さる2023年2月16日、クリーク・アンド・リバー社デジタルコンテンツ・グループ主催にてオンラインイベント「TA Night テクニカルアーティストの採用・育成」を実施しました。

このイベントでは、ゲーム開発現場では隠れた存在…とはもはや言えなくなった、むしろ絶対不可欠なポジションと言える「テクニカルアーティスト」の採用、育成に関するオンラインのニッチかつ非常に有意義なパネルディスカッションです。

今回パネラーとしてご登場いただいたのは、株式会社セガの麓氏、株式会社バンダイナムコスタジオ(BNS)の沼上氏、そして株式会社クリーク・アンド・リバー社(C&R社)山本の三名です。いずれもテクニカルアーティスト(TA)として、業界にその名を轟かしてきた猛者だけに、時間も押し押しになるほどの情報ボリューム、そして非常に貴重な発信の場となりました。本ページでは、TA Nightにおけるそれぞれのパネラーからの見解・発言などについてコンパクトにまとめ、かつ出来る限り再現していきます。

参加パネラー

麓 一博(ふもと かづひろ) 氏

株式会社セガ ゲームコンテンツ&サービス事業本部
第3事業部 オンライン研究開発プログラム2部
テクニカルサポートセクション マネージャー
1998年、一般のデザイナーとしてセガ・エンタープライゼス(当時)に入社。しばらくは部門横断のTAとして遊撃手をこなしていたが、現在はひとつの事業部のエンジニアTAとデザイナーTAが混ざるセクションのマネージャーを担っている。
https://www.sega.co.jp/

沼上 広志(ぬまかみ ひろし)氏

株式会社バンダイナムコスタジオ
技術スタジオTECセクション テクニカルディレクター
1995年ナムコ(当時)に入社、現在はTECセクションに所属。TECセクションはエンジニア寄りのTAが集まる部署で、並列部署としてTAセクションも並ぶ(今日は主にTECセクションについてのお話をいただきます)。
https://www.bandainamcostudios.com/

山本 智人(やまもと ともひと)氏

株式会社クリーク・アンド・リバー社
デジタルコンテンツ・グループ COYOTE 3DCG STUDIO TAチーム リーダー
元々はゲーム開発会社でグラフィッカーとしてグラフィック全般に従事しながら、業務効率化などを進めているうちにTA的業務も並行。 弊社転職後、正式にTAとして転身。

以下敬称略

トークテーマ1「採用」

①”うちの”採用活動ー採用に関わり始めた経緯、やったこと、その成果などについて

麓:TAについては、社内ニーズも高く、常に中途採用で募集をしております。デザイナーとプログラマーのTAに分けて募集しており、より専門特化した領域のスキルを持った方の応募につながるようにしております。私の方は、採用活動の場において、カジュアル面談でお会いさせていただき、ざっくばらんにセガにおけるTAの魅力を技術的な取り組みを含めてお話させていただくこともあります。

SEGA・麓氏
SEGA・麓氏


沼上:バンダイナムコスタジオでは、TAを他の職種と分け、専門職種として採用活動を行っておりまして、TEC/TAセクションに対する募集として明確かつ具体的にフォーカスしています。(※ビジュアルアーティスト寄りのTAも採用していますが、今回お話しているのはTECセクションに関する採用についてです。)弊社では以前よりTAの手が足りていないのが現状です。そこで、数年前より弊社人事と協力して採用活動をしています。より活発化させるためには、特殊性の高いTECセクションの業務や必要性の理解が重要なので、社外だけでなく社内にも積極的にアピールしなければいけないと考えています。TAという職種の魅力を周知していく必要があるかなと。

BNS・沼上氏
BNS・沼上氏


山本:現在C&R社ではTAとしてのメンバーは20~30名ほど在籍していますが、初めは私一人しかいませんでした。またTAという職種の括りでの募集も行っていませんでした。10年くらい前まではTAという職種は認知がまだ行き届いていませんでしたが、デザイナーやエンジニアなどの現場間をつなぐ、橋渡し的な役割としての必要性はありましたね。当時グラフィッカーだった私が、グラフィック分野から次第に裏方的なワークとしてTA分野にシフトして、TAという専門職として拡大させていきました。

