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奈良県吉野郡東吉野村で、秋の自然とアートが融合する「はじまりの東吉野オープンアトリエ2025」が11月1日から3日、8日から9日にかけて開かれる。今年で3回目を迎える本イベントには、39組の村民クリエイターが参加し、それぞれの工房やアトリエを一般公開する。展示や販売、インスタレーションを通して、来場者に村の創造文化を体感してもらう企画である。

東吉野村は人口約1500人の山間の小村だが、近年は国内外のアーティストが移住し、新たな創造の拠点として注目を集めている。自然豊かな環境と、ゆったりとした時間の中で創作に向き合うライフスタイルが、都市にはない魅力といえる。村営コワーキングスペース「OFFICE CAMP HIGASHIYOSHINO」には、デザイナーや職人らが集まり、年間約1200人が訪れるなど、創造の気風が根付いている。

イベント期間中は、陶芸や木工、刀づくり、絵画、写真など多彩な工房を巡ることができる。訪れた人々は、作品だけでなく、作り手の生活や制作の背景にも触れる機会を得る。英国出身のデザイナー、フィリックス・コンラン氏をはじめ、西岡潔氏、河内國平氏など多様な分野のクリエイターが参加する予定だ。

また、11月2日夜にはトークイベント「暮らしからひらく表現 東吉野クリエイティブセッション」が開催される。思想家の青木真兵氏や陶芸家の栗岡由布子氏ら4人が登壇し、地域での創作と暮らしが交わる中から生まれる価値や可能性について語り合う。地域の未来を見つめる対話の場になると期待される。

秋の東吉野村は紅葉の名所としても知られ、清流と山々が織りなす風景は格別である。来場者は、アート鑑賞の合間に温泉やカフェを訪れ、穏やかな時間を過ごせる。地元の食堂「ひなたや」やカフェ「Little oven」なども営業し、村ぐるみでイベントを盛り上げる。

実行委員長の写真家・西岡潔氏は、「このイベントは村の暮らしと創造をつなぐ試みであり、人と地域、社会を結ぶ場にしたい」と話す。川沿いに点在するアトリエを巡りながら、自然や文化との新たな関係を探るきっかけを提供するという。

「はじまりの東吉野オープンアトリエ2025」は全日午前10時から午後5時まで開催。村全域で実施され、総合案内所は東吉野村小川のサテライトオフィス小川に置かれる。

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