『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』など数多くの人気タイトルを抱え、ゲーム業界のトップを疾走する株式会社スクウェア・エニックス。同社が抱えるハイエンドなフルCG映像を専門に手掛ける映像制作部門・ヴィジュアルワークスは、ムービーやトレーラーなど、ハイクオリティなCG映像を次々と輩出し、海外からも注目されています。CG映像の最先端をリードするヴィジュアルワークスが目指すクリエイティビティや、ヴィジュアルワークスが求めるクリエイター像などについて、ジェネラル・マネージャーの生守一行さんにインタビュー!前編・後編に分けてお届けします。

profilephoto生守 一行(いくもり かずゆき) 株式会社スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークス部 ジェネラル・マネージャー
1991年、スクウェア(現スクウェア・エニックス)にグラフィックデザイナーとして入社。
『ロマンシング・サガ』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズを経て、
現在はヴィジュアルワークスのジェネラル・マネージャー兼チーフ・クリエイティブディレクターとして活躍している。

 

■ テクノロジーとアートの両立がクオリティのカギ

『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』などの人気タイトルをはじめ、私たちヴィジュアルワークスが生み出す映像にはさまざまな方面から高い評価をいただいています。『ファイナルファンタジーVII』では、はじめて3DCGが登場し、レンダリング技術を用いることでデザインが直感的なものからロジカルな思考が求められるものになったほか、PS4に代表されるハードの高機能化により、ビジュアルの表現の幅も進化の一途をたどっています。いまもスペックは日進月歩で高まりを続けており、個人的にもさらなる性能の向上に期待しているところです。

data_0017ただ、ムービー、トレーラーなどの映像をハイクオリティかつ優れたエンターテインメントとして実現するためには、CG技術などのテクノロジーだけでなく、映像の美しさなどのアート性のバランスも重要です。映像制作において私たちがまず考えるのは、受け手であるユーザーに「どのように感じてもらうか」ということ。技術を優先してしまうとスペックは高まりますが、使い勝手が悪くなりせっかくのテクノロジーも活かすことはできません。逆にアート性が高くなってしまうと表現に偏りが出てしまい、お子さんからお年寄りまで幅広い層に楽しんでもらうことができなくなる恐れがあります。ゲームの魅力を多くの人々に感じていただくためにも、技術とアートのバランスを心がけるようにしています。

 

■キャラクターの息づかいまでもが伝わるようなリアルなビジュアルの構築に不可欠な“知識”

ヴィジュアルワークスとしてのこれからの課題。それは大きな期待を持ってスクウェア・エニックスのゲームをプレイされる目の肥えたユーザーに対して、納得していただけるレベルを追求することです。プレイヤー自らが主人公として画面の中の世界に溶け込み、時間を忘れてのめり込むくらいに楽しんでもらえるようなクオリティを保つためには技術、アート両面ともによりレベルの高いものが求められるため、積極的に最先端の技術を取り入れていく必要があります。ただ、技術の進化に伴い高品質な映像を実現できる現在だからこそ気をつけたいのが「リアルな表現にこだわる」ということです。かつては現実と創作の境界線があいまいでしたが、いまや画面の外の世界までしっかりと構築するつもりで映像づくりに取り組まなければ、成立しないステージに進化しつつあるように感じています。フィクションではありますが、現実にはない空想上の生物なども含めたうえで、映像に根拠を加える必要が出てきました。

素材現実の世界に存在するものそっくりにオブジェクトを作ることは出来ても、それらに“魂”を入れないとシーン全体の整合性が取れなくなり、不自然に見えてしまいます。生き生きとした人や動物の動き、着物のしわに至るまで細かく表現するには、ツールの再現力に頼るだけでなく、知識の裏付けを加えることも重要です。服の動きひとつをとっても、布と布が重なり折り目となっている部分を自然に表現しなくてはならないため、服飾の専門家としてのアイデアが必要となるシーンも出てくるでしょう。また、水の動きについても流体シミュレーションなど研究者レベルで調べることもあります。リアルに表現できるからこそ現実の世界と比較されてしまうので、プロから見ても納得してもらえるようにテクスチャーやディテールに徹底的にこだわり、一つ一つの映像作品にしっかり盛り込んでいきたいと考えています。

私たちスクウェア・エニックスに対するユーザーからの期待は大きなものがあります。その上で、プレイされる方にゲームの世界観にどっぷりとつかってもらうだけでなく、予想をはるかに上回るような優れたビジュアルを実現していくためにも、さらなるリアルの追求に取り組んでいくことが私たちに与えられた命題である、と考えています。

 

■ 自らの感性をビジュアルとして表現する醍醐味

これから私たちの仲間として映像の制作にチャレンジしたいという方には、CGのツールで表現できること以上に、「このジャンルの知識についてはだれにも負けない」という得意分野を持っていることも一つのアドバンテージになるでしょう。背景を作るうえでは、世界中の世界遺産に興味があり建築の構造部分まで知っている。そんな専門的な知識があれば、ちょっと変わったデザインの建物を作り出してもファンタジーに置き換えたときに違和感なく風景に溶け込み、情感にあふれたシーンを演出することができます。たとえ情報が少なくても、自分の感性を発揮して新しい世界を構築するチャンスがあるのです。

data_0020私がゲーム業界に飛び込んだ理由も、子どものころから好きな絵画やアートという形で自分の感性を表現できる仕事がしたい、という思いを持っていたことが大きかったですね。ゲームというものは一つのタイトルの中に独自の価値観が詰めこまれており、クリエイター自身の感性を表現することが可能な仕事でもあります。自分なりにデザインや演出などを考えられる楽しさも魅力の一つだと思っていますので、世界中のゲームユーザーに向けて自らの世界観を発信したい、という意欲的な方にこそ積極的にチャレンジしてほしいと思っています。

後編ではデジタルアートの最先端を行くヴィジュアルワークスの現場環境や、よりクオリティを高めるために取り組んでいること、さらにスクウェア・エニックスという舞台で活躍することの醍醐味について、生守さんに語っていただいています。後編は9月8日(木)に配信しますのでお楽しみに!

C&Rコンサルタントの求人“ココがオススメ”!

担当/佐藤浩平
担当/佐藤浩平

ヴィジュアルワークスが手がける映像作品の一番の誇りは、その『クオリティの高さ』。
それぞれの分野に卓越したクリエイターが知識と経験を駆使し、最先端の技術をもって最高の映像作品を作ることを目標に仕事をしています。
近年では、海外作品の映像も手がけ、ヴィジュアルワークスが手がけた映像作品は、海外イベントで賞を受賞するなど、そのクオリティの高さは証明されています。
国内タイトルだけでなく、海外のタイトルへと活躍のフィールドが広がったヴィジュアルワークスは現在、よりクオリティを高めながら、多くのニーズに応えるために、もっと多くのスペシャリストや志の高い将来ある若手の方を一緒に働く仲間として求めています。
業界最先端の環境で最高のクリエイティブに触れながら、クリエイターとしてのさらなる飛躍をヴィジュアルワークスで叶えませんか?

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会社プロフィール

株式会社スクウェア・エニックスは、エンタテインメント分野において、創造的かつ革新的なコンテンツ/サービスのヒット作品を生み続けるリーディングカンパニーです。当社グループの自社IPの代表作には「ドラゴンクエスト」シリーズ(パッケージゲーム累計出荷本数6,800万本以上)、「ファイナルファンタジー」シリーズ(同1億1,500万本以上)、「トゥームレイダー」シリーズ(同4,600万本以上)、「スペースインベーダー」シリーズなどがあります。

■ 社名  :株式会社スクウェア・エニックス
■ 所在地 :東京都新宿区新宿6丁目27番30号 新宿イーストサイドスクエア
■ 設立  :2008年10月1日
■ 代表者 :代表取締役社長 松田 洋祐
■ 事業内容:デジタルエンタテインメント事業、アミューズメント事業、出版事業、ライツ・プロパティ事業
■ URL:http://www.jp.square-enix.com/

 

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株式会社クリーク・アンド・リバー社
担当/佐藤 浩平
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