株式会社IMAGICA GROUP（本社：東京都港区、代表取締役社長：長瀬俊二郎）は、創業90周年を迎えた2025年に立ち上げた「IMAGICA GROUPオリジナル映画製作プロジェクト」の第2弾企画募集を、7月11日より開始した。本プロジェクトは、優れた映像表現と物語性を備えた映画作品を通じて、才能ある次世代のクリエイターを発掘・育成するとともに、IMAGICA GROUPとしての創造力を世界に向けて発信することを目的としている。
プロジェクトは2025年に始動し、今後5年間にわたり、グループ会社所属のプロデューサーを対象に国際映画祭出品を視野に入れた映画企画を毎年1本選出し製作していくという。応募条件は、株式会社オー・エル・エム、株式会社ピクス、または株式会社ロボットのいずれかに所属するプロデューサーであること。また、既存の著作物を原作とする企画は対象外となっており、グループ会社に所属していないクリエイターからの直接応募も認められていない。
審査では、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアのいわゆる欧州三大映画祭への出品・受賞が可能な、60分以上の長編実写映画であることが求められる。また、2027年度中の完成を見据えた制作スケジュールであることも要件のひとつとなる。第2弾作品の製作費については、IMAGICA GROUPが上限7000万円を出資し、製作委員会またはそれに準じた共同事業体を立ち上げたうえで決定される。
なお、プロジェクト第1弾では、88件の応募の中から映画『マリア』（監督：寺田ともか、プロデューサー：土川はな）が選出された。作品は2025年5月、カンヌ国際映画祭の期間中に現地で発表され、国内外の映画関係者から注目を集めている。
『マリア』は、日本の工業地帯を舞台に、18歳の訪問介護ヘルパーである永田マリアが、予期せぬ妊娠と中絶費用の問題に直面しながら、ドラッグディーラーの少年とその妹との奇妙な共同生活を送る中で、人間関係と社会の現実に向き合っていく姿を描いた作品である。孤立する若者たちが、制度の隙間で生き抜く姿と、社会のひずみに鋭く切り込んだテーマ性が高く評価されている。
監督を務めた寺田ともか氏は、社会福祉士として働く傍ら、是枝裕和監督らのもとで映画制作を学び、『マイスモールランド』『怪物』などの現場に参加してきた経歴を持つ。プロデューサーの土川はな氏は、株式会社オー・エル・エムに所属し、国内外の映画製作に多数携わってきた。
本プロジェクトは、映像を通じた新しい表現の創出と、世界を舞台に戦える日本人クリエイターの育成という、IMAGICA GROUPの意欲的な挑戦として注目されている。
