中小企業の事業後継者とデザイナーが協業するデザインプロジェクト「NEW NORMAL」が、成果展「NEW NORMAL 5 -Japanese Maison-」を大阪と東京で開催する。2020年に始動した同プロジェクトは、「新常識となるデザインをつくる」をコンセプトに、家業を継ぐ企業の経営者とデザイナーが約1年をかけて商品や仕組みを共創し、事業変革につなげている。
今年4月には世界最大級のデザインイベント「ミラノデザインウィーク」に3年連続で出展し、その作品をさらに進化させた8点を国内で披露する。テーマは昨年に続き「家業の新常識をつくる」。伝統を受け継ぎつつ、新しい価値を形にする取り組みが結実した。
大阪展は9月11日から14日まで、大阪・四ツ橋駅近くのiha placeで開催される。期間中は大阪市内各所で多彩な企画が展開される「デザインウィークエンド大阪」の一環となっており、12日にはレセプションパーティーも予定されている。東京展は10月1日から5日まで、渋谷区神宮前のTIERS GALLERY by arakawagripで行われ、初日に同じくレセプションが開かれる。いずれも入場無料。
参加するのは株式会社アルナや株式会社樫本商店、三栄ケース株式会社など8社で、北條英氏や中込明氏をはじめとするデザイナー陣と共に制作した作品が並ぶ。空間デザインやデジタルアートも加わり、多角的な表現が展開される。
また、大阪展の会期中には、中津エリアで開催される「カタログの無いものづくり展 vol.7」にもポップアップ出展する。独自の発想で建材や素材を開発する企業が集まる展示で、9月12日と13日に公開される。
プロジェクトはすでに来年度に向けた「NEW NORMAL 6」の準備を進めており、参加企業の募集を開始した。新製品開発やデザイナーとの協業、海外展開を志す事業者にとって、実践的な商品開発や認知拡大の機会となることを目指している。
運営はデザイン事務所soell株式会社が担う。代表の土井智喜氏が2010年に設立し、素材や技術の可能性を引き出すデザインを支援してきた。プロジェクトの成果が国内外で発信されることで、家業を継ぐ企業にとっての新しい未来像が提示されている。