現在は幅広いフィールドのTAを募集していますが、仕事内容はTAのスキルや仕事の分野ごとに臨機応変で多岐にわたるため、TAのジョブ内容は限定的ではありません。また、2021のCEDECで登壇させていただいた際にお伝えした内容としては、TAは一言ではまとめにくいので、スキルレーダーチャート(参照:円形グラフ)にまとめ、視覚的にも分かりやすく細分化しているといったことなどでした。必要要件を具体的に出して、分かりやすく募集するようにしています。

C&R社・山本氏
C&R社・山本氏


②募集文言どうしてる?ーTAに求められる資質をどのように説明しているか(コミュニケーション、ホスピタリティ…etc.)

沼上:新卒/中途で人材の印象もかなり変わってきていると感じます(バンダイナムコスタジオではTECセクションの新卒はここ2年で1名ずつ入っています)。TAに特化したワードは使わないようにしています。「エンジニア」と明確に書かれていると、安心して応募できるようです。
キャリア採用では、さらに「TA=パイプライン/ワークフローエンジニア」といったように細分化して取り扱っていますが…通じているかな?(笑)求められる資質としては、TAという職種には厳しい判断力が求められることが多いため、いかに開発の現状をかみ砕いてまとめ、アーティストやエンジニアなどとスムーズなやり取りが出来るかという度量の大きさが求められます。またコミュニケーション能力の高さも求められます。ただコミュニケーション能力と言っても単なるお喋り好きでなれるものではないですし、交渉力や調整力が高いなど一言では表せず様々な要素が求められますよね。

山本:募集文言は一言ではなかなか表しにくいですよね。TAの募集要項としてはざっくりしていますが、待される素養には幅広いものがあります。たとえば、MAYAやPython、melの経験、リギングセットアップ、またはMAYA以外のツールが使えるなど様々です。開発フローをより細分化して考えることができたりとか。例としては様々で、リガー系であれば骨入れ、リギング、DG濃度の知識や調整、モーション系であればアニメーション、グラフィック、シミュレーションなど様々な理解が必要です。また、傾聴・ヒアリング能力、問題解決能力も必要になります。
TAにはロジカルな手段が求められるなど、様々な点でロジック/ロジカルシンキングが必要とされます。そのためのベースにはまずお互いの共感を呼ぶ力、手段選定のためのプランニング能力もまた必要だと感じています。

麓:各社互いに募集文言を見ながらやっていることが多いかなと(笑)。セガでは需要の高まりなども考慮して、デザイナーの下に続く形としてTAの職種紹介・募集要項を出しています。技術面に精通したデザイナーの仕事で近年需要が高まっている表現・技術両面の理解知識をもってモーションリグ、シェーダー、スクリプト、ツール類などを作成、効率的なワークフローの提案、さらに高いクオリティを伴う交渉、折衝力などです。
性格面については敢えて触れませんが、細かな事に気が付く人、書いていることが分かる人、思いやりのある人など…これらをもっと上手くまとめられたらいいなあ…良いセンテンス、募集してます(笑)。また、こういう場でのTAのアピールがますます必要だと思っています。キャリアのある方なら、TAとしての役割が分かるから、伝わる部分はあるのですが。

山本:間に立った穴埋めの仕事…と言うとかなり雑ですが、ものによっては「雑用仕事」に近いアクションもあったりすると思います。決して雑用係ではないのですが。TAとは説明が一言では言いにくい難しい仕事ということでしょう。募集要項も出しつつ、TAそのものの啓蒙活動を継続的に行っていくことがまだまだ必要ですね。

③TAという職種・仕事とは?

