ビジネス書を中心に手がけるクロスメディア・パブリッシングは、2025年5月30日、新刊『努力の地図』を刊行した。著者は株式会社学びデザイン代表取締役であり、ビジネス書の選書眼にも定評のある荒木博行氏。本書は、仕事や勉強、スポーツ、家事、育児など、日々目標に向かって努力するすべての人に向けて書かれた一冊である。
世の中には「努力は報われる」「無駄な努力もある」「成功と努力は無関係」といった多様な意見が飛び交っている。だが、それらの主張は一理あるようでいて、現実に努力が成果につながらず苦しむ人々の悩みを解決するには十分とは言えない。「なぜ頑張っても報われないのか?」「どうすれば努力は成果になるのか?」「努力を続けられる人は何が違うのか?」といった問いに対して、本書は明快な構造と型で答えを示している。
荒木氏は、努力と報酬の関係を「9つの努力神話」として分類。自動販売機のように投入した分だけ成果が返ってくる「自動販売機型」、運の要素が大きく絡む「宝くじ型」、段階的に成果に結びつく「階段型」など、身近なたとえを通して努力の多様なあり方を整理している。読者は自らの状況に当てはまる型を見つけることで、努力の方向性を見直し、正しい戦略を立てる手がかりを得ることができる。
本書の推薦者である文芸評論家・三宅香帆氏は「頑張るのが苦手なのは、頑張る技術を知らないからだ」と語っており、努力には技術が必要であるという認識を示している。この考えは、本書の主張とも深く通じるものである。
時代はますます不確実さを増し、努力しても報われる保証が見えにくくなっている。そんな今だからこそ、何をどう頑張ればいいのかを知ることの重要性は高まっている。『努力の地図』は、単なる精神論にとどまらず、実践に役立つ理論と構造を提示する実用書として、多くの読者にとって価値ある一冊となるだろう。
なお、Amazonで2025年10月27日までに本書を購入した読者には、著者描き下ろしのイラスト付き「努力の地図書き込みシート」が特典として贈られる。自らの努力を可視化し、振り返りながら進めたい人にとって嬉しい付録となりそうだ。
著者の荒木氏は、住友商事やグロービスを経て、現在は学びの実践と地方創生にも携わる教育者として活動している。これまでにも『構造化思考のレッスン』『独学の地図』『世界「倒産」図鑑』など多数の著作を通じて、学びの在り方を問い続けてきた人物である。
努力に悩むすべての人にとって、今、自分の「努力の地図」を描き直す好機が訪れている。