米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)2025において、企業や広告会社が制作したブランディングを目的としたショートフィルム(ブランデッドムービー)の祭典「BRANDED SHORTS」がプロジェクト発足から10周年迎える。
テレビCMからソーシャルメディアへの過渡期を経て、国内外のブランデッドムービーはどう発展してきたか、変わらず根底にあるストーリーテリング、時代と共に変遷してきた技術や表現方法。映画祭では歴代受賞作品と共に10年を振り返るとともに、現代を象徴する縦型ショートフィルムの「今」や、社会課題を解決する手法としてのご当地映像など、現在の潮流を深堀り考察するセミナーイベントの開催、そして、次の10年、未来のブランデッドムービーへの展望として、新たにソーシャルメディアから個人のブランディングを発信する視点「パーソナルブランディング」をキーワードにした取り組みをスタートすることを発表する。
さらに、6月4日(水)にはBRANDED SHORTS 2025セレモニーも開催。ガイ・リッチー監督によるIBFヘビー級タイトルマッチのプロモーションムービーを含むインターナショナル部門、YOASOBIとSNSで話題のVaundyのコラボが織りなすマクドナルドの作品を含むナショナル部門、さかなクンの絵本から生まれた作品を含む観光映像大賞やアレクサンダー・ペイン監督×ポール・ジアマッティにょる感動ドラマを含む、人事・採用につながるHR部門など、メッセージを伝えるべく制作された日本、世界の多種多様なノミネート作品の中から、今年のブランデッドムービーのベストオブベストが6名の審査員とともに発表、表彰される。
Branded Shorts 2025 審査員
審査員長 高崎卓馬(クリエイティブ・ディレクター)
1969年 福岡県生まれ早稲田大学法学部卒業後、電通入社。2025年独立し、株)WRITING&DESIGNを設立。2024年、3度目のクリエーター・オブ・ザ・イヤーを受賞、など国内外の広告賞、受賞多数。映画「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)では企画・脚本・プロデュースを担当し、役所広司氏がカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。米国アカデミー賞国際長編ノミネート。著書に小泉今日子の親衛隊の少年たちの青春を描いた小説「オートリバース 」や広告スキルをまとめた「表現の技術」、絵本「まっくろ」「ともだちの木」などがある。J-WAVEでは、毎週金曜深夜「BITS &BOBS TOKYO」MCを担当。
奥山大史(映画監督、SIX inc. / CMディレクター)
長編初監督作『僕はイエス様が嫌い』で第66回サンセバスチャン国際映画祭最優秀新人監督賞を受賞。その後、Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』では5,6,7話の演出を担当。2021年にはHERMÈSのブランデッドムービー『HUMAN ODYSSEY』の総監督に抜擢。2023年には米津玄師「地球儀」MVの監督・撮影・編集を手がけ、2025年の米津玄師「BOW AND ARROW」MVでは、羽生結弦の並走撮影を担当。最新作『ぼくのお日さま』は、第77回カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式出品され、日本やフランスをはじめとする18カ国で劇場公開された。
木村健太郎
(博報堂 執行役員インターナショナルチーフクリエイティブオフィサー博報堂ケトル ファウンダー)
博報堂にて戦略からエグゼキューションまでを統合して作り上げるスタイルを開発し、2006年に博報堂ケトルを設立。共同CEO兼ECDとして革新的なキャンペーンやブランデッドコンテンツを量産する。2017年からは博報堂本社のグローバルビジネスをリードするインターナショナルチーフクリエイティブオフィサーとして世界各国を飛び回っている。国内外の広告賞では10のグランプリを含む150を超える受賞歴を持ち、約40回の国際広告賞審査経験を持つ。2024年はカンヌライオンズデジタルクラフト部門審査員長、2025年はチタニウム部門審査員を務める。共著に「ブレークスルー ひらめきはロジックから生まれる」。