山本:これも一言では語れません(笑)。それぞれ専門得意分野がありますが、うちではチームとしてスキルレーダーチャートで中長期的にバランスよい形になることがひとつの理想型ではないかとって取り組んでいます。うちのチームにも、モデリング、セットアップ、モーション、エフェクト、VFX、描画、パイプライン、2D、プログラミング分野…それぞれ得意分野があり、精通しているTAが在籍し仕事を受けている形です。
また、アーティスト補助…MAYA、一部Unityなどへの便利ツールを作って提供しています。描画系であれば、ほしい絵作り(シェーダーなどのグラフィック表現)についてまとめるなど。TAは「ディレクターの考えるイメージを実現させるためには?」に対し、ヒントや答えを提供します。たとえば「PSO2」のキャラクリエイトに対するオーダーの体系化、実装への考えを凝らしヒントを提供することなどです。アート&PGの中間のような存在、かといって、必ずしもプログラミングが出来ないとTAになれないとは限りません。PGも武器の一つで、他の手段で解決出来ればOKです。骨入れやウェイトにはそこまでプログラミングを必要としているわけでもありません。TAとは「問題解決の人」です。

麓:私もスキルレーダーチャートの概念(総合的に丸くしていく)に同意ですね。TAにはある程度の専門性が必要になります。リガーなら、アニメーション作りが基盤となって、どういうリグだったら使いやすいかを絶えず考える人です。セットアップツールなどもスクリプティング以上のプログラミング経験が必要になってきます。データ管理のためのアプリケーションづくりでは、プログラマー的な動きとか。様々な特徴を掴んで即応できる機敏さ、特殊性など。
横の連携でそれらをまとめ上げて丸くしていく、チームとしてあたっていく…個人よりもクラスターといった概念ですね。一言で表しにくいのもTAならではではないかと思います。

沼上:お二人に同意です。その上でBNS・TECセクションでは、根っこの部分にアセットパイプラインの整備といった主目的があります。PJ立ち上げ→モデルづくり→テクスチャ構成→どこにどう渡す→どうエクスポート(足りないところにさらにどうツール作成して補うか)→Perforce管理・メンテナンス、アクセスツール作成など、一通りをつなぐ役割を果たします。抜けもあるし、既存ではないものも出てきます。足りないものを考えて構成させます。必ずしも自分でやるのではなく、いかに誰かに依頼できるか、ルールを作れるか、いかに開発データがきれいに流れるか、ですね。
アーティストよりはプログラムの知識も必要だけど、エンジニアほどではありません。開発チーム全体を円滑に回していけるようにするのがTAの仕事です。新卒TAは弊社TEC関連の記事から興味をもってエンジニアとして入社してくることが多く、開発効率を上げるTAという仕事に対し、使命感を持つ人が増えてきていると感じています。

④新卒採用はどうしているかー新卒TAってどこからくるの?

麓:まずは大まかですが、デザイナー、プログラマー、企画の職種3本柱から素養、志向が向いているエンジニアを見つけます。そこから適性のある人に、TAとしての仕事をアサインして育成していきます。ここ数年では数名程度のプログラマーをそのような形で育成を進めています。学習→成長というスタンスですが、そろそろセガも「新卒からの生え抜きTA」を発掘、育成してもいいかもしれないと考えていますね。

沼上:今日では、美大や大学などの教育機関でもTAへの理解が進み、ゲーム開発現場におけるTAの存在認識が深まっています。そういうところと現場がさらにつながってくることを期待したいですね。新卒TA社員に聞いてみると、応募したきっかけが「就職イベント等で担当と話していたらTAを推され、そのままTAを目指す→採用」なんてパターンもあります。「募集職種=TA/エンジニア」となっていて、エンジニアの文字があることで応募しやすかったなどの事例もあります。
新卒にとっては、まだまだWebなどでは収集できる情報が限られているでしょう。TAというニッチな職種に対し、何かしら引っ掛かるような機会が必要であると思っています。応募のきっかけも徐々に多様になってはいますが、やはり露出の機会をいかに増やしていけるかがカギでしょう。Web記事などもより増やしていきたいですね。

麓:記事から自分のやりたい仕事を見つける→PG入社→TAになった若手社員がいます。所信表明で「セガの全ての開発効率を50%向上させる」なんて言い切っていたりとか。ああ、この子はTAという職業を分かっているんだなと(笑)。

山本:現在ではTAになりたい学生には面談を行ったりしています。数年前までは新卒TAという存在はなく、そもそも認知もなく(TAは新卒がなる職業ではないといった認識)、様々な開発経験を積んだアーティストやプログラミング経験者が開発現場のニーズに合わせて結果的にTAに転身するパターンが圧倒的でした。でも最近は、TAそのものに対する認知度が向上しています。「TAへの憧れ」「TAのプロになりたい」といった学生からのアプローチ、応募が増えてきている、という嬉しい感覚がありますね。

