株式会社東京ドームは、東京藝術大学および同大学の芸術創造機構と連携して推進している「東京ドームシティ アートプロジェクト」の2025年度の取り組みとして、5月30日より初のデジタルアート作品の公開を開始した。舞台となるのは、東京ドームシティ セントラルパークに設置された長さ100メートル超の大型ビジョン「パークリボンビジョン」である。

このプロジェクトは、2022年より始動し、アートを通じて東京ドームシティの魅力を引き出すとともに、若手アーティストの活躍の場を創出することを目的としている。本年度は、注目の若手アーティスト3名による映像作品を3期に分けて上映する。各作品は、朝7時30分から夜10時59分までの間、毎時00分と30分に放映され、誰でも自由に鑑賞することができる。

第一弾として5月30日から10月までの期間に登場するのは、現代美術作家のユゥキユキ氏による映像作品である。静岡県出身のユゥキ氏は、東京藝術大学大学院を修了後、コスプレやアイドル、BLなどのオタク文化を題材に、現実と虚構、自己と他者といった境界を問い直す作品を発表し続けている。今回の作品では、東京ドームシティを訪れた個人的な記憶と「誕生日」をテーマに、温かくやさしい光のような映像表現を試みている。

ユゥキ氏は、「東京ドームシティは私にとって日常と非日常が交差する記憶の場所。誕生日にまつわるリサーチと制作の過程で、人を想うエネルギーの力強さを再認識しました。今日が誰かの誕生日かもしれないという想いを込めて、祝福の気持ちを作品に込めました」とコメントしている。

第二弾は2025年10月から2026年3月にかけて村山悟郎氏、第三弾は2026年3月から6月にかけて副島しのぶ氏による作品が予定されており、詳細は追って発表される。

このアートプロジェクトは、単なる作品展示にとどまらず、東京ドームシティという都市空間そのものをメディアとして活用し、アート文化の普及や社会的課題の解決、地域の活性化を目指している。企業と大学が連携して生み出す新たな文化のかたちに、今後も注目が集まる。

問い合わせは東京ドームシティ わくわくダイヤル(TEL:03-5800-9999)まで。公式サイトでも最新情報が確認できる。