Z世代の広告体験に関する新たな調査結果が明らかになった。Z世代向けのクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営するZ-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)は、全国の18〜24歳を対象に没入型広告に関する意識調査を実施し、その実態を発表した。
調査では、Z世代の69%が動画広告を即座にスキップすると回答し、強制的に視聴を妨げる広告に強いストレスを感じていることが判明した。特に「コンテンツの流れを中断する行為」に30%が嫌悪感を示し、広告をノイズとして捉える傾向が顕著である。
一方で、メタバースやゲームなどデジタル空間に溶け込む没入型広告に対しても、Z世代は厳しい視点を持つ。広告が空間の文脈を無視し、世界観を壊すと25%が不快感を覚えると回答した。世界観の破綻は即座に「現実へ引き戻す体験」につながり、広告への反発を生むという。

しかし没入型広告に対する期待がないわけではない。良質な体験を提供できた場合、65%のZ世代がブランド好感度が上昇すると回答しており、体験そのものがブランド評価を左右する時代になっている。特に「現実にはない体験ができること」や「自然に存在する広告」が好意的に受け止められている。
メタバース空間で望むプロモーションとして、最も多かったのは「ログインするだけで受け取れる無料アバターアイテム」で、44%が支持した。複雑な手続きや過度な演出より、手軽で自分のアイデンティティに関わる価値提供が好まれる傾向が強い。

理想の広告の未来像としては、「広告とエンタメの境界がなくなる」という回答が37%と最多で、広告そのものが楽しめる存在になることをZ世代は望んでいる。
さらに31%がAIによる精密なパーソナライズを期待しており、不要な情報を排除した体験価値の向上が求められている。
Z-SOZOKEN所長でFiom合同会社CEOの竹下洋平氏は、Z世代にとって従来の「ノイズ型広告」は機能不全に陥っていると指摘する。企業に求められるのは、プラットフォームの文脈を理解し、ユーザーと同じ温度感で体験を共創する姿勢だという。Z世代の65%が体験次第で好感度を上げる現状を踏まえ、広告は「見せるもの」から「共に体験するもの」へと転換期を迎えていると述べた。
Z-SOZOKENでは、今回の自主調査に加え、Z世代当事者リサーチャーによる調査研究メニューも提供している。
これらはアンケートでは見えない深層心理の分析や、Z世代目線でのクリエイティブ評価を行い、企業のZ世代向けコミュニケーションの最適化を支援するものだ。

今回の調査では、プライバシーやデータ収集への意識、信頼する情報源の傾向、ファン化の条件など、Z世代の態度変容に関わる多角的なデータも収集されており、企業の施策に活用できる示唆が詰まっている。完全版レポートはFiom合同会社の提供する資料として無料ダウンロードが可能である。