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もしかしてコレって違法!?クリエイターが知っておきたい『著作権法』

2017/01/31 コラム著作権

たまたま見かけたブログに掲載されていた写真をコピーしたり、You Tubeで流れていた動画を自分のサイトに埋め込んだり…。
「これくらいなら大丈夫だよね」「この人の写真すごく気に入ったからシェアしよう!」
そんな気持ちが湧いてしまうのも、インターネット上の様々な著作物が簡単に保存や加工が出来てしまう点が一つの要因になるでしょう。
しかし、そんな行為には落とし穴がいっぱい!最悪な場合、訴えられて懲役刑や罰金刑を科されるといった事態にも陥ってしまいます。
ここでは、主にインターネット上の著作物における「著作権」について、特に知っておきたい点を、銀座ウィザード法律事務所の小野智彦弁護士に伺いました。

プロフィール100_100編集協力 銀座ウィザード法律事務所代表 小野 智彦 弁護士 
浜松市出身。平成11年4月弁護士登録。手品、フルート演奏、手相鑑定、カメラ等と多趣味。手品の種明し訴訟原告代理人、ギミックコイン刑事裁判弁護人、雷句誠氏の漫画原稿の美術的価値を求めて小学館を提訴、等の代理人を務めた。エンターテイメント法、離婚、相続、交通事故、少年事件を得意とする。

あの有名なダンスを踊った動画を公開するのは“著作権法違反”?

2016年末に大ヒットした恋愛ドラマと、その主題歌に合わせて踊るダンス。キャッチ―な振付に魅せられて、つい踊ってみたことがある方もいるのでは?
人気に火が付き、一般の人々がこぞって踊り、その様子を撮影。You TubeをはじめとしたSNSには数えきれないほどのダンス動画が公開されたのは記憶に新しいところです。
でも、こうした行為を気軽にしてしまって、大丈夫なんでしょうか…?

文章や音楽、動画などは「著作物」として、保護されるべき権利が生ずる

対象となるダンスは、感情などを創作的に表現した「著作物」として存在します。踊った動画を、自分の家族や友人など身の周りの方に自分のスマートフォンやパソコンなどのデバイス上で見せるのであれば、私的利用の範囲内として問題にはなりません。
しかし、You Tubeのような不特定多数の人々がアクセスするプラットフォームに動画をアップロードしてしまうと、違法となってしまいます。
また、営利目的か非営利目的かという観点からすると、たとえ非営利目的(単純に見て楽しんでもらいたい、など)であっても、“送信可能化”にすることで、違反扱いとなります。ただし、動画をアップロードしたとしても“非公開”とすれば問題はありません。

この件に関して、主題歌を作詞作曲したアーティストの所属レーベルからは、一定の条件を提示することで、ダンスを自由に踊って撮影し、拡散しても良いという見解を発表。
それにより、損害賠償請求や配信の差し止め請求が行われることはありませんでしたし、刑事告訴をされることもありませんでした。

今や広告プロモーションの手法の一つとして広く浸透しているSNSは、いかに情報を拡散・シェアさせるかがキーポイント。しかし著作権法の観点からすると「違法」となる行為になってしまうケースもありますので、著作権に関する最低限の知識はしっかり身につけておきましょう。

安易に作った“まとめサイト”は落とし穴がいっぱい?著作権侵害の罠

“広告収入で稼げる”などといったふれ込みで、まとめサイトを作りたい!と考えている人は多いようです。しかし、インターネット上の記事や投稿、画像や動画といった情報を集めて作るのは、簡単なように見受けられますが、“他人の著作物を利用する”という認識をきちんと持てていないために、著作権侵害として訴えられるケースも少なくありません。

文章や絵、写真などの著作物にはそれを保護するための権利が発生します(ただし現行は保護期間は50年)。
まとめサイトを作ったり、You Tubeに動画をアップロードしたり、ブログやSNSツールでシェアをするにあたっては、その権利を侵害することの無いよう、特に以下について注意が必要です。

