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ゲーム3DCGデザイナーの将来性とは?メタバース・バーチャル化時代の市場規模を解説

2020年代では3DCG技術が各分野で応用されており、ネットワーク上であらゆる3Dアバターを見かけることでしょう。バーチャルYouTuber(Vtuber)やアーティストのAdoのバーチャルライブなどを筆頭に、精巧につくられた3DCGを使ったキャラクターが幅広い分野で活躍しています。3DCGのグラフィックを手掛けるのは3DCGデザイナーという職種ですが、近年でもっとも顕著な成長を遂げているのはゲーム業界でしょう。

2000年代初頭には3Dゲームはすでに存在していましたが、3Dポリゴンを用いた角ばったキャラクターが主流でした。一方で2020年代のゲームは、まるで実在の人物が画面越しにいるかのごとく、リアルな3DCGのグラフィックを可能にしています。今後は時代がメタバースの浸透やバーチャル化がより顕著になることが予想されるだけに、ゲームのグラフィックもより進化することが求められるでしょう。3DCG全盛の時代において、ゲーム3DCGデザイナーになるにはどんなことを意識すべきでしょうか。その将来性にも迫ります。

ゲーム3DCGデザイナーとは

パソコンを操作する女性
まず3DCGデザイナーとは「3Dのコンピューターグラフィックス(computer graphics/CG)をデザイン・作成する職業」です。コンピューターグラフィックスは、コンピューターと専用ソフトを組み合わせて表現するグラフィックスのこと。たとえば映画やドラマ、テレビCM、ゲーム、アニメなどで使われる映像技術が挙げられます。また、3DCGは映像系作品以外に、建築や自動車などの設計にも広く使われています。

ゲームは3DCGデザイナーが数多く活躍している業界です。2020年代のゲームは、リアリティのある3D映像がもはや当たり前となっており、3DCGによる精巧なグラフィックやキャラクターを作成できる技術のあるクリエイターが常に求められています。ゲームの制作業務においては、3DCGの仕事は下記に分業されています。

  • モデリング:デザインやイメージ画、写真をもとに実際に形にしていくこと
  • リギング:モデルを動かすための仕組みを作ること
  • モーション(アニメーション):モデルを実際に動かしデザインすること
  • レンダリング:データに従い最終の画像を生成すること
  • 撮影など

ゲーム業界は目覚ましい発展を遂げており、成長産業であると同時に開発競争が激しい業界です。だからこそ、常にゲーム3DCGデザイナーは技術革新を遂げる必要があり、チャレンジングな姿勢で仕事と向き合うことが求められます。

2027年の世界のゲーム/3Dコンテンツ開発プラットフォーム市場規模は1,900億円

3Dコンテンツ開発プラットフォーム市場規模 グラフ

出典:株式会社日本能率協会総合研究所 マーケティング・データ・バンク「ゲーム/3Dコンテンツ開発プラットフォーム市場概況」

株式会社日本能率協会総合研究所 マーケティング・データ・バンクが発表した「ゲーム/3Dコンテンツ開発プラットフォーム市場概況」によると、2027年の世界のゲーム/3Dコンテンツ開発プラットフォーム市場規模は1,900億円となる見込みとされています。ゲーム/3Dコンテンツ開発プラットフォームとは、開発環境、3Dグラフィック描画、物理演算処理などの機能提供によって効率的なゲーム開発、コンテンツ制作を実現するツールです。

具体的には、グラフィックの描画や物理演算処理、サウンド入出力、入力データの処理・出力、マルチプラットフォーム対応、管理・オーサリング機能などの機能を持つソフトウェアプラットフォームを指します。ゲームコンテンツの開発や映像制作、VRコンテンツ制作などに利用されます。

近年のゲーム開発の複雑化、開発コストの肥大化、デジタルコンテンツのリッチ化を背景にゲーム開発者による利用が増加傾向にあります。プラットフォームの成長は、業界や産業自体の隆盛を示していると言えるでしょう。ゲーム3DCGデザイナーとして成功するうえでは、群雄割拠の時代に突入しています。

3DCGデザイナーにおける環境の変化とは

メタバースのイメージ

近年はメタバースやバーチャルライバーなどが少しずつ一般層にも広がっているので、3Dモデルに多くの方が触れるようになってきています。メタバースの世界は3DCGが基本に使われるので、ビジネスチャンスと捉えるクリエイターが今後も増加することでしょう。今はまだ3DCGデザイナーと呼ばれる職業は、一般には広く認知されていないかもしれません。ゲームが好きな人やテクノロジーが好きな人はある程度広く認知されている段階で、それ以外の方はこれからでしょう。

ただ、今後はより一般の方も3DCGの技術に触れることが当たり前の時代になることが想定されます。バーチャルライバーから3DCGを使った表現に触れ、少しずつ一般認知が広がっていくでしょう。

ゲーム3DCGデザイナーになるには?資格や学歴は必要?

