香りと言葉をつなぐ革新的なAIシステム「KAORIUM(カオリウム)」が、イタリアを拠点とする国際デザインコンペティション「A’ Design Award and Competition」において、「Interface, Interaction and User Experience Design」部門で受賞した。開発元のSCENTMATIC株式会社(本社:東京都、代表取締役:栗栖俊治)は、香りの印象を誰にでもわかりやすく言語化するという新たな価値の創出が国際的に評価されたとして、今回の受賞を発表した。
KAORIUMは、独自のAI技術を活用し、香りの特徴を言葉で表現することで、香りの可視化を実現するインタラクティブなサイネージである。利用者は香りとともに表示される言葉を通して、感覚的な印象を言語で認識し、自分に合った香りを見つけることができる。デジタルとフィジカルを融合させた設計により、体験者が直感的に香りの世界を楽しめる点が特徴で、シンプルなユーザーインターフェースと文字の投影を組み合わせたデザインが採用されている。RFID技術を用いたボトルの識別や、表示された言葉に関連する香りが画面上で強調される仕組みも搭載され、直感的な操作性が高く評価された。
A’ Design Award and Competitionは、建築、プロダクト、グラフィック、サービスなど幅広い分野を対象とし、革新性、機能性、美しさ、持続可能性といった観点から国際的な審査員団により審査が行われる。今回KAORIUMが選出された部門では、香りと言葉を結びつけたユニークなコンセプトと、AIによる複雑な分析結果を誰もが理解しやすく体験できるインターフェース設計が特に高く評価された。
栗栖俊治代表取締役は、今回の受賞について「利用体験に焦点を当てた部門で評価されたことは大きな喜びです。KAORIUMは、誰もが香りを楽しみながら、感性を広げられる体験を目指して設計されました。今回の受賞はその可能性を証明するものです」とコメントしている。
KAORIUMは、香りの印象を言葉で可視化するほか、ある言葉に対応する香りを導き出す機能も備えている。言葉を意識しながら香りを体験することで脳の左右両側を活性化し、新たな感性の気づきを促す効果があるとされている。この技術は、フレグランス分野にとどまらず、教育、飲食、購買体験などさまざまな領域での応用が期待されており、今後の展開に注目が集まっている。



