多くの企業が注目し、取り入れつつあるデジタルマーケティングですが、Webマーケティングとの明確な違いや効果的な施策がわからないという方も多いでしょう。

高い成果を生むにはデジタルマーケティングの本質を理解し、目的やゴールに合わせて活用するツールを使い分けることが効果的です。今回は、デジタルマーケティングの重要性やWebマーケティングとの違いをわかりやすく解説したうえで、施策を決める際に押さえておきたい4つの要素を紹介します。

デジタルマーケティングが重要視される理由

近年では、インターネットやスマートフォンの普及によって、デジタルデータの収集がより簡単にできるようになりました。今やデジタルデータは国境を越えて流通しており、大企業はもちろんスモールビジネスなどでも活用されています。

膨大な量のデータを用いて行なわれるデジタルマーケティングですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

1.1ユーザーの反応データによる分析

デジタルマーケティングでは、ユーザーの反応を即時に収集し分析できます。

例えば、Webサイトに新商品の情報を掲載した場合、「どのデバイスから何人が閲覧し、どのページに何分滞在したのか」をすぐに計測可能です。ページの離脱率もオンタイムでわかるため、その場で問題点を探り修正することもできるでしょう。

ユーザーが潜在的に求めているものや、何に対して興味があるのかをリアルタイムで把握でき、ユーザーの購買活動の変化にも柔軟に対応できます。

PDCAサイクルをスピーディに回し、売れる仕組みを素早く構築できるのは、変化が早い現代において大きな利点となるでしょう。

1.2ターゲットへのアプローチ

ユーザーの興味関心が高い情報を最適なタイミングで配信できる点も、デジタルマーケティングの強みです。

デジタルマーケティングでは、ターゲットとするユーザーが利用しているSNSや検索キーワード、アクセスの多い時間帯や曜日、位置情報までデータ化して活用します。

このような豊富なデータからユーザーの傾向を探り、より有効なツールを選択できるため、今まで以上に消費へとつながりやすいアプローチができるでしょう。

デジタルマーケティングは、新聞広告やテレビCM、紙媒体といった不特定多数に広告を打ち出す手法よりも効率的にターゲットに情報を届けられます。そのため、中小企業やスモールビジネスでも重宝されているのです。

デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い

デジタルマーケティングとWebマーケティングは混同されがちですが、両者の違いを理解しておかなければ効果的な戦略は立てられません。ここではマーケティング初心者にもわかりやすいように、具体的な施策も交えて紹介します。

2.1Webマーケティングは“オンライン”

Webマーケティングは、名前のとおり“Webサイト”を軸としたマーケティングです。

オウンドメディアやSEO・Web広告など、オンライン上のデータをもとにして自社のWebコンテンツを充実させ、サイトへの流入を増やす仕組みを作るのがおもな施策となります。

2.2デジタルマーケティングは“オフライン”を含む

デジタルマーケティングはWebマーケティングを含んだ大きな括りです。

オンラインに縛られない包括的な視点を持って、戦略を立てることが重要となります。そのため、Webサイトはもちろん、アプリやメール、顧客管理システムや位置情報など、オフラインのデータも用いて広い視野でマーケティングを行ないます。

施策としても、Webサイトに関わるものに留まらず、SNSや口コミサイト、デジタル端末のアプリやデジタルポイントカードなど多様なツールを活用します。

それぞれの違いを理解したうえで、クライアントの求めるものやよりユーザーにリーチできる施策を選ぶのが重要です。

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以下では、実際にデジタルマーケティングでよく使われる手法3つを紹介します。

ソーシャルメディアマーケティング

TwitterやInstagram、Facebookなどのソーシャルメディアは低コストでできることも多く、取り入れやすい手法です。自社のアカウントを作って、商品やそれにまつわる情報を発信することがメインとなります。

SNSを活用することで自社ブランドの認知度の向上やプロモーション効果が期待できます。また、それだけでなく、コメントのやり取りなどで顧客の生の声をリアルタイムに聴くことも可能です。

ソーシャルメディアではユーザー間で情報が拡散されることも多く、工夫次第では大きな効果を得られることもあるでしょう。

Eメールマーケティング

Eメールマーケティングは、消費につながる見込みの高い登録ユーザーに直接アピールする手法です。イベントや新商品のお知らせ、割引情報などのメールマガジンを送付し、購買活動やサイト訪問を促します。

