AI技術を活用して美容室の課題解決に挑むプロジェクトが始まった。株式会社OkojoAI(東京都板橋区、代表取締役:立浪祐貴)は、画像生成AIを用いたヘアスタイルカタログ画像生成サービスの開発を目指し、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」で資金調達を開始した。
このプロジェクトは、美容室にとって必要不可欠な「ヘアスタイルの参考画像」が十分に揃わないという課題を背景に立ち上げられた。特に中小規模のサロンでは、モデルを使った撮影にかかる費用や時間の制約から、独自のカタログを整備することが困難とされている。こうした状況を打開するため、専門的な知識がなくても使える画像生成ツールの開発が進められている。
OkojoAIの代表はAI研究者として国際会議でも実績を持ち、美容師との対話の中で現場のニーズに即したこの企画を構想した。美容室の専門用語を反映したAIモデルを開発することで、従来の画像生成AIでは表現が難しかったスタイルにも対応可能となる見通しだ。操作は直感的で、複雑な手順を踏まずに高品質な画像を生成できる設計が特徴となっている。
さらに、若年層だけでなくシニア層や多様な骨格・髪質を想定した画像バリエーションを準備することで、より幅広い顧客に対応できるようになる。また、SNSでの発信を意識した画像設計により、美容室の集客力向上も図られる。
代表の立浪氏は、「AI画像には人工的な印象がまだ残るが、将来的には自然で個人に合ったスタイルを提示できるよう品質向上を目指す」と語る。AIが美容師の仕事を奪うのではなく、限られたリソースの中でサロンの表現力を高める手段として共存を目指している点が、本プロジェクトの核心にある。
このツールは、サロンが独自に発信するSNSやコミュニケーションツールとしての活用も視野に入れており、AI生成画像であることを明示する仕組みも検討中だ。美容師と顧客のコミュニケーションをより豊かにし、双方の理想に近いスタイルの実現を支援することが、この取り組みの最終目標とされている。
株式会社OkojoAIは、「小さくても世界をときめかせる」という理念のもと、AI技術の研究と社会実装を進めてきた。今回の美容業界への挑戦は、同社にとって新たな一歩となる。クラウドファンディングを通じて、美容師や利用者の声を反映させながら、業界にとって真に価値のあるサービスづくりを進めていく構えだ。