コンテンツプラットフォーム「note」を運営するnote株式会社(東京都千代田区)は13日、日本語で書かれた記事を自動で多言語に翻訳する新機能の試験運用を開始した。英語を皮切りに、海外の読者に日本発の作品を届ける仕組みを整える。
同社はGoogleの生成AIなどを活用し、投稿されたテキストを自動で翻訳する。海外の検索結果やSNSにも表示されやすくなり、クリエイターの作品が世界中の読者とつながる機会が広がる見込みだ。対象はテキストコンテンツのみで、画像や音声、動画は含まれない。翻訳の利用を希望するかどうかは投稿者が選択できる。
試験運用は一部のクリエイターによる無料記事で行い、2026年春には対象範囲を拡大する予定である。有料記事やメンバーシップ特典記事も段階的に対応を進める。先行利用を希望するクリエイターや企業向けの登録フォームも公開された。
noteはこれまでGoogleやNAVERとの資本業務提携を通じて、グローバル化を見据えた開発を進めてきた。2025年10月には株式会社ヴァリューズとの共同調査で、生成AI経由のアクセスが検索流入の約4倍に達したことが確認されている。今回の多言語化により、さらに幅広い読者への接点が生まれると同社は期待する。
背景には、日本のコンテンツ産業の国際的な広がりがある。経済産業省によると、2023年の日本コンテンツの海外売上は約5.8兆円に達し、政府は2033年までに20兆円への拡大を目指している。とはいえ、アニメやマンガ以外の日本文化や価値観を紹介する文章は、言語の壁により十分に届いていないのが現状だ。noteには日々7万件を超える多様なコンテンツが投稿されており、今回の仕組みはそれらを世界へ橋渡しするものとなる。
加藤貞顕CEOは、「自分の作品を海外でも読んでもらいたいという要望は以前から多く寄せられていた。ようやく実現できたことを嬉しく思う。これにより新たな出会いが生まれ、新しい世界が開けるだろう」とコメントしている。

