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Webデザイナーは飽和状態?需要がなくなると言われる理由と業界の将来性

企業でも個人でもオウンドメディアと呼ばれるWebサイトを運営するのが当たり前の現代では、Webサイト制作の需要は尽きないように思われるでしょう。特にビジュアルを担当するWebデザイナーは、今後も安泰の職種のように映るかもしれません。しかし、紙を中心としたグラフィックデザイナーからの転身、フリーランスを含めたWebデザイナーの増加もあり、実態はすでにニーズが飽和状態にあるという声もあります。さらにはAIなどの発展により、将来的に職がなくなる危険性すら叫ばれています。

インターネットを取り巻く環境が大きく変化する中で、ビジュアルの制作を主に担っていたWebデザイナーの役割も少しずつ変わり始めています。これからの時代、Webデザイナーが生き残るためにはどんな素養が求められるのでしょうか。現在のWeb業界の市場動向も踏まえて、これからの時代で活躍できるWebデザイナー像について迫ります。

デザイナーとは?取り巻く環境と社会的な認識の変化

Webデザイナーの需要_デザイナーとは

そもそも多くの方はWebデザイナーという職業にどんなイメージを抱いているでしょうか。Webサイトの見た目やイメージを形づくる仕事だと考えている人が大半のはずです。しかし、Webだけでなくデザイナーという職業の役割や認識も近年少しずつ変わり始めています。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2022年12月に発表した「デジタルスキル標準ver.1.0」によると、デザイナーは下記の内容で定義されています。

【デザイナーとは】

ビジネスの視点、顧客・ユーザーの視点等を総合的にとらえ、製品・サービスの方針や開発のプロセスを策定し、それらに沿った製品・サービスのありかたのデザインを担う人材

従来までのデザインに求められる役割は、造形を美しくするというビジュアル面における要素が強い傾向にありました。しかし、現在では人を起点とした価値創造・問題解決の手段という「ビジネス成果を出すための機能面での要素」の意味合いが強まっています。それはデザイナーという広義の枠組みだけではなく、Webデザイナーという職種においても同様です。

DX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)推進が顕著となり、現代ではあらゆるものがデジタル化しています。デジタルの結集であるWebサイトにおいては「単に見た目の良いホームページを作る」というビジュアル面よりも、「お問い合わせなどのコンバージョンが取れるオウンドメディアにしたい」というビジネス成果を主体とする機能面がより重視されています。

つまり、Webデザイナーは、DXを推進する人材としてデータやデジタル技術の活用の先にあるビジネスそのものの変革を、ビジネスと顧客・ユーザーの視点の両面で実現することが求められているのです。デジタル領域において、顧客・ユーザーの視点からビジネス変革を実現する人材こそが、これからの時代においてWebデザイナーに求められる要素だと言えるでしょう。

Web業界の動向とデザイナーの需要

DX推進がさらに加速し、デジタルの重要性がより高まっている現代において、Web業界は当然ながら成長産業だと言えます。その中で顧客・ユーザーの視点からビジネス成果を生むことが役割であるWebデザイナーの需要も右肩上がりに上昇しています。

経済産業省が公開している「IT人材需給に関する調査(2019)」によると、Webデザイナーを含むIT人材の需給ギャップが拡大傾向にあると推定。2018年時点ですでにIT人材は不足傾向にあるのが、2030年にはさらに広がるとの見立てです。少なくとも16.4万人、多ければ79万人ほど人材難になると考えられています。国内の労働人口が減少する一方、IT需要は今後も増加傾向が続くでしょう。

Webデザイナーの需要_IT人材の供給と需要
出典:『IT人材需給に関する調査(2019)』(生産性上昇率 0.7%、IT 需要の伸び「中位」の場合)

上記は2018年時点での試算になるので、DX推進の加速が顕著となっている現代では、IT人材の枯渇がより慢性的な課題となっていると考えられます。特にWebサイトなどデジタルを通して顧客とユーザーを機能的にマッチングさせるWebデザイナーに関しては、優れた人材に対してよりニーズが増える傾向になることが予想されます。

Webデザイナーの将来性が不安視されるのはなぜ?

Webデザイナーの需要_なぜ不安視されるのか?

DX推進という時代の変化、職種の役割を踏まえても、将来的に見たWebデザイナーの需要は高い水準を保つことが予想されます。しかし、そうした現状とは裏腹にWebデザイナーの将来性を不安視する声は後を絶ちません。AIの台頭によって「消える職業」が話題になりましたが、「Webデザイナーもそのうちの1つである」という見解を示す人も少なくありません。そうした意見が出るのには、どんなこと理由があるのでしょうか。3つほど紹介します。

理由(1)Webデザイナー増加にともない、競争が激化するから

2020年からは小学校でもプログラミング教育が必修化され、コードを読み書きできるIT人材は増加することが予想されます。幼少期からスマートフォンを持つスマフォネイティブとも言えるZ世代が台頭し、さらにその下の時代はよりデジタルに精通しているでしょう。デジタルでのコミュニケーションが当然の時代において、その作り手を担うWebデザイナーという職種の競争が激化するのは市場の原理としては当然です。

Webデザインをできる人が増えて競争が激化すれば、フリーランスで活躍する人材や仕事を安く請け負う会社も増えるでしょう。その結果、現在よりも全体の制作単価が下がったり、仕事の奪い合いや競争が激化したりする可能性もゼロではないのです。

