映像制作会社のFILMOQ(フィルモック、東京都港区)は9月30日、縦型(9:16)と横型(16:9)の映像を一本の撮影で同時に制作できる新サービス「タテヨコ」を発表した。2:1撮影設計を採用することで、追加撮影の必要がなく、SNS動画からテレビCMまで同じ作品を効率的に展開できるのが特徴だ。
同社によると「タテヨコ」は、従来は別々に行われてきた縦横動画の撮影・編集工程を一本化することで、再撮影ゼロの高いコストパフォーマンスを実現する。さらに少数精鋭によるワンストップ体制で、企画から撮影、編集、納品までを一気通貫で進められるため、制作スピードの面でも優れるという。
FILMOQはこれまでも短尺の物語表現に力を入れてきた。新サービスでは光やカメラワークなど映画的な演出を取り入れた「映画的ショート」によって、広告色を薄めつつ短い時間で共感と驚きを生み出す仕掛けを目指す。同社は「縦横同時制作を新しいスタンダードとして広めたい」としており、TikTokやInstagramなどSNSに加え、テレビCMまで幅広い活用を想定している。
新プランでは9:16と16:9に加え、1:1動画にも対応。字幕やサムネイル、SNS向けのメタデータセットも用意し、ブランドの物語を多様なチャネルに最適化して届けられるよう設計されている。ターゲットはSNS拡散と映像品質の両立を求めるブランドで、短尺ながら記憶に残る映像体験を支援する狙いがある。
FILMOQは「Make Different.」をモットーに、ドラマや映画からSNS動画まで幅広く手掛けてきた制作会社だ。代表取締役の早坂亮輔氏は「広告でも映画でもない、人の心を動かす新しい映像表現を生み出したい」と語っている。