森下郁恵 (株式会社宣伝会議「ブレーン」編集長)
2004年株式会社宣伝会議入社。「宣伝会議」編集部などを経て、2014年「広報会議」編集長。2020年から現職。2019~2024年厚生労働省「年金広報検討会」委員、2020年「全世代型社会保障に関する広報の在り方会議」委員、2023年復興庁「持続可能な復興広報を考える検討会議」委員などを務める。
山戸結希 (映画監督)
2014年、日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞。2016年、映画『溺れるナイフ』が60万人以上を動員し、20代女性の監督作品において前例のない興行記録となる。2019年、TAMA映画賞最優秀新進監督賞を受賞。2021年、ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』にて、初のテレビドラマのシリーズ構成、監督を務める。RADWIMPS、乃木坂46、Aimer、back numberら多数アーティストのミュージックビデオの映像監督を務め、大手企業の広告映像も手掛ける。最新作は、NHKドラマ『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ』『燕は戻ってこない』などの演出を務める。
余頃沙貴 (ワンメディア株式会社 取締役COO)
東京大学卒業後、LINE株式会社でブランドマーケティング支援に従事。2021年にワンメディアに参画し、ショート動画スタジオ事業を立ち上げる。2022年に取締役、2024年よりCOOに就任。TikTok for Business Japan Awards 2024「Best UGC Driver部門」受賞、YouTube Works Awards Japan 2024「Creative Effectiveness部門」「Force for Good部門」ファイナリスト。SNS・ショート動画領域におけるクリエイティブ戦略を専門とする。
BRANDED SHORTS 2025 ノミネート作品(抜粋)
今年のノミネート作品は5月29日(木)~6月10日(火)のSSFF & ASIA 2025 コンペティションプログラムの中で上映されるとともに、5月28日(水)~6月30日(月)の期間、オンライングランドシアターでも配信されます。
インターナショナル部門 (抜粋)
『その拳が語るもの(Touching Hands)』
監督:Guy Ritchie/UK / 3:53 /広告主:Riyadh Season
リヤドシーズン2024で開催されたダニエル・デュボアとアンソニー・ジョシュアによるIBFヘビー級タイトルマッチのプロモーションのため制作された本作。ガイ・リッチー監督により描かれるドラマでは、名だたる英国のボクサーたちが、生死の境から生還し、リングの上で敵に復讐の拳を叩き込む。
『ルイス・ハミルトンの軌跡(“Push, Push” with Lewis Hamilton)』
監督:J.M. Harper/USA / 11:14 / 広告主:WhatsApp
7度ものF1チャンピオン優勝という偉業を叶えたルイス・ハミルトンが、彼がこれまでの道のりで学んだ教訓をティーンたちに話す。幼少期、読字障害やいじめという現実からゴーカートに逃げ場を見出し、やがて世界の舞台で自分の居場所を見つけていく。そして約3年間勝利から遠かった後も再び頂点を目指し戦い抜いた彼の姿は一つの大切なメッセージを伝えている——どこを目指していようと、「一緒に進めば」必ずたどり着ける。
ナショナル部門 (抜粋)
『Midnight』
監督:三池崇史/日本/ 19:12/広告主:Apple
「夜はいろいろな顔を持っている。その顔をひとつひとつのぞいていく男がいる。その名をミッドナイト。」
元暴走族のリーダーで現在はタクシー運転手のミッドナイトは、ある夜、逃走中の若きトラック運転手・カエデと出会う。彼女を追うのは、冷酷な暗殺者とその相棒である狂気的なパペット。彼らは、かつて彼女の父を葬ったように、カエデも“消す”よう依頼されていた。だが、カエデは父が遺した自分の縄張りを手放すつもりも、黙って引き下がるつもりもない。ミッドナイトは自分の命も危険に晒しながら、彼女の逃走に手を貸すことに。
