幻想小説・ハイファンタジーを専門とする出版社「星嶺舎」(代表:浅里紘太氏、東京都世田谷区)が、2026年7月29日より全国127書店で創刊2作品の本格展開を開始した。
星嶺舎は、ITベンチャー企業でCTOを務めた経験を持つ作家・浅里紘太氏が2026年1月に個人で立ち上げた「ひとり出版社」だ。エンジニアとしてのバックグラウンドを活かし、AIやクラウドサービスを出版実務に積極的に取り入れることで、創刊2作品の制作において1作あたり約54%(378時間から174時間)の工数削減を実現した。使用ツールはClaude、ChatGPT、Cursor、Gensparkなどの有償プランで、AI原価は半年で約12万円。一方、執筆・装丁・装画・高度な校正・クオリティの判断は人間が担っており、「創作を支えるために実務をテックで効率化する」という制作思想のもとレーベルを運営している。
創刊作品は2タイトル。「白花冥幻譚(しろはなめいげんたん)」は侍と生贄の巫女が旅する和幻想伝奇で、装画をコケゴウ氏が手がけた。「滅びの国の魔女紀行」は滅びた世界をふたりの魔女が旅するファンタジーで、装画は白鯨市氏が担当。いずれも定価1,650円(本体1,500円+税)の文庫判で、電子版は2026年3月より先行配信されていた。
先行販売でもすでに反響を集めている。「白花冥幻譚」は読書メーターの「読みたい本」ランキング文庫部門で日間1位(2026年7月27日)を達成。「滅びの国の魔女紀行」はKindleのSF・ホラー・ファンタジーカテゴリーで最新リリースランキング2位、総合ランキング29位を記録した。また、2026年5月の文学フリマ東京42への出店では「重厚な和伝奇が最近ないから嬉しい」「装丁が素敵で引き寄せられた」といった声が寄せられ、都内大型書店「書泉グランデ」では3階入り口の注目コーナーに展開されるなど、ジャンルファンからの注目を集めている。
今後は現行作品のシリーズ化やマルチメディア展開を進めるとともに、IT・SaaS事業の経験を活かした出版業務効率化の実証にも取り組んでいく方針だ。