⑤ポートフォリオはどうしたらいいのか?ーポジションによっても異なるのか、何が正解か

沼上:エンジニア寄りのTAであれば、アーティストとしてのスキルをアピールするためのポートフォリオは必須ではないです。素敵な絵ではなく、過程を知りたいですね。TAになりたいのであれば、その根拠や事由について説明できるツール作成資料などがほしいです。絵だけではなくこれらを明示してほしいですね。TAはデザイナーではないですから。とにかく工夫が求められます。資料としてソースコードがあったとしても「なぜそれを書いたのか?」というバックグラウンドがはるかに重要です。

山本:広いので、まとめるのが難しいですね。ポートフォリオというか要点として「どういう内容?どんな工夫をしている?」ということをうまく伝える工夫が必要になります。グラフィック系(アーティスト系)であるなら、絵を描けることへのアピールも大事です。3Dモデルやモーション、シェーダーなどといったものであれば、例えば sketchfabといったサービスなどをうまく使って、3Dで見せる工夫なども重要ですね。出力をする上での工夫はもちろんですが、うまくまとめたものに対する説明もまた必要です。ツール・パイプライン系では、「どういったツールを作ったのか?」「どのようなアクションをしたのか?」ということが知りたいですが、単なるソースコードでは見にくいし直ぐに分かりません。Unreal Engineのマーケとプレイスで見られるようなプラグインなどのオーバービュー動画など、わかりやすい説明方法のいい例だと思います。ソースコードも単に全文プリントしたものを添付するのではなく、GitHubにソースコードを公開しておく、などの工夫があるといいと思います。

TAはいかにして相手に伝えられるかが特に大事ですから。工夫した結果として、印刷した書面ではなく、URLを貼り付けるなどしたものが多いですね。面白いものでは、Unityを使用してゲーム仕立てのポートフォリオを提示していた例などもありました。

麓:沼上氏や山本氏とほぼ共通している見解です。アート系TAもPG系TAも「どんなツールを使ってどんな工夫しているか?」それを見たいですね。ツールの動作マニュアルとか。自分が使うわけではありません。開発現場の多くのアーティストが分かりやすく使えているか?それらをポートフォリオに埋め込むことが出来るのであれば、素晴らしいTAになれると思います。「いかに自分の意図を相手に伝えられるか」がとにかく大事なことだと思います。

トークテーマ2「育成」

①TA育成あるあるーバディ制、必修書籍…etc

山本:バディ制であるとするなら、理想的なのは先輩TAにくっついて一緒に仕事していくことでしょう。効果高くチームとして継続してやっているのがPG系の「モブプロ」がオススメです。たとえば、Pythonコーディングなどを覚えていく新人育成には打ってつけです。2人1組で一つのプログラミングを進めます。ナビゲーター(猛者)とドライバー(新人)に分かれ、ナビゲーターが処理の設計をして、後ろから指示します。それに対しドライバーがひたすら手を動かします。そうすることで、ナビゲーターの技術をドライバーが実践的に覚えていくことが出来るようになります。

沼上:正直なところ、あるあるとしての事例がないかもしれません。昔であればPJに放り込まれ、そのまま叩き上げでのし上がるしかありませんでしたが、今はその頃に比べればシステマティックにはなりました。とはいえ、まだまだ規模的に余裕がなく試行錯誤中です。OJTとしてテーマを決めてどんなツールが必要かを話し合い、アーティストに協力を仰ぎながら進めるなど…ですかね。また、テレワーク環境では業務の特徴的にも正直ちょっとやりづらい部分もありますが、そこは工夫しながらやるしかないでしょうね(編集注・イベント開催の2月当時に比べると現在の情勢はアフターコロナに移行してきているので、職場環境は変わってきているかもしれません)。

麓:テレワーク環境での話に付随しますが、チャットでシェーダーについての計算式などについて教えるようなことがありました。本当はその場でノートやメモなどで見せたりする方が効率が良いのですが、そういうこともありますね。バディ制でいえば、アーティスト系TAとPG系TA、互いに良い方向に持っていけるという目的のもと、それぞれ組ませて相互補完する手法なども行っています。