理由(2)単純な作業はツールに取って代わられていくから

デザインは「人の創造力によって創られるもの」といったイメージがありますが、実は近年、Webデザインの世界でもAIによる自動化が進んでいます。たとえば、近年はWebサイトやロゴマークを自動で作成できるサービスなども登場し、専門知識がなくても簡単にWebデザインができるようになりました。

また、デザインを制作するツールも進化しています。FigmaやCanvaといった非デザイナーでも簡単にビジュアルイメージを作成できるツールが登場しており、きちんと差別化を図れる実力が求められるのが現状です。Webデザイナーの需要がある日突然なくなることは考えにくいものの、Web業界は変化の激しい業界であることを意識し、常に最新情報にアンテナを張っておくことが求められます。

理由(3)WebデザイナーにもUI・UX視点が基本となりつつあるから

先に紹介したIPAの「デジタルスキル標準ver.1.0」で定義されているように、デザインには意匠性よりも機能性が重視される傾向にあります。特にビジネス成果においては、顧客・ユーザーにとって製品・サービスというプロダクトが分かりやすいか、見つけやすいか、好ましいかといった要素だけでなく、倫理的な妥当性も踏まえることが求められます。

顧客・ユーザーとの接点(製品・サービスと顧客・ユーザーとが関わるポイント)のデザインを行うことが基本であり、そのためにはUI・UX視点を持ち合わせることが急務です。WebデザイナーとUI/UXデザイナーは職種として分けて考えられるケースがほとんどだと言えます。しかし、ビジネス成果の創出を目的とするWebデザイナーにおいてもUI・UX視点でのデザイン構築は必須の素養になります。顧客・ユーザーに向き合うというビジネスの原理原則を、Webデザイナーもしっかり認識する必要があるでしょう。

将来性のあるWebデザイナーになる方法

DX推進が加速し、高度なデジタル社会になりつつある昨今において、Webデザイナーとして活躍し続けるためには自身の価値をいかに高められるかが重要です。Web業界において重宝される「価値の高い人材」になる方法を紹介します。

プラスαのスキルを身に付ける

Webデザイナーは、デザインのことだけ分かっていればいいという訳ではありません。先に触れたUI・UXはもちろん、マーケティング知識やDX領域などWeb業界の先端技術についての知見も持ち合わせておく必要があるでしょう。

特にWebサイトを検索エンジンで上位表示させるためのSEOの知識や、利用者の行動パターンを想定してコンバージョン改善につなげたデザイン経験があるなど、マーケティングにおける素養があると活躍の場が広がります。マーケティングデザインに関する知識量が豊富で、且つコンサルティング能力に長けたデザイナーであれば今後ますます重宝されるでしょう。

知識と経験をかけ合わせて、独自の強みを持つ

独自の強みをアピールするため、Webデザインの知識と経験だけで勝負するのではなく、自分の持ついくつかのスキルをかけ合わせてみましょう。これまでの人生で培ってきた知識や経験を最大限に活用し、独自の強みを作り出すことが大切です。

例えば、単に「Webデザイナー」という肩書きだけをアピールするよりも、「SEO対策もできるWebデザイナー」「〇〇業界を10年経験したWebデザイナー」としてアピールしたほうが、希少性が高まります。得意分野も一目瞭然となるため、ピンポイントで指名される確率も高くなるでしょう。

SNSを用いたセルフブランディングを行なう

Webデザイナーは、セルフブランディングによって自身の市場価値を高めていくことが可能です。フリーランス・会社員など働き方に関わらず、積極的に上にあげたようなクリエイターとしての強みをアピールしましょう。

SNSなどを使って普段からノウハウや作品を発信をしていれば、Webに関わる業界人とのつながりを作ることも可能です。その結果、思いがけない方面から単価の高い仕事を依頼されるといったケースもあります。

最新情報・トレンドの収集や勉強を怠らない

Webデザインのトレンドは非常に移り変わりが激しいため、常に最新情報を収集する姿勢が必要です。Webデザイナーとしてキャリアのあるベテランであっても、最新情報やトレンドを把握しておかなければ、時代の流れに対応できなくなってしまいます。

日頃からWebデザイン系の情報サイトをチェックして、意識的に生の情報を集めるようにしましょう。Webデザインの勉強に終わりはありません。業界の変化に合わせて、新しい技術やスキルを磨き続けることが大切です。

Webデザイナーの将来設計:キャリアアップを目指すには?

Webデザイナーの需要_まとめ

【Webデザイナー なくなる 需要 のまとめ】

  • Webデザイナーの需要はなくならず、むしろ今後も増えると予想される
  • Webデザイナーの競争激化は必至なので、自分なりの武器を持つことは不可欠
  • UI/UXデザイナーやWebディレクターやWebプロデューサーへの転身も視野に

デザイン制作スキルを活かしてキャリアアップするなら、UI/UXデザイナーやマーケティングなどの付加価値を身に付けたフリーランスデザイナーとして独立する道があります。またサイト制作の知見やノウハウを活かしてWebディレクターやWebプロデューサーにステップアップアップするのもキャリアパスの1つです。

Webディレクタ-やWebプロデューサーは制作メンバーをリード、マネジメントするポジションの職種になります。制作経験があると周りのメンバーとコミュニケーションがとりやすくなる点がメリットです。チームの結束力を左右する重要なポジションであるため、大きなやりがいを感じられるでしょう。キャリアアップに成功すれば、収入増加も期待できます。

「Web業界での転職を検討している」「将来的にステップアップできる職場で働きたい」と考えている方は、クリエイティブ業界専門の転職エージェンシー、クリーク・アンド・リバー社(C&R社)の転職エージェントにご相談ください。

著者情報
株式会社クリーク・アンド・リバー社
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