音楽ストリーミングサービスのSpotifyは11月10日、広告や音声クリエイティブを表彰するアワード「Spotify Hits Japan 2025」を開催し、各部門の受賞作品を発表した。グランプリにはヤマハのキャンペーン「#LoveYourMistake『Knock Turn』」が選ばれた。
同アワードは、音を活用して人とブランドをつなぐ革新的な広告を顕彰するもので、今年で日本では2回目の開催となる。実績のあるキャンペーンを評価する部門に加え、若手クリエイターのアイデアを競う公募部門も設けられた。
グランプリを獲得したヤマハの「Knock Turn」は、楽器練習中のミスを前向きに捉えるメッセージを音で表現した作品。クラシックを好むリスナーを対象にショパンの《ノクターン》をモチーフにした新曲を制作し、日英印の演奏者が参加。音による広告表現の新しい可能性を示した。
ベスト・イマーシブ・オーディオ・キャンペーン部門では、大塚製薬の「円陣」シリーズが選出された。バイノーラル録音でリスナーに臨場感を与え、音だけでブランドへの好意形成を実現した。ベスト・モーメント・キャンペーン部門では、サントリー「金麦」の「家路言」が、帰宅時間という瞬間を音で表し「癒し」のブランドイメージを強めた。
ベスト・オーディエンス・ストラテジー・キャンペーン部門では、日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す 2025年コミュニケーション」が受賞し、音楽と生活提案を組み合わせた共感型広告を展開した。若手クリエイターが挑むFuture Hitmakers部門では、「猫舌クノール〜聴き終えるとちょうどいい温度になるプレイリスト〜」などが入賞し、音声広告の新しい発想が評価された。
審査には広告・メディア業界の第一線で活躍する専門家が参加。創造性やブランド課題への適合性、データ活用の先進性などを基準に、一次・最終審査の二段階で選考が行われた。Spotifyは今後も「音×広告」による新たな表現を支援し、ブランドとユーザーの関係構築を深化させる方針を示している。



