大阪市に本社を構えるヴァンパイア株式会社(代表取締役:加藤洋平)は、社員の創作意欲や挑戦心を後押しする新プロジェクト「ヴァンパイアアーカイブス」の立ち上げを発表した。この取り組みは、漫画やゲーム制作といったクリエイティブな分野を中心に、自社発信のコンテンツを発表していくプラットフォームとして始動する。

ヴァンパイア株式会社は、「魂の叫びを無視しない世界」というビジョンと、「より多くの夢を実現する」というミッションを掲げ、これまで主に受託制作を手がけてきた。しかし社内では、「自分の作品を発表したい」「ゲームを一から作りたい」といった声が以前から多く寄せられており、そうした声を受けて、社員が自由にアイデアを実現できる場として本プロジェクトの立ち上げを決定した。

「ヴァンパイアアーカイブス」は社内のスタッフのみならず、社外からの参加者にも門戸を開き、共に創作に取り組むことを目指している。現在は、自社が運営するCafe & BAR「ヴァンパイアサイド」を舞台としたコミカライズ企画をはじめ、漫画やゲームなど複数のオリジナル作品を開発中だ。代表の加藤が原作を務め、フリーランスのイラストレーター・蒼鷹が描く漫画「ヴァンパイアサイド」では、悩みや秘密を抱えた人々が集う不思議な店を舞台に、人間模様を描く。また、「ヴァンパイアのかとう」原作、「コニ」作画による漫画作品や、吸血鬼のゲイバーを舞台とするゲーム「ソドミーファタール」など、個性あふれるプロジェクトが進行している。

このような創作活動の推進と並行して、ヴァンパイアでは社員の多様な働き方を支える体制も整えている。同業を含む副業を認める制度や、月単位でのフレックスタイム制の導入により、社員は自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができる。子育て中の社員が木曜日を固定休にするため就業規則を変更した事例もあり、形式にとらわれない柔軟な組織運営がなされている。

また、精神的な疾患や発達障害を持つ人にも積極的に雇用の機会を提供しており、うつ病や障害者手帳を持つ人材の雇用実績もある。それぞれの特性を活かした役割設計を行うことで、無理のない形での活躍を支えている。

加藤代表は、「会社という組織の“型”に無理に合わせる必要はない。自分を律することができれば、自由に働ける方が生産性も高い」と語る。朝礼に自分一人しかいない日もあると笑うが、それぞれの得意分野を活かすことで、機会損失を減らし、生産性の向上にもつながっていると手応えを感じている。

社員の「やりたい」を尊重し、形にするヴァンパイア株式会社の挑戦は、今後の働き方やクリエイティブ業界に一石を投じるものとなりそうだ。