「明治ミルクチョコレート」誕生100周年を記念したアンソロジー本『あの日のチョコレート~スヰートな5つの欠片~』が、2026年9月13日(日)にMOE BOOKSより発売される。著者は江國香織氏、小川糸氏、角田光代氏、千早茜氏、凪良ゆう氏の5人。定価は1,650円(本体1,500円+税10%)だ。
本書は、月刊MOEで2025年から2026年にかけて連載された5つの短編をまとめたもの。チョコレートという身近な存在を題材に、それぞれの作家が独自の視点で物語を紡いでいる。挿絵はザ・キャビンカンパニーが担当し、各作品に添えられた絵への想いもあとがきに収録されている。
収録作品はいずれも、チョコレートが人の記憶や感情に深く結びついた瞬間を描く。小川糸氏の『お守りチョコ』は、家出した少女キキと楽観的な叔母コナちゃんの交流を通じて、大人と子どもの関係性を問い直す物語だ。江國香織氏の『四季』は、笑わない幼児期から穏やかな老後まで、ある男性の一生をチョコレートとともに追う。角田光代氏の『チョコと冒険』では、離婚を告げに来た娘に母が語り出す、10歳のときの「湯河原駆け落ち事件」という衝撃の過去が明かされる。凪良ゆう氏の『18歳のショコラトル』は、メイクアップアーティストとして活躍する顕が同窓会で向き合う、かつての苦手な同級生との記憶を描く。そして千早茜氏の『焦げ茶色の刻』は、英国で生まれ日本に渡った柱時計を語り手に、100年の歴史と人間の営みを見つめる異色作だ。
5人はいずれも直木賞受賞者であり、文学的な厚みと読みやすさを兼ね備えた顔ぶれといえる。江國香織氏は第130回、角田光代氏は第132回、千早茜氏は第168回の直木賞をそれぞれ受賞。凪良ゆう氏は『流浪の月』と『汝、星の如く』で本屋大賞を2度受賞している。
カバーを外すとミルクチョコレートをイメージした表紙が現れる仕掛けも施されており、手に取る楽しさも工夫されている。銀紙に包まれた板チョコレートのように、誰かの記憶にそっと寄り添う1冊として届けられる。
『あの日のチョコレート~スヰートな5つの欠片~』は、ISBNコード9784592733355。発行は株式会社白泉社(東京都千代田区)。