正しく転載・引用する

掲載したいサイト等のリンク先を貼るだけなら違法ではありません。しかし、テキストの流用や写真・画像の無断転用などは著作権侵害にあたります。
まずは使いたい情報の掲載元の利用規約をきちんと確認することが大切。媒体によっては転載を一切禁止しているものもあります。
一方、引用については、引用元に無断で行ってよいことになっています(著作権法32条)。
しかし、以下の条件を満たしている必要があります。
・他人の著作物を引用する必然性があること
・本文が「主」であり、あくまでも引用部分は「従」であること
・段落を変える、「」を付けるなどして、引用部分を明確にすること
・引用元について明記すること

著作物の権利者に許諾を得る

媒体により、著作物としての画像や動画を掲載する際は、権利者の方に許可を取ってくださいと明言しているものもあります。したがって、まずはその媒体の利用規約や著作権に関するポリシーが記載されたページを確認することが大切です。
そして、どのように利用したいのかを権利者の方に許可を得ることが、トラブルを避けるためにも重要ではないでしょうか。
また事前に著作物をどのように引用・転載したいのかを具体的に伝えることで、「こんな風に使われるのであれば、引用や転載を許可しなかったのに」と後になってトラブルに発展する可能性も防げるでしょう。

一般論として、著作権が侵害されたと認められる場合、権利者は損害賠償や記事削除・配信差し止め請求ができますが、するかしないかは権利者(被害者)の自由です。
ちなみに、著作権侵害罪については、被害者の告訴がないと検察官は起訴できないという、いわゆる「親告罪」とされています(著作権法123条)。
ただ、引用元を明示しなかったり、派手に転載したりすると、著作者の怒りを買いやすく、損害賠償等の請求がされたり、刑事告訴にまで発展する可能性もあります。そうすると、起訴されてしまうこともあり得るのです。
最悪の場合、懲役刑や罰金刑を科せられてしまいますし、
しかも今後は著作権法違反の非親告罪化が検討されていますので、安易な引用・転載は本当に危険です。

気を付けたい「フレーム内リンク」とは

SNSにおけるシェアについては、かろうじて引用の範囲内に収まっていると考えられますが、いわゆるまとめサイトなどでは、リンクといいつつもインスタグラムなどからの写真を転用する形、つまり「フレーム内リンク」となっているように見受けられるものが数多く存在しています。
フレーム内リンクは、他人のサイト内の記載や画像部分をそのまま取り込んで自分の記事の一部として表示する方法。複製とは認められないものの、ある権利の侵害にあたる可能性があるので注意が必要です。

「同一性保持権」侵害の可能性

著作者は自らのサイトの構成の中で、意味を持って記載や写真をその場所に置いているということです。これを他人がフレーム内リンクで、著作者の意図とは違う形で自らのサイト上などに取り込むと、その著作物の意味づけが異なってくることになります。
こうした行為により著作権法上、同一性保持権(著作権法20条)の侵害になる可能性が強いと考えられます。
また、著作者の名誉や声望を害する利用行為(著作権法113条5項)に触れる可能性も出てきます。著作者には創作意図があり、芸術として考えている場合もあります。ところが、その著作物を単なるコマーシャルに利用されたり、下世話なページでフレーム内リンクをされたりすると、まさに著作者の名誉、声望を害することになるからです。

SNS以外でシェアしたい場合は、必ず著作者の承諾を得るべきです。

まとめ

インターネット上のさまざまな情報は“無料”で、“簡単”に取り入れられる時代になり、フェイスブックやツイッターといった“シェア”することを特徴とするメディアが登場したことで、その情報(著作物)が持つ「著作権」という認識があいまいになり、私たち一人ひとりの意識から薄れていっているように感じられます。
また、メディアの多様化に伴って、「こういうケースは著作権侵害に当てはまるの?」という疑問が生じる場面も多々あることでしょう。

しかし、何よりも大事なことは、著作者に対して“許諾を得る”ことです。
これは権利の侵害だけでなく、権利を持つ方に対するマナーであるとも言えます。
多くのメディアでは著作権に関するポリシーや規定を明示していますので、まずはその内容をきちんと把握したうえで、正しいメディア運用を心がけましょう。

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