ソフトバンク株式会社の子会社であるヘルスケアテクノロジーズ株式会社は、クリエイター支援事業を展開する株式会社クリエイターズマッチに対し、24時間365日医療者のサポートを受けられるヘルスケアアプリ「HELPO(ヘルポ)」の提供を開始した。これにより、同社が展開するフリーランス向け福利厚生サービスにおいて、健康や医療への不安を軽減し、経済的負担を抑える取り組みが本格化する。
クリエイターズマッチは、国内最大級の広告制作支援ツール「AdFlow(アドフロー)」を提供するほか、16万人以上のクリエイターを支援するプラットフォームを運営している。登録クリエイターの多くはフリーランスとして活動しており、会社員と異なり福利厚生が手薄であることから、健康リスクへの対策が課題となっていた。
こうした状況を受け、クリエイターズマッチは自社の支援プログラムに「HELPO」を導入することで、登録クリエイターに対しオンラインでの医療相談や診療予約、処方薬の受け取りまでを一括して提供可能な環境を整備する。これにより、未病段階での早期対応が可能となり、業務に支障をきたす前の対処が実現される。また、病気やけがで一時的に休業を余儀なくされた場合にも、「HELPO」を通じて迅速なサポートを受けることで、収入途絶のリスクを抑える効果が期待されている。
背景には、近年の働き方の多様化がある。新型コロナウイルスの影響によりリモートワークが普及し、それに伴いフリーランス人口も増加している。一方で、フリーランスは雇用契約に基づく福利厚生の対象外であり、健康リスクへの備えが不十分とされてきた。内閣官房日本経済再生総合事務局の2020年の調査によれば、フリーランスの約2割が業務を起因とする病気やけがを経験しており、医療支援の必要性が浮き彫りとなっている。
ヘルスケアテクノロジーズが開発・提供する「HELPO」は、医師・看護師・薬剤師による医療専門チームが常時対応する健康医療相談機能や、スマートフォンで完結するオンライン診療機能を備え、日常の体調不良や心身の不安への迅速な対応を可能とする。こうした機能が、クリエイターの創作活動を支える基盤として期待されている。
ヘルスケアテクノロジーズは、ソフトバンクによって設立された医療DX推進企業であり、「HELPO」などのサービスを通じて、日本の医療課題の解決と人々の健康促進に取り組んでいる。今回の提携により、フリーランスが安心して働き続けられる環境整備が一歩前進したといえる。