日本の伝統工芸と現代のデジタルカルチャーが交差する注目のイベント「初音工房 KIMONO SHOW 2025 KYOTO」が、2025年6月21日から29日までの9日間、京都駅ビル特設会場を中心に開催される。主催は初音工房 KIMONO SHOW 2025 KYOTO 実行委員会と株式会社糸口で、公式アンバサダーにはバーチャル・シンガーの初音ミクが就任した。

本イベントは、日本文化の象徴とも言える工芸の魅力を再発見してもらうことを目的に企画された。若年層や海外からの観光客を対象に、日本の“ものづくり”文化の新たな魅力を広く発信する。会期中には、日本画家の冬奇氏が手がけたキービジュアルを軸に、京都市内の各所で様々な催しが展開される。

メインイベントとなるのは、6月28日に開催される「KIMONO SHOW」である。ここでは、京都の熟練職人と日本画家のコラボレーションにより制作された初音ミクの本格振袖が披露される。伝統技術と現代アートが融合したこの着物は、京都の老舗・藤井絞株式会社が制作を担当。絞り染めの高度な技法「京鹿の子絞り」や「疋田絞り」などが用いられ、見る者に強い印象を与えることは間違いない。

また、会場では工芸品や関連グッズの販売が行われるほか、京都市内を巡るスタンプラリーも実施される。指定の工芸店舗や観光スポットを訪れてスタンプを集めると、特典やグッズと交換できる。参加者は、初音ミクと共に京都の街に息づく伝統の技や美しさに触れながら、特別な体験を楽しめる。

さらに、着物の着付けを楽しく学べる音頭「はい、着物着ましょう！」の初音ミクバージョンも披露される。総合演出は着物演出家の三宅てる乃氏が務め、伝統とポップカルチャーを融合させたステージを創り上げる。三宅氏は、着物をより身近な存在として多くの人々に届けてきた第一人者であり、その柔軟な発想と演出力に注目が集まっている。

イベントの演出・振付は、ストリートダンス界で長年活躍する浦塚勝人氏が担当し、ダイナミックな演出が期待される。ヘアメイクにはハリウッドでも活躍する徳永優子氏や、美容家の長谷川清美氏が参加し、和洋の美しさを引き立てるスタイルを提案する。また、司会を務めるのは元讀賣テレビのアナウンサーであり、現在は和文化の普及にも尽力する植村なおみ氏である。

着付けは、京都きものファッション協会主催の三宅てる乃アカデミーが担当し、プロフェッショナルな技術を駆使して来場者に日本の装いの魅力を届ける。

この「初音工房 KIMONO SHOW」は、日本のものづくり文化が時代に適応しながら未来へと受け継がれていく様子を体感できる場となる。伝統の深みと現代の感性が響き合うこの機会に、工芸の美と可能性を体験してほしい。入場は無料で、開催は9日間。京都の夏に、新たな和の風景が広がる。