CHホールディングス株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:和田篤司)は、AIを活用した広告映像制作を手がける新会社「株式会社まんなか」を2025年10月1日に設立した。代表取締役にはクリエイティブディレクターの野村篤史氏が就任する。
「まんなか」は、広告映像において本質的なメッセージを見極め、人間ならではの発想とAIの表現力を融合させる制作体制を特徴としている。従来の制作フローを効率化しながら、高品質かつスピーディーな映像を提供することを目指す。
設立の背景には、映像制作現場で深刻化するコスト高騰と人材不足がある。特に地方や小規模案件において品質確保の難しさが課題となってきた。一方で生成AIの進化により、台本や映像、音声制作に新たな可能性が広がっていることから、まずは「コンパクトバジェット領域」に注力し、実績を積み重ねていく方針だ。
将来的には大手広告主や代理店との連携を通じ、AIを導入した映像制作を広告業界の標準的手法へと押し上げることを掲げる。少人数での高品質かつ低コストな制作体制によって、従来の制約を超えた自由度の高い映像表現を実現していくという。さらに、映像制作会社や教育機関を対象としたワークショップや講演、コンサルティングなども積極的に展開する予定である。
野村氏は「私たちは速さや安さだけではなく、本当に伝えるべき価値を中心に据えた映像をAIとともに創り上げていく」とコメントしている。武蔵野美術大学在籍時からCGデザイナーとして活動を始めた同氏は、CMやスポーツ映像など幅広い分野での演出実績を持ち、近年はAIを活用した表現研究にも取り組んできた。
CHホールディングスは複数のプロダクションやクリエイティブ企業を傘下に持ち、テレビCMやウェブ動画など幅広い制作を担う総合的なビジュアルソリューションを展開している。起業プラットフォームとして新たなスタートアップの創出にも注力しており、今回の「まんなか」設立もその一環となる。


