体験デザイン企業の博展(東京都中央区)は、1年間のクリエイティブ活動を紹介するイベント「Hakuten Open Studio 2025(HOS)」を、12月10日から13日まで江東区辰巳のT-BASE制作スタジオで開催する。これまで関係者向けに実施してきた内容を一般にも開放する初の試みで、入場は無料(要予約)となる。
今年のテーマは「よりあい -Shared Thought-」。人と人が語り合い、共に考え行動する“寄合”の精神を軸に、AIやデジタル技術が進化する時代だからこそ必要な「直接対話から生まれる体験」を探る。会場では、博展が手がけた約50件のプロジェクトや研究開発プロトタイプを展示し、同社の創造プロセスを公開する。
イベントは四つのエリアで構成される。展示を中心とした「EXHIBITION」、来場者同士が語り合う「YORIAI AREA」、著名なゲストと語る「TALK SESSION」、体験型の「WORKSHOP」である。トークセッションには、美術家の市原えつこ氏や、ソニーグループ、乃村工藝社、JR東日本スタートアップなど各分野の専門家が登壇。体験デザインの未来、テクノロジー、サステナビリティなど多彩なテーマで議論が交わされる予定だ。
また、同期間中には新木場エリアを拠点とする「SHINKIBA CREATIVE HUB」も連動開催される。地域資源を活用した循環型ものづくりの取り組みが紹介され、参加者が木端を使って未来の街づくりを考えるワークショップも行われる。
「Hakuten Open Studio」は2022年の初回開催以来、博展が追求する“体験をデザインする”思想を発信してきた。昨年のテーマ「トキとデザイン」では来場者数が800人を超え、企業ブランドの再評価にもつながった。本年はより広く社会へ開かれた場として、地域や学生など多様な層と新たな「よりあい」を築くことを目指す。


