札幌発のフードドキュメンタリー映画北の食景(Northern Food Story)が、12月5日から全国の劇場で順次公開される。北海道を舞台に、四人の料理人と生産者、土地、そして四季の営みを描く作品である。日常の中で交錯する人と自然の関わりを丁寧に映し出し、一皿の料理に込められた思いや時間を瑞々しく伝える。
本作は札幌市、北海道新聞社、クリエイティブオフィスキューの共同制作による。スペインで開催された第72回サン・セバスティアン国際映画祭のカリナリーシネマ部門に正式招待され、3回の上映はいずれも満席となるなど高い評価を受けた。2024年には北海道フードフィルムフェスティバル2024(現・北海道フービーフェスティバル)で日本初上映され、札幌を中心に支持を集めた。
監督の上杉哲也氏は、「北海道各地を一年かけて巡り、四季の移ろいとともに人と食の姿を記録した。自然と人の営みの重なりを感じてもらえる作品になった」と語る。春の芽吹きから冬の静寂まで、北海道の自然が紡ぐ命の循環が画面に広がるという。
映画には、札幌のフレンチ「ラ・サンテ」の髙橋毅氏、寿司店「まる鮨」の川崎純之亮氏、農場併設レストラン「AGRISCAPE」の吉田夏織氏、日本料理「味道広路」の酒井広志氏らが登場する。地域に根差しながら食と向き合う4人の料理人が、それぞれの流儀で北国の恵みを表現する姿が記録されている。
元北海道日本ハムファイターズ監督で、現在チーフ・ベースボール・オフィサーを務める栗山英樹氏は、「この作品は、生きることへの感謝を自然と呼び覚ます風のようだ」とコメントを寄せた。
上映は12月5日よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋、アップリンク京都などで開始し、12月19日からテアトル梅田でも公開される。