②アート系/プログラム系 育成の違い

沼上:エンジニア系TAの育成として、エンジニア・PG系の作業はOJTがありますが、アート系の作業はOJTがないんですよね。本当はアート系の仕事も経験してほしいところはあります。私はかつてイレギュラーでムービー制作に従事したこともありましたが、今はそういう時代でもないですし。ただ何らかの形で、そのような機会を持てたらなあとは考えています。

山本:大きな差としては、PG系は正解が明確にあることですね。技術として大事なことはルールや数学的知識だったりするので、結果もはっきりしています。基本的に結論が決まっているため、そこにいかに導けるかになります。一方でアート系は正解がありません。「骨をどう入れるか?」だけをとっても、人の数だけそれぞれ変わってきます。そこが一定の難しい点ではあります。答えは一つではありませんが、複数出すことができます。そこもまた面白いところではあります。

麓:PG系なら、研修期間中などでMAYAを用いてモデリングしてもらうなどですね。アート系は逆に数学的知識をもってもらうといったこととか。それぞれを掛け合わせてみると良いと考えています。

③キャリアパスージェネラリストorスペシャリスト論

麓:お手本になっている先輩など大いに参考にしてほしいと思います。私も先輩の背中を見てきましたし、示していきたいと思っています。伝統的な会社には昔からそういうベテラン勢がいます。TAはまだまだ業界にとっても希少種です。それだけに会社を横断した交流会などに積極的に参加して交流を深めておくとよいでしょう。刺激とチャンスになりますから。勉強やキャリア形成のチャンスは出来るだけ拾えるようにしておくとよいですよ。

沼上:大学の先生になる人もいます。ジェネラリストTAは、キャリアを重ねることでゲーム開発現場ではより広い範囲を見渡せるようになり、次第に自分の組織以外の仕事も理解していくことでポジションアップしていく人もいます。私の上司もそうだったりします。また、アート系TAからエンジニア系TAへとシフトする人も多くいますよ。どちらにしても努力次第ですが、希望するキャリアパスを目指せます。

山本:ジェネラリストかスペシャリストになるかということについては、短期・長期に対する構え方で変わってくると思います。結論的にはなりたい方を目指していけばよいでしょう。シェーダーやリグひとつを取っても奥が深いですし、3D計算を究めるのもよいと思います。突き詰めていき、業界に不可欠な「尖った人材」を目指せばハッピーになれるでしょう。また、広く網羅して未知の領域に入って知見を広げていくジェネラリストを目指すのも面白いです。
長期的に見てもTAという仕事はとても魅力的です。現在の技術的にゲーム映像系では未熟な部分はまだまだ多いですが、それだけに未来はもっと明るくなるでしょう。たとえば、Aという新しい問題とBという問題をつなげることができる知見や発想を活かす…こういったことはTAでしか成しえないことだったりします。経験が合わさり新たな力になります。そういった意味において、TAという仕事は非常に魅力に溢れていると思います。

まとめ・Q&A

Q:採用でテストはやっているの?

A:やっています(麓/沼上)。先ほどの話で出たポートフォリオの提出とは別で、エンジニア系TAはオンライン実技試験を行っています(沼上)。

Q:新卒で求められるTAのレベルとはどのようなものでしょうか?

A:応募側からすれば、TAという仕事をやったことがない人は多いはず…というか圧倒的では?採用側としてもTAの経験を期待しているわけではありません。ただ、たとえば大学の研究室やサークル活動などでのゲーム・映像制作などでのツール作成経験、制作効率や生産性アップに関してモチベーションアップにつながったような経験はプラスになります。(沼上)。


開催時刻19時からパネルディスカッションは、全体で予定終了時刻を越える20:10過ぎまで行われ非常に盛り上がりました。また本セッション後も引き続きオンラインにて交流会が催され、各パネラーと参加者との間で様々な意見交換がなされるなど、大いに盛り上がりました。TAはゲーム制作現場における要となる仕事であることへの理解は益々進んでおり、本イベントとしての意義は十分に有するものと思われます。今後も弊社としてはTAの理解普及に努めるべく、イベント開催を積極的に行ってまいります。