若手クリエイターを対象としたデザインコンテスト「GMO DESIGN AWARD 2025」(主催:GMOインターネットグループ)の最終審査結果が12月10日に発表された。最優秀賞には、AIを用いて孤独な一夜のつながりを描いたアニメーション作品「誰にも祝われない夜に」(作者・平田茉莉花)が選ばれた。
本アワードは「つながり」をテーマに、プロダクトアイデア部門と映像・ビジュアル表現部門の2部門で開催された。18歳から29歳までのクリエイターを対象に、6月から10月までの4か月間で100点を超える応募が寄せられた。AI活用を前提とした新たな表現や発想を評価し、審査員による厳正な審査のもと、最優秀賞、優秀賞、審査員特別賞などが決定した。
最優秀賞「誰にも祝われない夜に」は、戦火の街を舞台に、孤独に誕生日を迎えた少女と子猫にミルクをあげようとする青年の出会いを描いた。短い一夜の交流を通じて「おめでとう」という言葉が救いとなる構成が高く評価された。審査員は、映像、脚本、音楽の一体感が群を抜いており、生成AIを活用しながらもCGの域を超える完成度だとコメントした。
優秀賞には4作品が選出された。プロダクトアイデア部門では、思い出を物理的に保存する「思い出召喚ステッカー yomiyomi」と、家庭でAIを活用した影絵表現を楽しめる「かげえものがたり」が受賞した。映像・ビジュアル表現部門からは、AIと人の関係を再考した映像「調べ物」と、感情の乖離をテーマにした「たまごやき」が選ばれた。
今年は新たに審査員特別賞を設け、多様なAI時代の創造性を顕彰した。ビジュアルクリエイティブ賞には「誰にも祝われない夜に」、ビジュアルランゲージ賞には「かげえものがたり」、また「AI菩薩」がコンテクストデザイン賞およびマーケティングイノベーション賞を受賞した。さらに、UX&プロダクトイノベーション賞には、親切な入力フォームを制作できる「フォームインワン」が選ばれた。
12月9日に開催された表彰式は、デザイナー・クリエイター向けイベント「GMO Developers Day 2025 -Creators Night-」の中で行われた。受賞者のほか、学生やGMOグループ社員らも多数参加し、AI時代のデザインの在り方を語り合った。基調講演やトークセッションを通じ、現場の知見と思想的な視点が交差する場となった。
「GMO DESIGN AWARD 2025」公式サイト:https://gmo-design-award.com/


