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アドビは11月17日、世界のクリエイター1万6,000人を対象にした「クリエイターツールキットレポート」を発表した。調査によると、回答者の86%がクリエイティブ生成AIを活用しており、AIが創作活動やビジネス成長に大きく寄与している実態が明らかになった。

同社によると、生成AIはもはや実験的な存在ではなく、コンテンツ制作に欠かせないツールとなっている。76%のクリエイターが生成AIの利用で事業規模やフォロワー数の拡大につながったと回答したほか、81%が「AIがなければ作れなかった作品がある」とした。85%はAIがクリエイターエコノミーに好影響をもたらすと考えている。

生成AIの主な用途は、編集や画質の向上、画像・動画の新規生成、アイデアの創出など多岐にわたる。クリエイターの8割が複数のAIツールを併用しており、作品の品質向上や実験的な使い方を模索している。一方で、約7割が「自身のコンテンツが無断でAI学習に使われること」に懸念を示しており、透明性と信頼性の確保が課題となっている。

また、次世代の制作支援技術として注目される「エージェント型AI」に対しては、70%のクリエイターが期待を寄せ、85%が自身の創作スタイルを学習するAIの利用を検討している。重視される活用例としては、反復作業の自動化やブレインストーミング支援、成果分析などが挙げられた。アドビは、AIが作業を効率化しながらも人間による最終的な判断を維持する「Human in the loop」型の創作プロセスが今後普及すると見ている。

さらに、モバイルデバイスの進化もクリエイターの制作環境を変えている。72%がモバイル中心の制作を行っており、75%が「今後1年でモバイルでの制作が増える」と回答した。スマートフォンは単なる撮影ツールを超え、撮影から編集、発信までを担う制作スタジオに変化している。

この調査は、アドビが調査会社ハリス・ポールと共同で2025年9月に実施したもので、日本を含む8カ国の新興クリエイターやセミプロの制作者を対象に行われた。アドビは今後も、クリエイターの創造力を支援する柔軟で信頼性の高いAIツールの提供を続けるとしている。

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