九州最大級のクリエイティブ・アワード「九州ADCアワード2025」の公開審査会が10月11日、福岡アジア美術館で開かれた。九州・沖縄在住のクリエイターを対象に開催されるこの賞は、今回で8回目を迎えた。10部門に寄せられた応募総数は700点を超え、審査は一般にも公開された。
グランプリには鹿児島のこども園「うおみこども園」のウェブサイトが選ばれた。制作者はモンブラン所属の竹田京司氏。ウェブサイトが大賞に輝くのは初の快挙である。特別審査員として正親篤氏、ハン・ヒソク氏、宮田裕美詠氏、加藤琢磨氏の4名が審査にあたった。
部門賞では、ロゴ部門の「温故知新」(杉村武則氏・楕円形)、パッケージ部門の「柳井商店 ふぐひれ」(福田まや氏・星庭)、ポスター・広告部門の「うみのなか未知」(岩切千穂氏・九州博報堂)などが受賞した。グラフィック・エディトリアル部門では松本千里氏(DEE LIGHTS)が「僕の心臓は絵を描き終わった鉛筆の先にある」で評価を得た。
また複合部門の「TOFT」(郡洋一氏・九州博報堂)や、映像部門の「RYUKYU BLUES PROJECT」(村山盛康氏・ROOTLESS)も注目を集めた。学生部門のグランプリには、日本デザイナー学院九州校の松田昊大・田中陽菜による「作作」が選ばれた。
特別賞には「港ZINE」(岡崎友則氏)、「どうして?」(矢澤拓隼氏)、「そとがわとなかみ」(チームそとがわとなかみ)、「Au Pan & Coffee」(杉村武則氏)、「SUNS AND COOK」(濵田佳世氏)などが選出され、多様な創作の可能性が示された。
会場では700点を超える作品が一堂に並び、来場者は各部門の多彩な表現に見入っていた。九州ADCアワードは地域のクリエイティブ文化を発信する場として、次世代デザイナーの登竜門となっている。


