日々、仕事のスキルアップや転職活動に勤しむクリエイターの皆様、お疲れ様です…!え?休日もポートフォリオの修正に追われている?転職活動に疲れたら息抜きに、都内の変わっている居酒屋を探訪してみませんか…?

今回、CREATIVE VILLAGE編集部ではクリエイターの方に日ごろの疲れを取っていただきたいと思い、非日常空間を味わえるオモシロ居酒屋を取材してきました!
都内にここまで突出した個性のある居酒屋が存在することをを皆さんはご存知ですか…?

 

変ちくりんを追求した新橋が誇る居酒屋テーマパーク「かがや」

 

かがやはJR新橋駅、烏森口から歩いて徒歩3分ほどの場所にあります。地下にあるので最初は分かりにくいかもしれませんが、動物のモチーフが目印の「かがや」と書かれた電飾看板が表に出ているので、目を凝らして探してみてください。

お店に入ると形、大きさそれぞれ異なるカエル達がお出迎えしてくれました!店内にある目につくフィギュアといったらこれくらいで、除いてしまうとかなり閑散とした風景になります。

店内は必要最低限のものしか置かれていない。ふぞろいに設置されたテーブルの配置もあとでその理由がわかる。
あるお客様がお店にカエルを置いていったことを機に、以降のお客様も置いていくようになったのだそう。

席につくとおしぼりとメニューを渡されました。

ジャポニカ学習帳にお店のメニューが書いてある。

メニューを見ると食べ物の名前は書いてありません…。お酒の名称は書いてあるのに。代わりに書いてあるのは…

メニューは全4種類あり、文言も異なります。これだけ読んでも何が出てくるかは分かりませんが、実際に出てきた料理は「日本の家庭料理」を意識した和食が並びます。「おふくろの味」という感じで美味しいです。

季節によってメニューは変わります。

注文時は気持ちを込めてメニューを読み上げないとやり直しをさせられます。この日は2回目の来店だったので、読み終えた後は店主から「合格」をもらうも、求められるクオリティが前回より上がったのか、今度はラップ調に言い直しをさせられました(何故か店主とラップバトルを繰り広げるハメに…)。他のお客様が固唾を飲んで見守る中、開き直る必要がありました。生きていると人は恥もプライドも捨て、真っ向勝負で臨まなければならない場面があります。

自分が持ち合わせているテンションを店主に持っていかれる…それがかがやの持つ「凄さ」です。

店主の狂気と冷静さの狭間にあるパフォーマンスへの情熱

かがやの店主はお客からオーダーを受けたりしている間はいたって真顔で寡黙そうな人物に見えますが、スイッチが入るとどこまでも暴走します。料理やドリンクをオーダーする際の「持ってき方」によって店主のキャラクターが豹変します。

かがやのユニークなところはたくさんあるのだが、特に目玉なのはドリンクをどのように店主に持ってきてほしいか国別でリクエストできるところだ。

日本

店主が日本舞踊を踊りだした。
笑ったかと思えば、すぐに「無」の顔になる。表情がころころ変わり、見ていて飽きない。

フランス

ハットを被り、艶かしい表情で現れた。左手にはイーゼルを持っており、この後お客の似顔絵を描いて回る。

中国

突然雄叫びをあげたかと思うと、キッチン前の飛び台から飛翔し、カンフーを彷彿とさせるような動きをして見せた。
店のスペースを使い、縦横無尽に動き回る。無造作に設置されたテーブルの理由がここで判明する。

「他店では体験できないサービス」

かがやは最近できたお店ではなく、今の店主のご両親、ご祖父母から代々受け継がれている歴史ある居酒屋(最初は酒屋だった)で現店主に代替わりしてから30年経ちます。店主によれば料理の品も味もずっと同じだそうです。「普通のサービスならほかのお店がやってくれるんじゃないかと思ってます。皆に楽しんでもらいたいです」そう、店主は話します。
近年は外国人観光客からも好評で、英語版メニューもありました。この日も中華系オーストラリア人カップルのお客様が訪れていました。

お客同士横のつながりが生まれる空間、それがかがや

店主の奇妙奇天烈さについ目がいきがちですが、かがやの魅力はそれだけではありません。この日も開店30分後にはすぐに満席になったかがやですが、メニューをラップ調であったり、ミュージカル風に読み上げるお客に周辺客は拍手やエールを送ります。お客同士が一体となって店を盛り上げていたのです。お互い「はじめまして」の空間でここまで笑いが起き、「面白い瞬間」を共有できる空間はまさにかがやならではの体験と言えます。

未知なるアドベンチャー体験が待っていますよ!兎にも角にも笑い転げたい人、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