未経験の方がゲーム3DCGデザイナーになるには、次のようなアプローチがあります。

  • 未経験OKの求人に応募する
  • 独学でCG作品を制作してスキルを高める
  • CGデザインを学べるスクールに通う

ゲーム3DCGデザイナーは、資格や学歴は関係ありません。実際に、3DCGデザイナー求人の多くが学歴不問ですが、一定以上のスキルが求められます。未経験であれば、専門学校や大学での専門的知識、デッサン力、3Dの知識、解剖学、観察力などが必要です。また、モデリングの場合はポートフォリオ、モーションの場合はデモリールが必要となる場合もあります。

3DCGを扱う道を目指すにはかなり細かい3Dの仕様や目的ごとに異なるモデルや諸々の設定の仕方を一通り理解する必要があるでしょう。実際に形にするまでに学ぶ内容が他のクリエイティブな分野(映像や印刷、音楽など)よりも多く、それを習得する時間がかかるので鍛錬が必要です。なんとなくの気持ちや感覚では成り立ちにくいので、目的をしっかり決める能力とそれに向かってコツコツと作業をすすめることができる能力が求められる職種と言えるでしょう。

ゲーム3DCGデザイナーになるために必要なスキル

電話しながら在宅勤務する男性

ゲーム3DCGデザイナーにとって特に必要なスキルは、「デザイン力」「デッサン力」「表現力」「観察力」「コミュニケーション力」です。ゲーム業界は進化のスピードが速いだけに、上手く適応する意味でも、必要なスキルセットを身につけましょう。

デザイン力・デッサン力

ゲームのキャラクターのイラストや背景をCG制作するにあたり、デザイン力やデッサン力が求められます。デッサンが正確にできることはもちろん、スピードも必要です。

クリエイティブな発想・表現力・観察力

芸術的な作品を制作するためには、基礎スキルとしてのデッサン力が大事ですが、そのためにたくさんの情報をインプットすることも必要となります。そうすることで、誰も思いつかないアイデアが生まれたり、ひらめいたりしたアイデアをCGの世界にうまく取り込むことができ、より人々を魅了する作品が仕上がるでしょう。

協調性・業務遂行力・責任感・コミュニケーション力

正社員や契約社員などとして企業に所属するゲーム3DCGデザイナーになるには、「社内のチームワークを大切にしながら、質の高いCG作品を、最後までつくり上げる」といったスキルが求められます。フリーランスのゲーム3DCGデザイナーを目指すとしても、「案件に関わる人たちと協力しながら、質の高いCG作品を、最後までつくり上げる」というスタンスになります。

ゲーム3DCGデザイナーの需要や将来性

一般に浸透したメタバースは3DCG空間が基本となりますし、バーチャルライバー(特に事務所に所属しているタレント)は「Live2Dから3Dモデル化」というものが1つの人気の証のような風習があります。ゲームだけでない開発環境が今後はさらに拡大するでしょう。

また、ゲームではさまざまなジャンルで3Dを取り入れた表現が多くなったり、スマートフォンの性能が上がったりするなど」アプリゲームでも3DCGを使ったゲームが増えています。アニメにおいても3DCGをセルシェーディングが進化して、いわゆるセル画と合わせている場面が増えており、3DCGデザインの需要全体が成長している状況です。

未経験から3DCGデザイナーになる方法

ビジネスウーマン

【ゲーム3DCGデザイナー メタバースのまとめ】

  • ゲームを筆頭に3DCGの産業は右肩上がりの業界である
  • メタバースの世界などゲーム以外でも3DCGデザイナーの需要は高まる
  • 3DCGを扱う道を目指すためには下地となる技術習得が不可欠

3DCGはゲームを筆頭にサブカルチャーと分類されるコンテンツにおいていろんな用途で活躍しています。さらに、3Dモデル自体は検索すれば有料無料問わずたくさん手に入ります。3DCGモデルを作ってリギングなど設定がしっかりできることはそう珍しくなく、その3DCG技術を使って「どのような表現をするか」という表現の分野を学ぶことが、3DCGデザイナーとして今後活躍するうえでの糧になるはずです。

3DCGが使われたゲームや映像などを勉強することはもちろん、まだ3D使われない分野を見て、3D技術が使えるかどうかを考えることも必要です。ゲームにとらわれず、新しいことへ活路を見出そうとする姿勢が就活で評価される傾向にあり、さらにはクリエイターとしての将来性にもつながることでしょう。

著者情報
株式会社クリーク・アンド・リバー社
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