顧客にとって有益な情報をメールで直接発信することで、よりコアなファン層の獲得にも役立つでしょう。最近はLINEなどメール以外のツールを使う企業も増えています。

Webサイトでの集客

Webサイトを軸とした戦略は、デジタルマーケティングでも主流です。

多くのユーザーに自社のWebサイトを閲覧してもらえるよう、インターネット広告やSEO施策、コンテンツ制作を行ないます。アクセス解析を行ない、課題を分析してサイトを改善するのも施策の一つです。

デジタルマーケティングを成功に導く4つの施策要素とは

デジタルデータを活用してWebマーケティングからデジタルマーケティングへ視野を広げることで、ユーザーに対してこれまで以上に訴求力のある施策が可能です。
ここでは効果的な施策を選ぶために、押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

プラットフォームのアルゴリズムを理解する

検索エンジンやTwitter、YouTubeなどそれぞれのプラットフォームには「アルゴリズム」と呼ばれる独自のルールが存在します。

例えば、私たちが普段使用しているGoogle検索では、アルゴリズムによって「ユーザーに適している」と判断されたコンテンツが自動的に上位表示されるようになっています。

これは機械的な判断に思えるかもしれませんが、ユーザーの心理を反映するため重要な要素です。

アルゴリズムは仕組みすべてが公表されているわけではありません。ツールそれぞれに特徴や傾向があり頻繁に更新されるため、基本を押さえつつ日々の更新内容もチェックしておきましょう。

収集したデータの分析方法をマスターする

デジタルマーケティングにおいて集めたデータを統合・分析する力は必要不可欠です。データの裏付けがあることでスムーズに意思決定ができ、施策の成功率も高められます。

まずは、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなど、基本的なツールを使えるようになりましょう。

これらを活用することで、ユーザーが検索したキーワードやアクセス元のチャネル、自社のWebサイトに流入前にとったユーザーの動きなどを可視化できます。

他にもデータ分析ツールは豊富にあるため、利用したいデータや目的に合わせて選んでいきましょう。

ターゲットユーザーへの理解を深める

前述の分析結果から、ユーザーが記事を検索した理由や知りたかったことへの理解を深めるのも重要なポイントです。デジタルマーケティングでは顧客の属性を詳細に指定し、ピンポイントでアプローチすることができます。

データを用いて自社のターゲットはどの層なのか、抱えている問題や潜在ニーズを細かく把握しペルソナを設定することで、無駄がない広報戦略を立てられるでしょう。

ターゲットユーザーへリーチする手段を理解する

デジタルマーケティングにおいて、ユーザーにアプローチするための手段は豊富にあります。ツールの種類や特徴を理解し、有効なものを選べるようになりましょう。

例えば、分析した結果ターゲット層にFacebookの利用者が多いと判明した場合、年齢や在住地域、興味関心や職業を絞ってFacebook広告を出すと効果が見込めるかもしれません。

あるいは、分析によってターゲットユーザーがよく検索しているキーワードが選定できれば、リスティングの活用でターゲットに広告が届きやすくなる場合もあるでしょう。

手段を知っているほど施策の幅が広がります。手法やツールはどんどん増え、トレンドも移り変わるため、同業者や顧客からの情報も常に意識しておいてください。

デジタルマーケティングにおいて大事なこと

デジタルマーケティングは、Webマーケティングも含めた広い範囲でのマーケティング手法です。Webデータだけではなく、アプリや顧客管理システムなどオフラインのデータも総合的に分析することで、より精度の高い情報が得られるという大きなメリットがあります。施策も、WebサイトだけではなくSNSやEメールなど多様なツールが活用できるため、データを活用してユーザーに合った手段を選べるかが、マーケティングを成功に導く鍵となるでしょう。データ分析ツールや発信方法は常に進化していくため、最新情報を日頃からチェックしておくことをおすすめします。

クリーク・アンド・リバー社(C&R社)は6月8日(火)、デジタルマーケティングに興味のある業界未経験者の方を対象に、「デジマ入門 vol.1 ~デジタルマーケティングとは~」を開催します。詳しくはこちら。

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