ネオン輝く東京の街を舞台に、ハイスピードなカーチェイスが幕を開ける。タイヤが鳴り響き、エンジンが吠える中、容赦なく迫り来る敵。しかし、ミッドナイトには秘密兵器があった。それは、彼のタクシーに隠された「第5の車輪」──。
観光映像大賞 (抜粋)
『ハコフグとみなまたの海』
監督:稲葉卓也/日本/18:40/熊本県
ハコフグは自分に自信を持てず、いつもひとり岩場で他の魚を眺めては羨ましがってばかり。「みんなはいいなあ。ボクは毎日この岩場で同じところをプカプカ行ったり来たりするだけ…」 そんなある日、みなまたの海からやってきたという迷子のヒメタツと出会い、 はじめての冒険に出ることに… さかなクンの絵本「ハコフグのねがい」(講談社)を原作に、生き物の多様性や自己肯定、環境問題をテーマとした短編アニメーション。
HR部門 (抜粋)
『再生への軌跡(Everyone Loves a Comeback)』
監督:Alexander Payne/アメリカ/2:14/Montefiore Einstein
ある午後、ニューヨークのダイナー。
俳優ポール・ジアマッティはテーブルを囲む友人たちに、とっておきの “カムバック・ストーリー” を語り始める。
主人公は、ごく普通の下町で暮らす男。重い肺疾患により生死の境へ追い込まれ、移植以外に助かる道は残されていなかった――。
そこへ現れたのが、モンテフィオーレ・アインシュタイン医療センター。新しい肺を授かった彼は一命を取り留めただけでなく、かつてよりも力強く人生を歩み出す。
BRANDED SHORTS 2025 ― 10周年、そして未来へ
10周年を迎える「BRANDED SHORTS 2025」は、「10年の歩み、現在地、そして未来図」をテーマに、6月3日(火)、4日(水) の2日間にわたり、東京・赤坂インターシティコンファレンスにて開催します。Branded Shorts of the Yearをはじめ、今年の受賞作品を発表するセレモニー、特別上映会やセミナーも実施します。さらに、会場にはクリエイターや自治体・企業が参加するミートアップブースも登場し、新たな出会いやコラボレーションのきっかけがきっと見つかるはずです。これまでの軌跡を振り返りながら、これからの可能性を探る2日間。どうぞご期待ください。
サステナブルな地域づくりに向けた映像活用テクニック
6月3日(火) 13:00-14:30
世界的なSDGsの取り組みと共に、観光産業を通しても「持続可能な観光=サステナブルツーリズム」という考えが拡がり始めています。本イベントは、2020年に日本版持続可能な観光ガイドライン策定の座長を務められ、現在PATA(太平洋アジア旅行協会)理事でもある和歌山大学 観光学部の加藤久美教授をゲストに迎え、東日本大震災から15年、熊本地震から10年となる2026年を前に、「オーバーツーリズム」「風評被害」といった地域が抱える問題や課題とその解決に向けた「ご当地映像」をケーススタディする事で、サステナブルツーリズムに繋がる新たな地域ブランディング手法を見出します。イベントのモデレーターは、映画祭代表で観光庁 VISIT JAPAN 大使の別所哲也が務めます。映像クリエイターや地域プロモーションのご担当者はぜひご参加ください。
BRANDED SHORTS × FUTURE〜縦型ショートフィルムにおけるブランディングメソッド〜
6月3日(火) 15:00-16:30
TikTokやInstagram Reels、YouTube Shortsといった縦型動画プラットフォームでのショートドラマやショートフィルムにおける、企業・自治体とのタイアップ事例や戦略を深掘りし、今後のブランデッドムービー制作の道標を探るトークイベント。
●制作時間ではなく設計時間に投資せよ
●ショート動画クリエイティブのリアル・ショート動画成功の鍵:完結するストーリーより、余白設計を
●視聴者を”界隈”として捉え、ユーザーのお作法を守るタイアップとは
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000292.000037516.html
https://www.shortshorts.org/2025/branded-shorts/