お手洗いには獅子舞。便座を下した振動で陽気なお囃子と共に踊りだす仕組み。
抜け目がない。
店名 かがや
住所 東京都港区新橋2-15-12花定ビルB1
アクセス JR新橋駅より徒歩1分(直線距離)
営業時間 18:30~23:30(ぐるなび掲載の情報に準ずる:以下同様)
予算 2,525円
電話番号 03-3591-2347
関連URL 公式サイト ぐるなび

本当に住みやすい街大賞2019に選ばれた赤羽から元祖お化け屋敷×居酒屋を実現した「赤羽霊園」

*住宅ローン専門金融機関アルヒ調べ
https://www.aruhi-corp.co.jp/cp/town_ranking/2019_kanto/

 

東京メトロ南北線赤羽岩淵駅1番出口から徒歩5分程の場所に赤羽霊園は佇んでいました。

それまでは明るくなかったものの、店主が店に到着したからなのか提灯にぼうっと明かりが点いた。

店内に足を踏み入れると中は二重扉になっており、中から何やら赤ん坊の泣き声やら悪魔のような不気味な笑い声が聞こえてきました。怖気づいてなかなか扉を開けられないでいると「どうぞ」という声と共に、店主が中から顔を出し招き入れてくれました。

提灯の明かりと蛍光灯のわずかな光で店内の様子を確認できた。所狭しと飾られたオブジェの数々を目にする。
壁際にずらりと並んだドリンクメニュー。張り紙に「心臓の弱い方ご注意ください」と警告してある。

お店のコンセプトは歌って飲める、お化け屋敷風の居酒屋。近年ではお化け屋敷を模した居酒屋や飲食店もありますが、赤羽霊園はこの道20余年。まさに草分け的存在といえます。開店前は個室のテレフォンクラブだったそうです。
店主のお子さんと後楽園遊園地にあるお化け屋敷に行ったとき「こういう居酒屋があったらいいな」と思ったのがお店をやろうと思ったきっかけだと話します。

頭上にご注意

店内に設置してある仕掛けはおよそ15種類ほどで、そのほとんどが天井から何かが落ちてくるというもの。2,3種類であれば見慣れてしまいそうですが、常連客をも飽きさせないよう、仕掛けやお化けは2ヵ月に1個程度変えるそうです。予測不能な仕掛けに恐怖がつきまといます。

この日は取材中にも関わらず、店主がキッチンへ消えたと思った瞬間、天井から何かが落下しました。予期せぬ出来事に思わず「ギャーッ」と悲鳴をあげ目の前のテーブル下に隠れると、キッチン奥で店主がほくそ笑むのが見えました。どうやら悲鳴をあげるお客の反応を見るのが楽しくてしょうがないご様子。

今度は「ガラガラガラドッシャーンッ」という大きな音と共に左後方の額縁が落ちてきました。視覚的な怖さだけでもなく、音響もかなりのインパクトがあります。
「なんなんだこの店は…」恐怖と驚きが入り混じった気持ちになりました。

現在ある仕掛けはほとんどが上からなので、今後は下も取り入れていきたいそう。店主は「試験管や骨壺に食べ物を入れて出したこともあったけど、仕掛けを出す度に割れていたのでもうやめた」と話します。

細部まで行き届いた店主のこだわりとDIY精神

店内にある仕掛けなどは全て店主の手作りだというところに生粋のDIY精神を感じます。壁をびっしりと埋め尽くす骸骨は店主が3ヵ月分の新聞を紙粘土で固めたもので、もととなった型は1個150円で調達したそう。骸骨を乾かすのに2週間、「制作期間は約半年かかった」と話します。

店内にはざっと3~400個の骸骨が存在する。
額縁の女性の写真はアマゾンで購入。
暗闇の中で笑みを浮かべる女性の正体は雪女。開店当初からある。店主の話ではモデルとなった女性は既に他界しているらしい。

仕掛けで叫んで、下ネタメニューで笑って、飲んで歌って…怖さだけが“ウリ”の居酒屋ではない

赤羽霊園は「お化け屋敷×居酒屋」という印象が先にきてしまいがちですが、カラオケや下ネタとお化けの名前を冠したメニューが取り入れられていることから、「恐怖」だけではなく、ほかの要素も楽しめるバランスの取れた空間になっているのです。

店主の下ネタ好きが興じてメニューにも導入。この中で「韓国チヂミ」だけが唯一まともな品に見える。

「悲鳴が出るお客に来てほしいな。常連客も女性のお客の悲鳴や反応を楽しんでいるから」と店主は話します。仕事や日常を忘れ、空間を最大限に楽しんでみてください。

店主の高橋さん
店名 赤羽霊園
住所 東京都北区赤羽1-35-8
アクセス 赤羽岩淵駅1番口 徒歩3分
営業時間 19:00開店(食べログ掲載の情報に準ずる:以下同様)
予算 2,000~2,999円
電話番号 03-3902-5060
関連URL 食べログ

 

撮影:ヒロヤス・カイ/インタビュー・テキスト・企画・編集:田中祥子(CREATIVE VILLAGE編集部)