デジタルハリウッド大学大学院が推進する日本IPグローバルチャレンジ・プロジェクト発の長編アニメーション映画『Another World(世外)』が香港電影金像奨に8部門でノミネートされた。

この賞は香港アカデミー賞とも呼ばれる権威ある映画賞である。ノミネート部門には最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞が含まれる。最優秀監督賞と最優秀新人監督賞には呉継忠(トミー・カイ・チュン・ン)氏が、最優秀脚本賞には楊宝莉(ポリー・ユン)氏が名を連ねる。最優秀美術賞はStep C.、最優秀音響効果賞は姚俊賢氏と張文海氏、最優秀オリジナル音楽賞は周麗婷氏、CMgroovy氏、馮偉衷氏が受賞候補だ。最優秀オリジナル映画歌曲賞は「Until We Meet Again」で、作曲・作詞は馮薇琪氏、歌唱は呉慧玲氏である。

本作は西條奈加氏の小説『千年鬼』を原作とする。徳間文庫から刊行されたこの作品を基に、香港のPOINT FIVE CREATIONS LIMITEDと国際共同制作で2025年春に完成した。監督はトミー・カイ・チュン・ン氏、プロデューサーはポリー・ユン氏である。制作時間は110分41秒、ジャンルはファンタジーだ。過去と未来の狭間にある幻想世界「世外」を舞台に、人間の記憶と魂の行方を描く。日本の幻想文学を香港のアニメ技術で融合させた国際的作品である。

2025年6月にはアヌシー国際アニメーション映画祭のアウト・オブ・コンペティション/ミッドナイトスペシャル部門でワールドプレミアを飾った。同年10月にはシッチェス・カタルーニャ国際ファンタスティック映画祭のニュー・ビジョンズ部門でも上映された。海外映画祭の高評価を受け、10月29日から香港で世界興行が始まり、初週に興行収入1位を獲得した。華語映画の名門である台湾金馬国際映画祭では最優秀長編アニメ映画賞を受賞している。台湾劇場公開は3月13日から予定だ。

日本IPグローバルチャレンジ・プロジェクトは2016年にデジタルハリウッド大学大学院教授の吉村毅氏が発案した。日本の高ポテンシャルコンテンツを海外で映像化する目的である。徳間書店から原作を提供してもらい、留学生が要約・翻訳して香港フィルムマートやTIFFCOMでセールス活動を展開した。その結果、『千年鬼』がポリー・ユン氏の目に留まり、アニメ化が実現した。吉村氏はリクルートやGAGAでの経験を生かし、プロジェクトを牽引する。デジタルハリウッド大学大学院は2004年開学の日本初の株式会社立専門職大学院である。SEAD(Science/Engineering/Art/Design)の融合教育でリーダーを育成し、大学発ベンチャー数で全国15位を記録している。

監督のトミー・カイ・チュン・ン氏は香港城市大学出身で、短編アニメやCMで実績を積む。ポイントファイブクリエーションズの設立者だ。プロデューサーのポリー・ユン氏は英国バース大学で映画研究の修士を取得し、多ジャンルで活躍する。VRプロジェクトも手がけ、釜山映画祭に招待された実績がある。

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