2025年7月、大阪市のグランキューブ大阪にて、日韓国交正常化60周年を記念する国際アートフェア「Study × PLAS : Asia Art Fair」が開催される。開催期間は7月21日から23日までの3日間で、アジア各国から集結したアーティストとギャラリーによる展示を中心に、多彩な関連イベントが予定されている。
このアートフェアは、「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」の公式プログラムの一環として開催されるもので、2025年の大阪・関西万博との連動を図りながら、アジアの文化交流とクリエイティブ産業の発展を目的としている。主催は大阪関西国際芸術祭実行委員会(株式会社アートローグ)、共催は韓国・ソウルを拠点とするアートフェア「Plastic Art Seoul(PLAS)」が務める。
出展予定のギャラリーは、日本と韓国をはじめ、中国、台湾、インドネシア、南アフリカ、フランスなど、アジアを中心に60以上にのぼる。大阪・東京・福岡など日本各地のギャラリーの参加に加え、韓国・ソウルの著名ギャラリーも多数名を連ねる。出展ギャラリーやアーティストは今後さらに発表される予定で、アジアにおける新たな芸術経済圏の形成が期待されている。
フェアの会場は、大阪市北区の大阪国際会議場(グランキューブ大阪)の3階、10階、12階で、一般公開時間は各日11時から18時(最終日は16時まで)。プレス向けのプレビューは開催前日の7月20日に予定されている。
今回のアートフェアでは、展示だけでなく、創造性と社会課題の接点に光を当てる各種イベントが同時開催される。そのひとつが、ロート製薬の協賛による「サイエンス・アートアワード」である。科学技術と芸術表現の融合をテーマに、AIやバイオテクノロジー、映像、音響など先端分野を活用した新作プランを5組のファイナリストが展示し、最終審査を経て各賞が授与される。
また、芸術とビジネスの交差点を探る試みとして、スタートアップによるピッチイベント「StARTs UPs(スターツアップス)」も開催される。これは、文化芸術やまちづくりなどクリエイティブ・エコノミー分野に挑戦する企業を対象とし、アートローグ賞やスポンサー賞などが贈られる。ファイナリストには国内外から選ばれた企業が名を連ねており、4か月にわたるアクセラレーションプログラムを経て本番に臨む。
さらに、国際カンファレンス「Study Meeting:アート&インパクト、我々(地球)はどこへ行くのか(仮)」も開催される。芸術を核としつつ、アート・サイエンス・テクノロジー・人類学などの分野を横断する議論を通じて、未来社会のビジョンを描くことを目的とするもので、大学や研究機関と連携した議論の場となる。
「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」は、2025年4月から10月の万博会期と連動して、大阪府内の複数エリアで展覧会やイベントを展開している。本芸術祭は、アートを通じて社会課題へのアプローチを行う“ソーシャルインパクト”を主題とし、大阪から国際的な文化の発信を目指す。今回の「Study × PLAS : Asia Art Fair」はその象徴的な取り組みとして位置づけられている。
日韓の歴史的節目と万博開催の年が重なる2025年。アジアを中心とした国際的な芸術交流が大阪から始まろうとしている。芸術と社会、ビジネス、科学が交わるこのフェアは、未来を見据える文化創造の場として注目される。