第83回ゴールデン・グローブ賞にて、作品賞(ミュージカル・コメディ部門)、主演女優賞(エマ・ストーン)、主演男優賞(ジェシー・プレモンス)の主要3部門にノミネートされた最新作『ブゴニア』。『哀れなるものたち』で世界を席巻したヨルゴス・ランティモス監督が、製作にアリ・アスター(『ミッドサマー』)と『パラサイト 半地下の家族』の製作陣を迎え、韓国のカルト的名作『地球を守れ!』を大胆に再構築した。クリエイターたちの並外れた視点が融合し、現代社会の歪みを「誘拐サスペンス」という形で描き出す。
豪華キャストが挑む、極限の「心理的クローズド・サークル」
物語は、カリスマ女性CEOミシェル(エマ・ストーン)が、彼女を「地球を滅ぼす宇宙人」と信じ込む陰謀論者のテディ(ジェシー・プレモンス)とその従弟ドンに誘拐されることから始まる。
エマ・ストーン(ミシェル役): ランティモスと5度目のタッグ。役作りのために自ら丸刈りに挑み、支配者から被害者、そして狡猾な交渉者へと変貌する複雑な役どころを怪演。
ジェシー・プレモンス(テディ役): 社会への疎外感と狂信的な正義感を抱えた誘拐犯を演じ、ヴェネツィアに続きGG賞ノミネートと、その実力を証明。
エイダン・デルビス(ドン役): オーディションで抜擢された演技経験ゼロの新星。熟練俳優の間で「映画の心」となる純粋な葛藤を表現し、監督を涙させた。
クリエイティブの極致:ビスタビジョンとこだわりの美術
本作は、技術面においてもクリエイターの好奇心を刺激する要素に満ちている。
1. 希少な「ビスタビジョン」方式での撮影

撮影監督ロビー・ライアンは、世界に1台しか現存しないカメラ「Wilcam11」を駆使。通常の35mmフィルムを横に走らせるビスタビジョン方式を採用し、圧倒的な情報量と肖像画のような質感を持つ映像美を実現した。
2. 徹底的に作り込まれた「テディの家」

プロダクションデザインのジェームズ・プライスは、ロケ地のアカデミックな風景の中に、90年代のアメリカを象徴するランチハウスをゼロから建設。屋内と屋外を同一場所に作ることで、キャストが役に入り込める没入型環境を構築した。
3. 文脈を増幅させる劇中曲
チャペル・ローンのクィア・ソングから、マレーネ・ディートリッヒによる反戦歌まで。ランティモス特有の皮肉と遊び心が効いた選曲が、物語の異質さを際立たせる。
【作品情報】
監督・製作: ヨルゴス・ランティモス
脚本: ウィル・トレイシー(『ザ・メニュー』『メディア王』)
製作: アリ・アスター、エド・ギニー、アンドリュー・ロウ、ミッキー・リー ほか
出演: エマ・ストーン、ジェシー・プレモンス、エイダン・デルビス、アリシア・シルヴァーストーン
配給: ギャガ、ユニバーサル映画
映倫区分: PG12
2月13日(金)〜 TOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショー


