ここ数年で中国の制作会社が手がけるアニメ作品が日本でも放送されるなど、中国のアニメ業界が世界で注目を集めています。そんな中、中国では大手のアニメ制作スタジオとして知られる「彩色鉛筆動漫」が、2018年6月に 日本法人「Colored Pencil Animation Japan株式会社(以下、CPAJ)」を設立。東京の町田にスタジオをオープンしました。

現在CPAJでは、誕生したばかりの同社を共に盛り上げる人材を募集中。今回は代表取締役の鄧志巍さんと取締役の江口文治郎さんにお話を伺いました。

Colored Pencil Animation Japan 株式会社 代表取締役 鄧 志巍(とう・しぎ)写真左
1987年中国重慶市生まれ。2006年四川美術学院入学。在学中にアニメ制作を手掛ける。卒業後、重慶視美動画公司入社。その後独立し、2014年「彩色鉛筆動漫設計有限責任公司」設立。2018年、東京・町田市にColored Pencil Animation Japan 株式会社を設立。中国と日本のアニメ業界の架け橋として、業界全体を盛り上げていくべく奮闘中。
主な代表作品に、『マスターオブスキルSP』、『渡霊Guarding』、『ファンタジーハンター』(中国)、日本国内でも多数のアニメ原画制作で制作協力している。

Colored Pencil Animation Japan 株式会社 取締役 江口 文治郎(えぐち・ぶんじろう)写真右
1975年千葉県生まれ。明治大学経営学部卒業後、テレビ業界やWeb業界の実務経験を経て、2010年キャラクタービジネスを手掛ける株式会社ディー・エル・イーへ参加。商品化やデジタルコンテンツ開発、企業コラボ広告のプランニング、映画製作等、多岐に渡る事業展開を図り、様々なオリジナルIP開発を手掛け、その経験を踏まえ、2018年Colored Pencil Animation Japan株式会社取締役に就任。

中国産アニメの需要拡大に伴い、日本法人が誕生

――御社が日本法人を設立した理由を教えてください。

 近年、中国でのアニメの制作需要が急速に高まり、次々に新しい作品が生まれています。中国重慶市の本社(彩色鉛筆動漫)は2Dアニメーションのスタジオとして80人体制で制作にあたっているのですが、それでもリソースがまったく足りていない状況です。そこで、日本の優秀なクリエイターの力を借りようと、Colored Pencil Animation Japan(以下、CPAJ)の設立に至りました。

江口 一昔前までは、中国でアニメといえば「ワンピース」や「ドラゴンボール」、「ドラえもん」など、中国の誰もが日本の作品を思い浮かべる時代でしたが、最近は中国国内で作られたオリジナルの漫画や小説をアニメ化するという新たなムーブメントが起こっています。それに伴い、「日本のアニメ制作会社が中国のスタジオに仕事を発注する」というこれまでの流れが、少しずつ変わりつつあるなかで、CPAJが誕生したのはとても自然なことだったと言えるかもしれません。

日本のクリエイティブをお手本に、より質の高い作品作りを目指す中国アニメ業界

――御社の代表作や特徴を教えてください。

 中国でもっともヒットした作品の一つは、「マスターオブスキル」です。人気の小説が原作となったWebアニメで、現在劇場版の制作を進めています。本国での当社の強みは、社内での制作体制が整っているということ。プロジェクトの規模にもよりますが、外注に頼らず内部で制作を完結できるため、質の高い作品を生み出すことが可能です。

――アニメ制作の工程や進め方について、中国と日本のスタジオで違いはありますか?

江口 私は日本側の責任者として今このスタジオを見ていますが、そういった意味での違いや、違和感を感じることはまったくないですね。というのも、中国のアニメーターは日本アニメに常に注目し、日本の手法を学びながら進化しています。制作の流れや制作におけるポリシーは日本と変わりませんし、クリエイティブコントロールに関する意識は非常に高いです。

新たなキャリアに挑戦できる環境。日本から中国…そして世界へ

――現在(2019年2月時点)、CPAJではどのような方が活躍されていますか?

江口 メンバーは全7名で、男性が5名。女性が2名。27歳の若手から、専門学校でアニメの講師をしている60歳を超えるベテランもいます。さらに出身も日本・中国・ベトナムと多国籍で、当社のビジョンに共感してジョインしてくれた心強いメンバーたちです。

――現在求める人材について教えてください。

 募集している職種はプロデューサー、ディレクター、制作進行、作画スタッフ、背景スタッフ、CGスタッフなど。中途、新卒は問いません。人材の理想像として、メンタル面においては目的意識を持って行動できる人。自分の目標や会社の目標に向かって努力し、新しいことに挑戦し続ける向上心のある人と一緒に働きたいです。

――どんな人が活躍できる現場だと思いますか?

江口 日本の制作現場では演出や監督をやりたいが、上が詰まっていてなかなかチャンスが巡ってこないという方も少なくないと思います。一方、中国の制作現場は、アニメーターだけでなく上流工程を担う人材も足りていないという状況です。日本国内でネクストステップに進めずにくすぶっている人にとって、当社は絶好の環境だと思います。また、日本のアニメ業界に長くいる人から見ると、当社はしがらみが全くないインディペンデントな雰囲気を新鮮に感じるかもしれません。いずれにせよ、チャレンジングなマインドを持っている人は、当社のビジョンに共感してもらえるのではないでしょうか。

――働く環境面はいかがでしょうか?

 日本のスタジオでは経験の浅いアニメーターや制作スタッフが過酷な環境下で働くことでアニメーションの仕事を諦めてしまうことが多いと聞いています。当社は安定した給料を支払い、先輩クリエイターに学べる環境を提供することで、仕事を楽しく続けてもらいたいと考えています。

江口 中途の場合、その方のスキルやこれまでの金額を伺ったうえで、それを考慮して条件をご提示させていただきます。また、会社に大きな利益が出た場合は社員に還元したいという考えもあるので、業績によっては期末に決算賞与を支給します。

――スタジオの場所が町田というのも特徴的だと思いますが、なぜここを選んだのでしょうか。

 町田は新宿からのアクセスが良く、駅周辺はとても栄えています。それでいて少し歩けば静かな住宅街が広がり、物価も都心に比べると安いという、とても住みやすい場所です。メンバーには静かな環境で安心して生活しながら、集中してアニメ制作に取り組んで欲しいこともあり、町田に住居を構える社員には毎月3万円の住宅手当も用意しています。

――それでは最後に今後の会社の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。

江口 当社はこれまで日本が培ってきたアニメ制作の知見を活かし、日本と中国の共同IPを生み出すことを目指しています。日本のクリエーターが中国という巨大なマーケットに入り込み、世界へはばたく大きなチャンスを掴むために、志を高く持つクリエーターのみなさんと一緒に、CPAJを盛り上げていきたいです。

 CPAJは、言わば日本のアニメスタジオと中国のアニメスタジオの“合いの子”です。今後は、例えば中国の小説や漫画を日本のスタジオで日本向けにアニメ化したり、逆に日本の小説や漫画を中国版にローカライズするなど、日本と中国を融合した新しいカルチャーを発信していきたいです。

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担当/小山

アニメ業界ですと「残業が多い、労働環境が整っていない」という印象をお持ちの方も少なくはないと思います。

今回の取材の中でCPAJ社は、社員に長く働いてもらえるような環境作りをしっかり考えられているのがとても印象的でした。
また立ち上げ段階のため、様々なチャンスがある環境だと思いますので、
アニメ制作に対して熱い想いのある方には、非常に働き甲斐のある企業様だと考えておりますので、ぜひご応募いただきたいと思います。

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会社プロフィール


「次代のフロントラインに立つ」――
前例にとらわれず、限界を決め付けず、壮大な夢を語り、新しい道を切り拓く。
まだ誰も、たどり着いていない場所へ。
私たちは創造の力で、時代を塗り替えていきます。

■ 社名  :Colored Pencil Animation Japan株式会社
■ 所在地 :東京都町田市原町田4-17-10 アンセスターズN-1-5階
■ 設立  :2018年6月6日
■ 代表者 :代表取締役 鄧 志巍
■ 事業内容:アニメーション制作
■ URL:https://www.cpaj.co.jp/

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