ゲームプランナーとはゲームの企画書を作る仕事であり、ゲームのアイデアを考えるポジションです。しかし、一言にゲームプランナーといっても、会社によって仕事内容が大きく異なるのです。大きく分けると3つに分類することができます。

1:ゲームの企画書を書くポジション

2:ゲームの企画から開発全般に携わるポジション

3:ディレクターのような運用&管理ポジション

ゲームプランナー求人の募集要項の内容をチェックすることで、1~3のどれに近いのか、ある程度は判別することができます。もし、新規タイトルのスターティングメンバ―募集であり、企画書制作の経験が重要視されている場合は1の可能性が高いです。一方、企画書作成よりもレベルデザインやマネジメント経験が求められる場合は2、既に稼働中のゲーム向けのメンバー募集である場合は3に近い仕事内容といえるでしょう。

募集要項を見ただけでは、判断がつきづらいことがほとんどなので、具体的な仕事内容は直接、転職エージェントに聞いてみましょう。今回は、これらの3つのポジションを広義の意味でのゲームプランナーだと捉え、ゲームプランナーに向いている人の特徴を紹介していきます。

UI/UXの知見がある人

UI/UXを意識した開発経験があれば「どうやったらユーザーが気持ちよく操作をしてくれるか?」ということを考えて設計することができるでしょう。その視点はゲームプランナーにも必要とされています。

下記の画像は、横スクロール2Dアクションゲームのステージ設計の例ですが。左図は道に沿ってコインが配置されていますが、右図はプレイヤーがしたい動きに沿ってコインが配置されているので、ユーザーは気持ちよくステージを進みながらコインを手に入れることができます。

UI/UXの知見がある人

普段からUI/UXについて意識的にゲームをプレイしている人であったとしても、開発側になった途端に視野が狭くなり、誤ったゲームデザインを設計してしまうケースは多々あります。客観的にユーザー目線で設計できる能力は、ゲームプランナーにとって必要な能力です。

ボードゲームが好きな人

意外なことに、デジタルゲームではなくアナログなゲームであるボードゲームが好きな人は、ゲームプランナーの適正がある可能性があります。ボードゲームのルールは全てが厳格に決まっているわけではなく、ある程度は遊び手側が自由に決めることが出来る余白があるので、そのタイミングでアイデアを発想することができます。デジタルゲームだと、その機会はありません。開発者が作ったゲームを、そのルール通りに遊ぶことしかできないのです。

ボードゲームのようなアナログゲームには、ルールにある程度の余白が存在しています。
例えば、すごろくのようなボードゲームであれば、その駒を任意で変更することが出来ますし、駒を追加すると複数人で遊ぶこともできます。山札のカードが無くなれば使ったカードの半分をもう一度シャッフルして山札にしよう、もしくは山札が無くなった時点でゲームを終了させる等、ルールを作り出す機会が訪れます。それは皆さんのオリジナルのアイデアであり、ゲームを設計した経験にもなります。

ボードゲームが好きな人が考えるゲーム

また、1からボードゲームを作ってみることも良いでしょう。既存のボードゲームのアレンジだと95%から5%の部分でルールを追加するだけですが。5%の既存のアイデアから、残りの95%を作ることに挑戦しておくと、ゲームプランナーの経験として使えるでしょう。

プレゼンテーションが得意な人

ゲームプランナーのメインの仕事として挙がるのが、企画書の作成です。どんなジャンルの企画書にもいえることですが、プレゼンテーション能力に優れている方の企画書は、論理的に的を得たプランや、読み手に対する配慮があり、採用されやすい傾向にあります。具体的には下記の3点が企画書に示されていることです。

何が面白いのか

もっとも重要な部分です。ゲームの魅力を示す、キャッチコピーともいえる部分なので、一言で伝わるものが良いでしょう。iPhone発表時のスティーブ・ジョブズの伝説のスピーチも実にシンプルな売り文句でした

スティーブ・ジョブズ「音楽、電話、インターネット、全て1台です」

IPモノのゲームであれば簡単に魅力が伝わりやすいですが、そうではないゲームであれば説明が難しいでしょう。それでも自分の友人にもひと目で面白そうだと思ってもらえる表現やロジックが必要です。

誰が面白いのか

マーケティング用語ではペルソナとも呼ばれます。例えば、男性向けなのか女性向けなのか、何歳ぐらいの層に向けたゲームなのかを決めることです。ペルソナを念頭に置いたゲームとそうではないゲームでは、企画書の説得力に差が出てきます。

遊んでもらう層を限定するのが目的ではなく、ある程度のペルソナを定めておくことで、「この層にこのゲームの仕様は伝わるのか?」や「もう少し若い層をターゲットにすることで流行りそう」など、判断や検討材料になるからです。

ゲームサイクルが成立しているか

ゲームを長く遊んでもらうためのサイクルが意識されていることも企画書では重要だといわれています。これはゲームジャンルによって異なるのですが、たとえばRPGである場合、レベルを上げて強くなり、今まで倒せなかった敵を倒して爽快感や達成感を得ていくこと。それらを補助する要素として、その過程でストーリーが進むなどです。

ゲームサイクルの例

アクションゲームであれば、最初からキャラクターが強いのではなく、徐々にキャラクターが強くなっていき技の自由度や威力が上がっていくことでしょう。これらの成長要素がシステムとして記されているか否かでは、ゲームサイクルが意識されているかどうかの配慮と訴求力の部分で異なってきます。

一方、ストーリーや世界観が長々と書いてある企画書はそこまで評価が高くならないようです。その部分はシナリオライターに任せることが多いからです。また「企画書を読む人のことを考えて企画書が書かれているか?」という評価軸も「ゲームをユーザーの目線で作ることができるか?」という点での判断材料になります。企画書はプレゼン資料だと捉えて、読み手のことを考えた構成にしましょう

いまゲームプランナーの人も、これからの人も覚えておきたいこと

「ゲームプランナーだけではゲームは作れないが、ゲームプランナーがいなくてもゲームは作れる」という言葉があります。ゲームに精通したプログラマーだけでもゲームは作ることができるのです。よって、ゲームプランナーを目指す以上は、ゲームのプランニングを専門的に遂行することは、具体的に「どのような価値を生み出すことなのか?」ということを自分自身に言い聞かせて、向上心を持って仕事をしていくべきでしょう。

現在、クリーク・アンド・リバー社では、新しいステージで働いてみたいゲームプランナーの就職支援を積極的に行っております。

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