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大阪市のクリエイティブアイランド中之島実行委員会は、7月10日より『中之島15の場所での物語』に登場するAR挿絵の作品募集を開始した。これは、演劇作家・小説家でチェルフィッチュ主宰の岡田利規が創作した、中之島を舞台にした15の物語に新たな表現を加える試みである。

本企画では、今秋開催される「中之島パビリオンフェスティバル2025ー秋フェスティバル」において、選定された挿絵作品をAR化し、「ARでめぐる『中之島15の場所での物語』」として公開する予定だ。AR作品は、空間レイヤープラットフォーム「STYLY」を活用して制作され、リアルとバーチャルを融合させた新しい物語体験が提供される。

今回の公募対象は、15の物語のうち以下の4作品に登場する挿絵となっている。「どれがわたしでしょう」(大阪市立科学館)、「加彩婦女俑」(大阪市立東洋陶磁美術館)、「ふしぎなふね」(こども本の森 中之島)、「アートエリアB1前地下通路」(アートエリアB1)である。応募作品の形式はぬりえまたは自由描写のいずれかで、年齢や国籍を問わず誰でも参加可能となっている。

応募の締切は8月25日(月)23時59分。応募方法は、Webサイト上の応募フォームもしくはアートエリアB1内に設置される特設ブースの応募ボックスへの投函となる。特設ブースは7月15日から8月23日まで設置され、営業時間は11時から18時、休館日は日曜と月曜、ならびに8月9日から18日までの期間である。

審査員にはメディアアーティストで株式会社STYLYのシニアアートディレクターであるゴッドスコーピオン氏、大阪大学21世紀懐徳堂准教授で同事務局長の木ノ下智恵子氏らが名を連ねており、応募作品は厳正に審査される。

『中之島15の場所での物語』は、岡田利規が中之島を繰り返し訪れ、各施設や場所に触発されて生み出した短編群であり、場所の歴史や出来事に基づきながらも想像力豊かに描かれている。これらの物語は、実際の設置場所で読むことを想定して執筆されたもので、AR挿絵とともに体験することで、現実と物語の境界が曖昧になるような没入的な演出が期待されている。

中之島は、美術館や科学館、音楽ホール、歴史的建築物などが集まり、水辺環境とも共存する都市空間として、パリのシテ島やベルリンのムゼウムス・インゼルにも比肩する文化資産を有している。この地を“創造的な実験島”と見立て、多様な創作活動を推進しているのが「クリエイティブアイランド中之島」だ。13の機関が連携し、創造的コンテンツを開発する国内最大級の文化ネットワークとなっている。

また、「ミーティングポイント」と呼ばれる仕掛けが中之島内15カ所のロビー等に設置されており、来訪者が回遊することで情報収集や交流が生まれる新たな都市メディアとしても機能している。

中之島パビリオンフェスティバル2025は、こうした中之島の文化資源を最大限に活用し、春と秋の年2回にわたって開催される大規模文化イベントである。秋フェスティバルのコア期間は8月25日および9月27日から10月13日までとなっており、多彩な催しを通じて中之島の魅力を発信する。

AR挿絵公募の詳細および応募フォームは、クリエイティブアイランド中之島の公式サイトにて確認できる。物語に新たな彩りを添える創造的な作品の応募が期待されている。

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