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AI映像制作スタジオ「STUDIO異次元」が、映像から音楽、声まで全てをAI技術で制作した長編映画『SCP-2639の物語【ビデオゲーム・バイオレンス】』を公開した。作品の長さは50分を超え、同スタジオにとって初の映画尺への挑戦となる。

代表の渡邉梓とクリエイターKの2人によるSTUDIO異次元は、SCP財団を題材にしたAI短編シリーズなどを制作してきた。これまでは15分前後の短編を中心にしていたが、徐々に制作時間を延ばし、技術力を磨いてきたという。今回の長編ではAI表現の限界を押し広げ、AIに興味のない人でも楽しめるエンタメ映画を目指した。

映像制作では、アクションシーンやキャラクターの動きをAIで生成。複雑なカメラワークやワンカット撮影風の表現など、これまで困難とされた演出にも挑戦した。STUDIO異次元は敢えて曖昧なプロンプトを与え、AIが生み出す“偶然の創造”を積極的に取り入れている。1つのシーンを完成させるまでに何百回もの生成を繰り返すという地道な作業を重ね、AIと真摯に向き合う姿勢を貫いた。

渡邉は「AIがあれば誰でも創作に挑戦できる時代になった。人間もAIも関係なく、純粋に楽しめる映画を届けたい」と語る。クリエイターKも「私たちは専門的な映像経験がない。ただ映画が大好きな一般人として、AIが表現の壁を越えてくれる時代を実感している」と話す。

STUDIO異次元は今後、YouTube上での作品公開に加え、劇場上映や企業とのコラボレーションも視野に入れている。運営するYouTubeチャンネル「異次元劇場」を実験の場とし、AI表現をさらに進化させる計画だ。新たな映像時代の幕開けを、AIと共に切り拓こうとしている。

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