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2025年9月9日、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン「リボーンステージ」で、中小企業や芸術家が手がけた120体の招き猫を一堂に展示する「招き猫プロジェクト」が開催される。企画したのは、なにわあきんど塾同友会をはじめ、大阪市産業経営協会、大阪市女性起業家情報交流協会の3団体である。

開催日となる9月9日は「重陽の節句」と呼ばれ、古来より縁起の良い日とされてきた。企画者らはこの日に合わせて「世界で最も福が集まる場所」をつくることを目指した。展示される招き猫はすべて30センチサイズの共通フォーマットに制作されたが、表情や色彩、素材は企業やアーティストの発想によって多様性に富んでいる。約半数は芸術家やパラアート作家との協働によるもので、企業支援と文化振興を担う試みでもある。

今回のプロジェクトは「Not Design, But Art.」をテーマに、単なるデザインではなく企業の理念や想いを芸術作品として表現することを掲げた。背景には「クリエイティブを広告に矮小化してしまう」という企業課題への問題意識がある。これを受け、企業はアーティストにデザインを発注するのではなく「アート」を託し、相互理解と新しい価値の共創をめざした。大阪商人がかつて果たした文化的支援の精神が現代によみがえった形だ。

総合ディレクションを担うのは、アートディレクターで映像監督の滝本章雄氏。企業と芸術家のマッチングからプロジェクトロゴの制作、御堂筋線・中津駅でのデジタルサイネージ展開まで幅広く手がけた。参加アーティストには漫画家の有袖まさき氏、ポップな表現を得意とするアーティストのemma氏、オリジナルキャラクター制作で知られるロケット・ジャック氏らが名を連ねている。

当日は展示だけでなく、住吉大社による特別ご祈祷やシークレットゲストによる「未来社会」の構想発表、さらにOsaka Metro河井社長とレジル株式会社丹治社長によるビジネスビジョンの講演も予定されている。司会はSNSで人気を集める建設会社社長の長野雅樹氏と、お笑い芸人のくわがた心氏が務め、親しみやすさとユーモアを交えて会場を盛り上げる。

イベントは9月9日午前9時から午後8時半まで、入場無料で実施される。招き猫を通じて企業と芸術家が共に描く未来の姿を体感できる場として注目を集めそうだ。

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