米NVIDIAは18日、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」に最新GPUアーキテクチャ「Blackwell」を導入すると発表した。プラットフォーム史上最大のアップデートと位置付けられており、GeForce RTX 5080クラスの性能をクラウド経由で提供する。9月から順次利用可能となる。
新アーキテクチャにより、DLSS 4によるマルチフレーム生成や強化されたレイトレーシング、AIを活用したレンダリングが利用でき、最大5K解像度・120fpsのストリーミングを実現する。さらに「Reflex」技術により1080pで最大360fpsの低遅延配信が可能となり、多くの地域でネットワーク遅延30ミリ秒未満を達成するという。
映像品質を大幅に高める「Cinematic-Quality Streaming」モードも搭載され、HDRやAV1エンコーダーによる滑らかな映像処理が可能となった。これにより複雑な背景描写や高速なアクションゲームでも鮮明な表示が期待できる。
ゲームライブラリも拡大する。クラウドストレージを利用した「Install-to-Play」機能により、対応タイトル数は4,500本超に倍増。『ボーダーランズ4』『Call of Duty: Black Ops 7』『The Outer Worlds 2』などのAAAタイトルがクラウドからもプレイできるようになる。クラウドストレージはUltimateおよびPerformance会員に100GBが追加料金なしで提供され、さらに有料で最大1TBまで拡張できる。
対応デバイスも広がる。Steam Deckでは最大90fpsに向上し、LG製テレビではHDR対応4K/120Hz配信が実現。Logitech製レーシングホイールなどの周辺機器にも対応が拡大する。Mac向けクライアントもBlackwellの恩恵を受け、高性能ゲーミングマシンとして利用できる。
NVIDIAはDiscordやEpic Gamesと提携し、Discord上で友人を招待して『フォートナイト』を体験できる統合サービスも提供予定だ。ダウンロード不要でプレイ可能となり、ソーシャルゲーミングの形が変わると期待されている。
ジェンスン・フアンCEOは「Blackwellの搭載はクラウドゲーミングにおける最大の飛躍であり、あらゆるデバイスを高品質なゲーミングマシンへと変える」と語った。
料金は従来通りで、Ultimateが月額19.99ドル、Performanceが月額9.99ドル。年間プランも用意され、追加料金なしでRTX 5080サーバーへのアクセスが可能となる。
NVIDIAはBlackwell導入によりクラウドゲーミングの新基準を打ち立て、より幅広いユーザーに高性能なPCゲーム体験を提供する構えだ。



