デジタル時代の広告表現に新たな風を吹き込む取り組みが進んでいる。ZIHEN株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役:山紘二)は、ル・クルーゼ ジャポン株式会社の人気シリーズ「On The Go」のプロモーション映像を制作した。注目すべきは、現実の都市空間にCGを重ねる「FOOH(Fake Out-of-Home)」と呼ばれる手法を用い、銀座の空中にカラフルなボトルが浮かぶという、非日常の情景を生み出した点である。
FOOHとは、実在する街の映像にコンピューターグラフィックスを融合させ、物理的には存在しない広告物をリアルに表現する新時代の広告フォーマットである。これにより従来の屋外広告では不可能だった演出を可能とし、視覚的なインパクトと記憶への定着という、ショート動画時代に求められる要素を高い次元で両立している。今回のプロジェクトでは、銀座の街並みに突如として巨大なル・クルーゼのボトルが現れるという演出が施され、視聴者の目を引くことに成功した。
ZIHENでは、情報が溢れるSNS上において、ただ目を留めさせるだけでなく、強く印象に残すコンテンツ制作を重視している。その一環としてFOOHを活用し、実在する都市空間を一種のメディアとして再構成するというアプローチを選んだ。代表の山は、「CGと実写の融合により、商品そのものの魅力を損なうことなく、視覚的に優れたコンテンツとして昇華させることができた」と語る。
映像では、リアルな銀座の街に、CGで再現した8色のカラフルなボトルが登場。光や影の繊細な処理によって自然に溶け込み、あたかもその場に実在するかのような仕上がりとなっている。また、「On The Go」シリーズのブランドコンセプトである「日常に彩りを加える」を、視覚表現として訴求する構成となっている。突然街中に現れる鮮やかなボトルが、驚きと共感を同時に呼び起こす設計だ。
「On The Go」シリーズは、ル・クルーゼが展開するパーソナルアイテムで、1リットルのOTGボトル(6,820円)、500mlボトル(5,500円)、350mlのトラベルマグ(4,950円)、500mlのスープジャー(5,500円)といったラインナップを揃える。カラーバリエーションはマットブラック、チェリーレッド、オレンジ、ネクター、バンブーグリーン、ディープティール、アズールブルー、シェルピンクの8色で、FSC認証素材を使用したサステナブルなパッケージも採用されている。
ZIHENでは今回の取り組みを皮切りに、AR技術との連携やリアルタイム映像生成など、さらなる表現手法の進化に取り組むとしている。また、グローバル展開を見据えたSNSマーケティング支援にも注力し、日本発の高品質なプロダクトを世界へ届けるためのパートナーとしての役割を強化していく構えだ。拡張現実が広告の常識を変える時代、その最前線でZIHENの挑戦は続いている。