特定非営利活動法人LEGIKA(所在地:東京都品川区、理事長:小崎 文恵)が運営するマンガ家育成事業「トキワ荘プロジェクト」は、2025年9月14日付で累計参加者数が700名を突破した。2006年の開始以来、19年間にわたり、マンガ家・マンガ家志望者向けのシェアハウスを提供し、クリエイターのプロデビューと活動拡大を支援してきた実績が、この数字に結実したかたちである。
多数のクリエイターを輩出、求められる役割の変化に対応
トキワ荘プロジェクトの参加者からは、『魔入りました!入間くん』の西修をはじめ、第一線で活躍するクリエイターが多数生まれている。2025年5月26日時点で、プロデビューを果たした参加者は通算203名に上る。
スタート当初、同プロジェクトは、経済的に厳しい状況にある志望者に対し、都心部に通いやすい低賃料の住まいを提供し、東京での挑戦を可能にすることを主な目的としていた。しかし、マンガ作品の制作・流通・販売のデジタル化と利用場面の多様化を受け、現在は作家として求められる役割の変化を反映した事業へと変貌を遂げている。
具体的な変化として、電子出版の拡大による作品数増大に対応するため、LEGIKA自身がマンガ制作事業「レジカスタジオ」を展開。リアルな仕事を提供することで、参加者が技能だけでなく人格面を含めた自己を見極める機会を増大させている。また、デビュー機会が増える一方で出版社によるきめ細やかな指導が減少している現状に対し、多数のプロ作家が居住し、リアルな仕事の様子を間近で見られるコワーキングスペース・アトリエを備えたシェアハウスを提供することで、先輩作家との交流を通じた学びの機会を拡大しているのが特徴だ。
中長期的な活躍を目指すエコシステムへ
現在のトキワ荘プロジェクトの目的は、単なる住居提供にとどまらず、中長期的にプロクリエイターとして活躍するためのエコシステムづくりへと変化している。
その展開として、2025年7月には新拠点「上池台トキワソウルーム」(東京都大田区、全55室)をオープン。ここは、入居者同士のつながりの深化だけでなく、IP事業者との接点を生み出す場としても展開されている。
LEGIKAは、今後も時代の変化を鋭く捉え、先手を打って対応することで、より多くのクリエイターが活躍できる環境づくりを推進していく方針である。



