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映像産業の権利管理と人材証明に新たな仕組みが導入される。株式会社ビジュアルボイスは2025年秋から、株式会社NTT Digitalと共同で分散型識別子(DID)と検証可能なデジタル証明書(VC)を活用した実証実験を開始する。両社は、映像コンテンツ流通プラットフォーム「LIFE LOG BOX(LLB)」を基盤に、クリエイターの実績証明や権利情報の透明化を目指す。

映像・映画産業では、著作権や配給権の複雑化、クリエイターのキャリア不透明性、作品の流通における信頼不足などが長年の課題とされてきた。DIDとVCを導入することで、改ざん困難なデジタル証明を活用し、権利管理の自動化やキャリア認証を可能にする。これにより、クリエイター、バイヤー、教育機関、自治体など幅広い分野に恩恵をもたらすことが期待されている。

実証実験ではまず、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」の受賞者やノミネート者、ならびに専門学校修了者を対象にVCを発行する。クリエイターは受賞歴や制作実績を信頼性の高い証明として提示でき、採用や契約の際に能力を正確に示すことが可能になる。著作権や二次利用の権利もVCで管理されるため、作品利用の透明性が担保され、不正利用のリスクが低減する見通しだ。

バイヤーや配給会社にとっても、作品の権利関係を確実に確認できることは商談を円滑にし、不正取引を防ぐ手段となる。教育機関においては、修了証や資格証をVCとして発行することで改ざんを防ぎ、就職支援に活用できる。さらに地方自治体も、行政証明書をデジタル化することで手続き効率化やイベント招致の信頼性向上につなげられる。

この取り組みは2025年10月にSSFF & ASIAの受賞者へのVC発行から始まり、2026年にはLLB内のコンテンツマーケットにおける売買・配給まで拡大する予定である。ビジュアルボイスとNTT DigitalはDID/VC技術を通じて、映像産業の信頼基盤を再構築し、クリエイターや企業、ファンの関係をより強固なものにすることを目指す。

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