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広告会社TBWA HAKUHODOのインハウスコンテンツラボ「DISCO」は9日、映像実験プラットフォーム「THE TWINS(ザ・ツインズ)」を公開した。同企画は一つの脚本から、人間が演じる実写作品とAIが制作する映像作品という二つの異なる物語を同時に発信する試みである。第1話はYouTube上で配信を開始した。

初回作品のテーマは「働き者」。サラリーマンの姿を描く現実世界と、蟻たちを題材にしたAIによる空想世界が対となり、働くことの喜びと切なさを対比的に表現している。両作品は脚本こそ同じだが、人とAIの解釈の違いが視聴者に異なる感情を与える構成である。

「THE TWINS」はすべて「DISCO」が企画から脚本、撮影、編集、CGI制作までを内製し、3〜5名の少人数チームで制作された。実写部分では俳優の感情をリアルに切り取り、AI技術ではクレイやアニメーションを生成するハイブリッド手法を採用。スピードと完成度の両立を実現したという。

TBWA HAKUHODOの「DISCO」は、2019年に設立された社内制作組織で、同社の理念「DISRUPTION®︎(創造的破壊)」を体現してきた。過去にはボイスコマンド式公共トイレ「Hi Toilet」や人気音楽コンテンツ「THE FIRST TAKE」など、既成概念を打ち破る作品を手がけている。2025年には「Campaign誌」の「Agency of the Year 2025」で金賞を受賞した。

DISCOのHead of Productionである深津広孝氏は、「人間かAIかという問いに、どちらもやればいいというのが私たちの答えだ。同じ筋書きから生まれる二つの世界を見て、観る人が何を感じるのかに興味がある」と語る。また、企画・プロデューサーの工藤泰介氏は「AIの進化で映像制作が変わる今、人間の演技が持つ一瞬の温度も再評価されている。どちらが優れているかではなく、違いそのものを楽しんでほしい」と話している。

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