加えPremiere Pro、After Effects、InDesignなど20種類以上のアプリを利用可能。
さらにFirefly(生成AI)機能もフル対応しており、総合的に見て最もコスパが高いプランです。

学生や教職員の場合、1年目月1,980円〜(2年目以降3,278円)と大幅割引で利用できます。

スクール経由でさらにお得に

Adobe公認スクールでは、受講者限定でCreative Cloudを特別価格で利用できる場合があります。
「授業+Adobe CCライセンス」がセットになっていることも多く、学びながら格安で利用できるお得な方法です。

デザイン力を伸ばすコツ:フォトショップとイラストレーターを“使い分け”から“掛け合わせ”へ

PhotoshopとIllustratorは、それぞれの特性と強みが明確に分かれています。

  • Photoshop:写真加工・合成・ペイントに強い
  • Illustrator:ロゴ・イラスト・印刷物デザインに強い

どちらか一方だけでも十分に使えますが、両方を活用することで制作の幅が大きく広がります。
また、2025年以降はAI技術の進化により、これまで以上に直感的でスピーディーなデザイン制作が可能になっています。

目的に合わせて正しく使い分け、PhotoshopとIllustratorを自在に操れるデザイナーを目指しましょう。